SS お見合いがしたいです④
「あ、あの、今言ったことは本当ですか?」
キャロリーヌが真っ赤になって、リアムに聞いた。
「うん、キャロのこと誰にも渡したくないんだ。キャロがお見合いするまで気づかないなんて、ちょっと格好悪いけど……」
「私も、私もリアム様のことを、ずっとお慕いしていました。でもこんな人見知りで地味な私では、将来王になるリアム様には、ふさわしく……ないと……あきらめて、いました……」
リアムはキャロリーヌの涙をそっとハンカチで拭くと、私たちを振り返った。アロ様と私は静かに頷いた。
「キャロリーヌ、君は地味なんかじゃない、美しいよ。一生君を守ってみせるから、僕の手を取ってくれないか?」
そう言ってリアムは手を差し出した。キャロリーヌはこくこくと頷き、手を取った。
リリアーナとチャールズ宰相は顔を見合わせた。突然のことに困惑するのは仕方ないことだ。
「リアム殿下、本当に我が娘キャロリーヌでいいのですか?」
「ああ、キャロリーヌがいいんだ。将来私の隣に立ち、共に進みたいと思えるのは彼女だけだ。ホワイト宰相、許してくれるか?」
「はい、殿下がそうおっしゃるのなら、私どもに否やはございません。よろしくお願い申し上げます」
「良かったわね、おめでとうキャロリーヌ」
涙ぐみながらリリアーナが娘を抱きしめた。アロ様は少し寂しそうにつぶやいた。
「そうか、子供たちが一度にいなくなってしまった気分だよ。素晴らしいことなのに、寂しい」
「そうですね、でもすぐにまた騒がしくなりますわ」
私はお腹を撫でながらそう言った。アロ様は私のお腹を見た。
「え、マリア、もしかして」
「はい、ここ最近眠くなることが多くて、体調が悪かったので王宮の医師に確認をしました。3人目がお腹にいるそうです」
「そうか、3人目の子が……ありがとうマリア」
そう言って私のお腹を嬉しそうに撫でた。
『なんにゃ、騒がしいのにゃ。どうしたにゃ?』
いつの間にか白猫が隣に座っていた。
「あら、ララ。今までどこに行っていたの?」
ララはグーと伸びをして、私のお腹を見た。
『マリアのお腹の子に頼まれて、隣国のルールのところに行っていたのにゃ』
「え?お腹の子に??」
読んでいただいてありがとうございました。残り一話です。