SS お見合いがしたいです①
セリフの最後に丸を付けていたのが気になって、ほぼ全話編集作業をしました。
編集が終わりましたので、ショートストーリーを追加しました。全5話です。
「お母様、私お見合いがしたいです!!」
ある日5歳になったティアラが突然そんなことを言い出した。隣に座ってお茶を飲んでいたアロ様は、むせて咳き込んでいる。
最近リリアーナとお茶をしている時に、一緒に来ていた娘のキャロリーヌからお見合いをした話を聞いたからだろう。結婚した後も、リリアーナとは家族ぐるみの付き合いが続いていた。8歳のキャロリーヌはティアラのお姉さん的な存在だ。そんなキャロリーヌが、お見合いをしたと聞いたら興味を持つのは仕方ないだろう。
リリアーナと結婚したチャールズ様は、リリアーナの父親から爵位を譲られホワイト伯爵となり、アロイス殿下が王となった現在、宰相として王宮で働いている。爵位もその際に侯爵へ陞爵された。子供は長女キャロリーヌと4歳下に長男ジョナサンがいる。
長女のキャロリーヌは人見知りな上、大人しい性格で、成人してから婚約者を探すよりは小さい頃から仲良くなれそうな人を探した方が、打ち解けて結婚生活が送れるだろうと、チャールズ様が提案したらしい。
先日候補者の一人と一回目の顔合わせがあったそうで、その話をキャロリーヌから聞いたティアラが、キラキラと空色の瞳を輝かせて聞き入っていたので、いやな予感はしていたのだ。
「はあ?お見合い??うちの可愛いティアが……どうしてそんな事、ティアはお父様と結婚するって、ついこの間まで言っていたじゃないか……」
ティアラはにっこり笑って首を振った。
「それは、お父様にはお母様がいるから無理だって、お兄様が言いました。だから、ティアは自分の王子様を見つけるのです!」
どうやらお見合いをすれば、王子様がやって来ると思い込んでいるようだ……
「いや、そうだが、マリアがいるから結婚は出来ないが……」
アロ様が動揺のあまり、思考が止まったのか変な言い訳をしだした。私がいなくても親子で結婚は無理だと、ちゃんと教えて欲しいところである。
「お見合いがしたいのです!!お父様は大好きです。だからお願い」
「ああ、あ、考えておくよ。少し待っていなさい」
アロ様は、子供の言いだしたことだから、すぐに忘れるだろうと、きっとそう思ったのだろう。曖昧な返事を返していた。
それから2週間後、カーネル王国からシャルル王太子夫妻と、6歳の第一王子ルーク殿下が外遊経験を積むため同行し、ローズウィル国を公式訪問した。
完結後に、「ーー。」セリフの部分の間違いに気づきました。全話見直し「ーー」へ変更しました。
追加で、SSをあげてみました。全部で5話構成です。
読んでいただきありがとうございます。