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陰キャヲタクが陰キャ女子に押し倒されたんだが、実は俺、国民的人気バンドのボーカルな件


陰キャが実は国民的人気バンドのボーカルな件


5時間目の音楽の授業を終えた俺は

超絶ピンチに陥っていた。

最近、うちの高校に転入してきた転校生は、

俺と同じ属性の陰キャで、地味女子だと

俺のなかで認識していたが、なんだろう、

の乱暴な感じ!

言葉の節々や、行動に凶暴さが見て取れる...!


「や、やめてくれないか...??

何故、俺に絡んでくるのか、甚だ理解に苦しむな...」


俺は争いを好まない。

好まないんだ!!


だから、俺に馬乗りになってる、その、スタイルはいいぼんキュッぽんの身体を今すぐどかしてくれ!


俺はひどく後悔した。

いけなかった。音楽の時間、

みんなの前で歌の独唱テストを順番にやったのが今、思い返してみるといけなかったんだ。

そんでもって、内申点をあげたいがために、

本気を出して歌っちまったのがそもそもの間違い。

俺の正体が、転入生である陰キャ女子にバレかかっていた。


「あんた、国民的人気バンドのボーカルと

声がクリソツなんだけど!

そんでもって歌い方もそっくりなんだけどっ!」


「え?なんのこと?」


「とぼけんじゃないわよ...!

私はね、一応、絶対音感があんのよ!

それにね、ボーカルのシンの大ファンで、

彼のこと大好きなのよ...!!」


「イケボであること。そして、声量。

音程完璧...」


「いやいや、待ってよ。

その人気バンドのボーカルの奴だけどさ。

男の俺が言うのもなんだけど、すげー、

男前じゃん。

それに、髪の毛オールバックにしてるし!」


「全然俺と属性が違うだろ!シンってやつは

陽キャのなかの陽キャ!そして俺は陰キャのなかの

陰キャじゃないか!!」


「うん、そうだね」


「だろ?俺のこと、メガネ越しによーく、見てよ。俺は重ため前髪。

それに、黒淵めがねもかけてる。超のつくアニメ好き。

つまりね、生憎と陰キャヲタクの部類だ」


「どこをどう間違えは、

陰キャヲタク=国民的人気バンドのボーカリスト、なんて等式が成り立つんだよ?」


「....つっ!」



放課後。舞台はここ、山梨県のとある中堅高校。


俺はうちの高校にやって来たばっかの陰キャ転校生の真島マヒロに体育館裏に呼び出され、詰問されていた。


「どーなのよっ!!」


よもや、俺は。じりじりと間合いを詰められ、

やがて、ドン!と優しく砂利のうえに

押し倒された。


「う、うわぁ...!」


「悲鳴もイケボね...」




とにもかくにもピンチだった。


絶対音感を持つと豪語した転校生に

正体がバレそうになっていた。


彼女は俺に、馬乗りになり、

眼鏡に手を伸ばしかけてた。


俺は願った。


だ、誰か、助けてくれ...!と。






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