表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜  作者: 赤金武蔵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/184

剣の里──④

   ◆



『本日は休養日に致しましょう。よく食べ、よく休み、よく鍛錬する。時間はありませんが、これも必要な時間です』



 とかライガに言われたけど、スフィアのフルポーションのおかげで肉体的疲労はゼロなんだよな。

 精神的にはかなりキツかったから、休みにしてくれて嬉しいけど。


 剣の里内部は外敵の心配はない。

 ライガにも散歩を勧められ、人生初個人で行動することに。



「傍に誰もいないなんて、不思議な感覚だな……」



 いつもは絶対に誰かしら隣にいたからなぁ。


 広大な剣の里を1人で歩く。

 刃こぼれし、錆びつき、折れている剣達。

 そんな剣達から顕現している剣精霊達が、みんな笑顔で遊んでいる。

 そのおかげで一切寂しさを感じない。


 剣の里。別名剣の墓。

 墓と言ってもみんな楽しそうで……いいね、こういうのんびりした雰囲気も。

 けどまあ遊んでると言っても、やってることは真剣でのチャンバラだけど。見てるだけでハラハラする。


 そんな光景を見ていると、俺に気付いた剣精霊達がこぞって俺の元にやって来た。



『あーっ、お客さんのお兄ちゃん!』

『遊ぼっ、遊ぼっ!』

『チャンバラしよー!』

『たのしーよ!』


「えっ」



 あー……どうしよう。一応、今日1日は休むことにしてるんだけどな。

 だけどこんな純粋な目で見つめられたら、無下にもできないよね……。



「うん、いいよ」

『『『『やったーーー!!』』』』



 少しチャンバラするくらいなら、逆にいい骨休めになるかも。


 みんなに手を引かれ、ちょっとした広場に着いた。

 チャンバラするにはかなりいい感じの場所で、普段からここで遊ぶことが多いらしい。



『ここで遊ぶのー』

『チャンバラ、チャンバラ』

『タイマンです』

『勝敗は審判がつけるわ』

『みんなとやるですー』


「うん、わかったわかった」



 ちっちゃくてわちゃわちゃしてて、可愛いな。


 広場の中央に立つ。

 その周りを剣精霊達が囲い、1人の男の子が俺の前に立った。



『お兄ちゃん、構えて』

「うん」



 腰からフラガラッハを抜く。

 夜空のような漆黒の刀身。

 アクアブルーに輝く刃。

 そんなフラガラッハの輝きに、剣精霊達がザワついた。



『ほわぁ〜……』

『しゅごい……!』

『綺麗ね』

『こんなの見たことないです』

『とってもかっこいい!』



 おお、褒められた。やっぱりフラガラッハが褒められると、俺まで嬉しいな。


 俺と剣精霊が剣を構える。

 その中央に立った別の剣精霊の女の子が、赤と白の旗を持っている。



『お兄ちゃんは白。剣精霊は赤です。殺すのダメ。傷つけるのダメ。審判の私の指示に従うこと。いいですね?』

『『『『あーい!』』』』



 あぁ、可愛い。癒される。ホッコリ。



『それでは、構えて』



 互いに剣を構える。

 ……流石、剣精霊なだけあり素人目にも隙がない。

 対して俺は剣士の技能も付与されていない一般ピーポー。

 構えも、剣士の技能を付与してもらった時に本能的に理解した程度のものだ。

 洗練されたものでも、熟練したものでもない。


 そんな対象的な俺達。

 中央に立っていた審判が、息を大きく吸い込み、



『始めッ!』



 始まった。



『ふっ──!』



 ッ! 速い──!?

 小さい体を利用した素早い動き。

 自由自在な剣捌きに、チャンバラとは思えない気迫。

 それに、一撃一撃が重い……!


 上下左右。立体的な動きと、型にハマらない剣筋に圧される。

 剣精霊って言うだけあるから、剣に精通しているとは思ったけど……こんなに強いだなんて……!


 フラガラッハで何とか剣をいなして反撃する。

 けど、俺よりこの子達の動きが正確すぎて何もさせてもらえないぞッ。


 避け、かわし、いなす。

 魔物との地獄の鬼ごっこで鍛えられた体力と最小限の動きで、なんとか食らいついてるけど……それでも、このままじゃ押し切られる……!



『えいっ!』



 他の攻撃より大振りの攻撃……見えた、隙!

 大振りの攻撃を弾いて、反撃を……!



『ハッ!』

「うっ!?」



 う、腕が弾かれたッ。

 まさかさっきの大振りはフェイク……!?

 しまった、胴体がら空き……斬られる──!



『そこまで!』



 ピタァッ──!


 す、寸止め……正に紙一重だ。



『勝者、赤!』

『やったー! 勝ったー!』

「は、はは……参りました」



 精霊種(エレメンタル)の力を見せ付けられた感じ。

 凄いわ、本当。



「みんなありがとう。俺、まだまだだってわかったよ。鍛えて強くなったら、またチャンバラで──」

『何言ってるです? 次は私です』

「……え?」



 男の子に代わり、次は女の子が剣を構えて出てきた。

 ……えっとぉ。



『ここにいるみんな、お兄ちゃんと遊びたいです』

『みんなとやるまで帰さないです』

『楽しみましょ、お兄ちゃん』

『とっても楽しい無限チャンバラだよ』

『逃がさないですよぉ』



 ……………………………………。


 ま、まさかライガの奴ッ……このことがわかってて、俺に散歩を勧めたなぁ!?



「ちょ、待っ……うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!?!?」

まだ【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あ〜あ・・、これは手が焼けることで。 辛い・・いや、微笑ましいことでw。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ