表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

陰キャな女子転入生に押し倒され眼鏡を奪われた陰キャ男子

変装用の黒縁眼鏡が真島マヒロによって奪われた。



「や、やっぱり...!

その切れ長の目!!シンの目じゃん!


更に俺の重ため前髪も彼女の右手によって

ふわりとかき上げられ、おでこがあらわになった。


「さ、触るな...や、やめろ...」


俺のうめき声虚しく。


「そのでこの広さ...!シンと一緒!!」


興奮した表情を浮かべた真島マヒロが

手際よく事に及んでしまった。


俺は確かに、シンだが。

正体は隠さなくてはいけなかった。


レコード会社や事務所との約束で、

絶対的に俺の存在はよくわからない、そうミステリアスな人間だと

しておかなくてはならなかった。


週刊誌に、国民的人気バンドのボーカルが

実は陰キャだなんて記事が載ろうものなら、

CDの売り上げに影響が出る。

売り上げが減れば、給料もそれに付随して減る。長男な俺の下には弟が四人。子沢山な

貧乏母子家庭の俺は、

俺のギャランティーで生計を立てているようなもの。俺は国民的人気バンドのボーカリストにまで上り詰めたが、道のりは急な上り坂だった。


現在から約一年前こと。デビューする前までは、

血反吐を吐く思いで毎日、歌の練習をし、音源を何度となくレコード会社に送りつけ、

漸く掴んだ夢。


やがて。俺のしつこさに

根負けした、レコード会社の


お偉いさんと話をして、デビューさせて

もらえることとなった。だが、当たり前だが、ぱっと見俺は陰キャだから、外見の徹底的な改造を余儀なくされ、眼鏡はやめろと言われて、

コンタクトにし、前髪はオールバックにして

くれと、言われて作り上げられたイケメンは

もうひとりの俺。


ここで、バレる訳にはいかないんだ。


「違うったら、違う...!他人の空似だっっ!!」


「あら、まだとぼけるわけ?

そんなに、正体、バレたくないわけ?」


「バレたくねぇよっっ!」


あ、と思った。


俺は咄嗟にそんなセリフを吐いてしまったが、

この発言、

自分が、シンだと言ってるよーなものだった。




iPhoneから送信

星、塗り潰してくーださいっ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ