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第四話

 一般的に魔法とは、体の内にあるMPを任意の形で外に放出することを言う。私、ルイス・メディアムに備わっているのは放出するという部分の才能で、MPの総量は一般人以下だ。これは魔法使いとしては致命的で、端的に言うなら、燃費が悪い。しかし、このアイディオとかいう男は全くの逆、燃費が良すぎる。一瞬触っただけでわかる、海の如きMP量だった。仮に亜人の血だったとしても、異常と言わざるを得ない。

「さっきから何なんだよ一体! 吸収に招待? いかんせん説明が足りなさすぎるよ!」

 やはりだ。さっき使った分ほぼ全て無理矢理吸い取ったのだ。普通なら絶対に不調が現れるはず。だがこの男、おそらく吸い取られたこと自体に気付いていない。

 規格外だ。確かにMPの多い人間というのは注目を集めづらい。ただ、ここまでの力を隠し持つ者は初めてだ。

「助けてもらって色々すまないわね。吸収は大した量じゃないし、招待も強制じゃないわ。ただ、少しあんたの身の上話もしてくれないかしら?」

 ここまでの力、敵に回したら厄介だ。余計な地雷を踏まないためにも、申し訳ないが雑な嘘をついておこう。そんなことより、素性を知るのが優先だ。

「う〜ん……腑に落ちないけど、わかったよ。俺の身の上話なんて聞いても面白くないと思うけど———」

 こうして、彼の生い立ち、冒険者になってからクビまでの経緯。

「———こんなもんじゃないかな。はは、ただの無職の自分語りだったけど、満足した?」

 聞けば聞くほど、なぜここまでの力を持ち得るのか、理解できない。しかも、おそらく有り余る力の活用もできておらず、自覚もしていない。

 果たして、世界中探したところでここまで自分と相性のいい存在が他にいるだろうか。これは———運命の出会いだ。

「アイディオと言ったわね。もう一度聞くけど、招待に乗る気はあるかしら?うまくやれば、あなたの冒険者ランクを上げられるかもしれないわよ」

「どうせ無職なんだし、とことん付き合うよ」

 

 スカウト成功だ。

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