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陰キャ女子と陰キャ男子は二人して〇〇人だった件


あーあ。

もう後戻りできねえし。

しらばっくれられそうもない。

こうなりゃ、黙っててもらうしかねぇな。

「なぁ、真島さん。俺の正体、みんなには秘密にしておいてくれないか?

一生のお願いだ」


「うーん。どうしよっかなぁ。

国民的人気バンドのボーカルがさぁ、実は陰キャだなんて、知ったらさぁ!みんな驚くよねぇ!」


「お、おい!俺、こーやって頭下げて頼んでるだろ...!」


「じゃあさ!黙っててあげる代わりに私と付き合うとかどう??」


「私ね、バンド結成当初から、シンのイケボや

カリスマ性に惚れててさぁ!

ぜったい、付き合いたいって思ってたんだ!」


「いや、それがだな...」


「ん?」


「俺、実はな、幼稚園時代からの幼馴染がいてさ...」


「何よ。その子のことが好きってこと?」


「う、うん」


「つまり、私とは付き合えないってこと??」


「うん。そーゆーことになるな」


「誰?名前は?この学校にいるわけ?」


「うん。いるよ。次いでに言っちゃうと、

俺の正体を知ってて、俺の夢を後押しして、

レコード会社にダメ元で音源を送ってみれば?って言ってくれたのも、彼女なんだ」


「ふーん。もしかして、その幼馴染ってクラスメイトの山野ユナさん?」


「な、なんで分かった...??」


「だってぇ!シンジくん、授業中、チラチラ見てるもんね、彼女のこと!それにさ、

お互い、呼び捨てで呼び合っているじゃん!!

幼馴染同士って感じがしたの!

こー見えて、私、鋭いんだからね!」


「す、すげえな。おい」


「あー、もうっ!ムカつくっっ!」


「幼馴染が好きとか!」


このとき。


真島マヒロが高い声を出してみせた。

その高音ボイスを聴いて。

俺は確信した。


「その綺麗な高音ボイス。

おまえ。国民的アイドルグループのセンターポジションの女だろ?えーと名前は確かヒロ、、」


「う、、、」


馬乗りから、急に立ち上がった彼女。


怯んでいた。


「眼鏡を外せ。そんでもっておでこを出せ。

俺にさせたこと、おまえもしてみせろ」


「な....!?」


「できないか?正体がバレちゃうからやる訳にはいかない、か?」


「お、お願い、黙ってて欲しい...」

「私が陰キャ上がりのアイドルなんて知られたら、CDの売り上げが多分落ちる...!」


「うちは貧乏な父子家庭なのっ!私の給料で

なんとか生計を立ててて!!」


「フッ。これでおあいこな。


それにしても。おまえと俺、似たもの同士だな。貧乏な家なのか。あいにくと俺もなんだ!」


「仲良くなれそうだな。友達として!」


俺は彼女に握手を求めた。


彼女は渋々、頷いた。


「黙っているわよ!そんでもって、

あなたと付き合うことも諦めてやるわ!

一時的だけどっ!」


「幼馴染のことが好きじゃなくなったら、

そしたらさ!私と付き合ってよっ!」


「うーん、どーしよっかなぁ」


「なによ。眼鏡もとってやるわよ!

でこも出してやるわよっっ!」


こうして。

メイクはしてないけど。眼鏡を外し、おでこも出し、で。


アイドルの姿になってみせた真島マヒロは。

ごくり、と。

息を飲むくらい。


滅茶苦茶、芸能人オーラ全開の茶髪美少女だったのでした。



「や、やばい。超絶美少女!!」


「どうもありがとう!いつでも待ってるからね!山吹シンジくん」












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