表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜  作者: 赤金武蔵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/184

剣の里──③

   ◆



「いやあああああああああ!!!!」



 上空から降ってくる氷の槍、槍、槍!

 とにかく無数の氷の槍が降り注ぐ!


 振り返る時間すら惜しい! 今はとにかく逃げないとぉ!



『あれ、ブリザードバードよね。極北に生息する……なんでここにいるの?』

『正確には、ブリザードバード亜種ですね。全気候対応型で、マグマすら瞬間冷凍させることができる魔物です』

『この大陸では、亜種の魔物は珍しくない。むしろ魔物の亜種の方が数多く生息しているぞ』



 そこぉ! 何呑気に話なんかしてんの!



「うわっ!」



 一気に数が増えて……って、ブリザードバード亜種が2体になってる!?



『コハク様。まずはコハク様は基礎体力を付けていただく必要があります。ここから数日間は寝る暇もありませんよ』

「それ俺が普通に死んじゃうやつなんだけど!」

『ご安心を、ご主人様。私の技術で、全力の生かさず殺さずを実行してみせます』



 全然安心できなああああああい!?!?



「反撃! せめて反撃できる手段を!」

『なりません。生身の状態で避けて、逃げて、走る。生と死を垣間見た先にある真なる【生】を掴み取るのです』

『コゥ! 追いかけっこだよー! ふぁいとだよー!』



 デッドオアアライブの追いかけっこなんてお断りしたいんだけど!



『あ、コハク次来るわよ』

「ッ!」



 ギリギリのところで加速ッ。

 俺がさっきまでいた場所に、無数の氷の槍が突き刺さった。


 ちきしょう! ああやってやる、やってやるさ!

 生き残ってみせるぞこんちくしょうめぇ!



   ◆



 5日後。



『うむ、こんなものだろう。クレア』

『はいはい』



 意識朦朧とした俺の頭上で、3つの爆発が起きる。

 その方向を見上げると、さっきまで空を飛んでいたブリザードバード亜種が粉々になっていた。



「……お、わ……った……」



 ようやく眠れる……。



『コハク様、まだ終わってはおりませんぞ。スフィア、回復を』

『かしこまりました』



 ……あぁ、体力が回復していく。していってしまう……。

 体のダルさがなくなって、今にも飛び回れそうなほど体が軽い。


 スフィアの持つ未来の技術で造られたフルポーション。

 傷、ダメージ、状態異常、体力。振りかけるだけで全てを全快にする摩訶不思議な薬物だ。


 お陰で休む必要はないが、休むことができない。

 頼むから精神的に少し寝かせて欲しい。



『コハクー、起きなさいよー』



 ちょ、頭ぺしぺし叩くのやめて。

 ダメだ。ここで起きたらまた何かやらされる! ここは起きられない振りを……!



『ムカッ。起きなきゃ頭頂部燃やすわよ』

「起きたー! よく寝たー!」



 ちきしょう、その脅しはずるい……。


 諦めて立ち上がると。

 スフィアの目が光り、俺の体を頭の先からつま先まで光で覆った。



『……体力面は問題なく向上していますね。疲れた度にフルポーションで回復させた甲斐がありました』

「……そっすね……」



 この子達の前じゃ、隠し事もできやしないか。知ってたけど。



『コハク様。基礎体力の方は以上になります。続いては体の操作方法についてです』



 操作方法?



『最初に覚えてもらうのは、避けです。無駄な動きを一切省き、相手の攻撃を紙一重で避ける。そうすることで、戦闘時の体力の温存が可能です』

「増えた体力を温存するの?」

『例えばコハク様と同じ体力の敵がいた場合。動きに無駄がある方がより多くの体力を消費し、やがて体力が尽きた方が負けます。つまり死です』



 な……なるほど。言われてみれば確かに。


 魔族と戦った時も、俺は剣士の技能に振り回されていた。

 完全に使いこなせているわけじゃない。

 体の使い方はわかるが、わかるだけだった。

 つまり、次は戦闘方法ってことか。



「……オスッ! よろしくお願いします!」

『よい返事です。さあ、ビシバシいきますよ!』

「あ、できれば手加減してもらえれば……」

『長引けば長引くほど、魔王の復活は近くなります。猶予はありませんぞ!』



 ……ええい! くそ、やってやる! やってやるよ!

 俺だって幻獣種(ファンタズマ)テイマーとしての誇りと意地がある!


 みんなのマスターとして、主として、やるっきゃない!

まだ【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] コハクの「…そっすね…」は貴重。 笑えました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ