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第3章
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『いいな 自由で』
『いや 不自由か』
すうっと舞い翔んだ白い綿毛を重い目が追う
何に問うのか誰に問うのか
自由だよ
不自由だよ
それぞれの回答の行く末が重い頭の中を行く
何が応えてくれるのか誰が応えてくれるのか
『辿り着かないな』
ふわふわと不安定に翔ぶ綿毛がいとおしく
『頑張れ』
力なくも着々と翔ぶ綿毛が頼もしく
僅かに斜に差す日が綿毛を斜に照らし
綿毛をはこぶ緩い風が季節の香りをはこぶ
『いい香りだ』
暫くの間包み込まれた
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