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第13話 小さな攻略対象者たちと仲良くします

 [聖なる薔薇と5カ国物語]の攻略対象は5人いる。

 王太子アロイス殿下、今はまだ立太子されていないので第一王子だ。

 側近候補のロイド・ミラーは、ミラー伯爵の長男で代々この家の者は近衛騎士団に入るそうだ。正義感が強い体育会系男子だが今はまだやんちゃそうな男の子だ。

 そして、殿下より10歳年上のチャールズ・テーラーは、テーラー侯爵家の次男だ。今は側近として側にいるが殿下が学園に入学する時に教師として学園に赴任する。メガネ男子でツンデレキャラ、今は18歳で学園を卒業したところだ。

 隣国のからの留学生として学園に来るシャルル・ハリス公子は、今日は残念ながら不参加。あとは、4人をコンプリートすると出てくる5人目の隠しキャラとして、天才魔術師ルルーシェ・ブラックがいる。小さい時から天才で王宮魔術師として王宮にいるといわれている。平民出身なのか貴族なのか真相は確かでない、謎多き美少年だ。今日お茶会に来ているかも謎だ。会えたらラッキー程度に一応招待状は出しておいた。ただ、ヤンデレキャラなので積極的には関わりたくない人である。


 「はじめましてグラン嬢。ロイド・ミラーだ。やっと会えました」

 イメージ通り元気いっぱいの短髪オレンジ色の髪の少年だ。同じ年なので学園に通う時も同じクラスになる予定だ。転生前はあまり関わった記憶がない。今世は積極的に関わってお友達になりたい。

 「はじめまして、ミラー様。よろしければマリアローズとお呼びください」

 「では、俺のことはロイドで」

 「はい、ロイド様」

 楽しく談笑する私たちの横で、アロイス殿下の表情がだんだん険しくなるような気がしたが、これも断罪崖落ち防止計画の一環なので譲れない。兎に角友達は多いに越したことはないのだ。

 「はじめまして、テーラー様」

 「はじめまして、マリアローズ嬢とお呼びしても?私のことはチャールズと」

 「はい、チャールズ様」

 「マリアローズ嬢とは、一度女神の愛し子の事象について議論したいと思っていた。女神様を考察するのがライフワークで、何度か殿下に対面したいと言っていたのに、この殿下は狭量だから」

 少し皮肉を込めた口調だ。不敬罪を問われそうな発言だが、殿下は気にしていないのでこれが通常なのだろう。10歳上で今は殿下の教育係も務めているらしい。殿下も天才だと言われているが、チャールズ様は神童だと言われるほど博識なのだ。学園入学時は教師として登場するメガネ男子だが、今はまだメガネはかけていないようだ。

「メガネ?ああ、最近眼が見え辛くなっていて、たまにかけているよ」

 どうやら心の声が漏れていたようだ。気を付けよう。

 「それでは皆様、少し席を外させて頂きます」

 「マリア、どこに行くんだい?一緒にお茶を楽しもうよ。今日も君のお気に入りのデザートを用意させたんだよ」

 少し前から気になっていたが、やはりお菓子の好みは殿下に筒抜けのようだ。まさか間者のような存在が⁈ いや、まさかね。

 「申し訳ございません。ホワイト伯爵家のリリアーナ様と待ち合わせをしておりますので」

 いきなり接触をはかろうかと思ったのだが、突然声をかけるのは怪しまれるとララが言うので、お茶会の招待状に別のカードを添えたのだ。


 【突然カードを送り驚かせて申し訳ございません。私は、グラン伯爵家のマリアローズと申します。お茶会の時にぜひお話がしたいので、お会いする機会をいただけないでしょうか。2時に会場の奥にあるベンチで待っています。】


 いろいろ書こうと思ったが、今世は初対面なのだ。素直に会いたいと伝えたほうが怪しまれないと思ったのだ。後日可愛らしいピンクの花柄の便箋で、ぜひお会いしたいです。と返事が届いた。まずは一歩友達に近づいたようだ。


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