表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/121

第15話 断罪の原因が気になります

「あのねララ、私すごく引っかかっているの、何故私が断罪されたのか理由はわかった?あの時の私は、記憶がぼんやりしてちゃんと覚えてないのよ。このままだと、同じ結果になるんじゃないかと心配になったの」

『それなんだけどにゃ、リリアーナを愛し子にしたこと以外の原因も私のせいかもしれないのにゃ。まだはっきりと断言はできない、でも多分そうだろうって男神ルールが言っていたのにゃ、本当なら申し訳ないにゃ~』

「男神ルール様?」

『そうにゃ、私と同じ時に誕生した神で、隣国ユリゲーラを守護しているのにゃ。とっても優秀なのにゃ』

「……て、ええっララが原因??」

『ごめんにゃ。私がやらかしたことが、巡り巡ってマリアローズたちに影響したにゃ。ただ、なんで王太子やマリアローズだったのかは、わかってないし引き続き4柱が原因を探しながら、対策を考えてくれてるにゃ。もう少し待って欲しいにゃ』

 白猫ララがガバリと土下座した。

『今わかっているのは黒いモヤが人の心を操るらしいことと、王家の人間に何か執着のようなものを感じるにゃ』

「操る?じゃあ、あの時のアロイス殿下は操られていて、それで私を断罪したの?嫌われてなかった?」

『そうにゃ、今の王子を見てもわかるにゃ。あれは恐ろしいほどマリアローズに…ゴニョゴニョ』

「え、最後なんて言ったの?」

『ん~知らないほうが幸せなこともあるのにゃ~』

「でもよかった。殿下に嫌われてはいなかったのよね」

『……ニャア』

「え、ララ?急に黙って……」

「僕のマリア。猫とお話ししているなんて可愛すぎるよ。リリアーナ嬢は帰ったの?待ちきれなくて来てしまったよ」

 いつの間にか殿下が後ろに立っていた。幸い私一人で猫に話しかけていると思ってくれたようだ。恥ずかしいから誤解を解きたいが黙っておくしかない。

「お待たせいたしました。リリアーナ様は早めに帰られました」

「そう、どうだった?」

「はい、とても良い方でお友達になれました。文通をする約束と、あとお茶会もしたいので外出許可も欲しいのです」

「……文通……マリアからの手紙、お茶会、外出……」

「アロイス殿下?あの、」

「ああ、ごめん。嫉妬で意識が飛んで……ごほごほ。そう、お友達になったんだね。あくまで友達、婚約者の僕の方が優先だよね?僕のことが大事だといいな」

 白猫ララがジト目で見ているけどなんだろう?

「もちろん、アロイス殿下が大事です。だからこそ、お友達を沢山作って人脈を築いておきたいのです!」

「そう、僕のためだよね。そうだね、外出許可考えておくよ」

 殿下の機嫌もなおったようで良かった。外出も許可してくれそうでホッとした。


 ―――お茶会は盛況のうちに終わった。

 王妃様にもお褒めの言葉を頂いた。嫁姑問題もこのままいけば安泰だ。

 あれからすぐにリリアーナから手紙が来た。お茶会のお礼と新しい義母と仲良くなれたという報告だ。この時点では、まだ異母妹は生まれていない。親子関係も良好なのだ。リリアーナが孤立する異母妹転落事故は一年後だ。絶対に阻止しようと心に誓った。


 文通をしながら、時々王宮にリリアーナを招いてお茶会をした。アロイス殿下が途中で現れることもあったが、順調に友情を育んだ。もう親友と言ってもいいはずだ。

 最近の手紙には、異母妹が生まれて本当に可愛らしいのだと書いていた。転落事故は異母妹が生後6か月の時だ。

「ねえララ、転落の日にちとか時間はわかるの?」

『もちろんにゃ、前と同じなら時間も日にちもわかるにゃ』

「じゃあ、その時にリリアーナの家でお茶会をしましょう。そして、転落を未然に防ぐのよ。そうしたら、リリーは幸せな家庭のまま悪役令嬢になんてならないわ」

『わかったにゃ。リリアーナを守るのにゃ』


 ララが教えてくれた日程にホワイト伯爵家でお茶会をしたいと約束をとりつけた。異母妹に会いたい、そう手紙に書いた。外出許可が出るのがその日しかない、と説明したら納得してくれた。リリアーナの返事には、

【殿下が相手なら外出許可も大変でしょう。その日に用意してお待ちしております。】

 と、書いてあった。リリアーナと王宮でお茶をしている時に、途中から殿下が参加することが度々あったので、過保護すぎる殿下から外出許可をもらうことが大変だと配慮された形だ。

『過保護?あれはそんな可愛いもんじゃないにゃ~』

 ララはやれやれ、とため息をついていたけど、じゃあ何?と聞くとサッと逃げて行った。


 そして、リリアーナの家でお茶会をする日がやってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ