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第三話

「説明ねぇ、どこから話せばいいかしら」

 アイディオと名乗った黒髪の青年の問いにはっきりとした回答を出せずにいると、向こうの方から歩み寄ってくれた。

「じゃあ、さっきのやけにガタイのいい男は誰なんだ!というか、なんであんなやつに追われていたんだ君は!」

 アイディオはやけにがっついて質問をしてくる。

「あぁ、ブリムのことね。あいつはうちの執事の一人よ。彼、強面だけど甘いものには目がないのよ?」

「執事ぃ? なんで執事に追われるようなことに……というか、いや、まあ、趣味は人それぞれなんだけど、それはそうとして、」

「まあ、家から脱走しまくってるからでしょうね。お父様は私に”お勉強”してほしいみたいだし、一応私、侯爵家の長女だし」

「侯爵家だって? いやその金髪、青い目、メディアムってもしかして……」

 この男、いちいち女々しい反応を取ってくるのが癇に障る。男ならもっと堂々としてなさいよ。

「御明察ね、最高の我が家にご招待でもしたらいいかしら」

「もしかして、君は自分の家のことが嫌いなの?」

「当たり前よ。ちょっと私に魔法の才能があったからって、家の立て直しができるなんてみんなで信じ込んで、バカバカしく感じるわ。それに私、魔法の燃費悪いし」

 家の愚痴となると、堰を切ったように言葉が溢れ出てくる。初対面の青年に言ったところで仕方がないというのに、自分の性格の悪さを実感する。

「口に付き合わせて悪かったわね。あんたのMPだけもらっていくわ」

 立ち去る際にアイディオの肩に触れ、先刻消費した分のMPを吸収する。MPとは生命力のようなものだ。無理矢理吸い取ればまあロクなことにならないが、侯爵家の令嬢と出会ったなんて流布されても敵わない。気を失って目を覚ましたら夢か何かだと思うだろう。



「——————は?」



「ちょ、ちょっと待って、何が何だか——————」

 アイディオはMPを吸収される経験がないのか状況を理解できていない。だが、もはやそんなことはどうでもいい。

紡がれた言葉を遮り、彼の肩を強く握り直す。

「予定変更、あんたはルイス家にご招待決定よ」


この男、アイディオ・セアンは——————MPが多すぎる。

更新スピードが低すぎるので尻叩いてください誰か

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