表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜  作者: 赤金武蔵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/184

絶海の孤島──③

   ◆



 テイマーとして強くなるためには、まずは俺自身が強くならなきゃならない。

 そう思い、剣の里へ向かう道中の魔物はできるだけ俺が討伐すると息巻いたはいいが。



「いやいやいや無理無理無理!」



 目の前に立ちはだかるのは、十数体の獣王種(キング)

 ザニアさんの使役している黒獅子ではなく、それよりもランクの低い赤狼(せきろう)と呼ばれる狼型の魔物だ。


 大きさはフェンリルほどではない。

 しかしスフィア曰く獰猛さと狡猾さは魔物界随一らしく、幻獣種(ファンタズマ)相手でも攻撃を仕掛けてくるらしい。


 そんな超危険な魔物が、十数体……。



『『『ガルルルルルルル……!!』』』



 めっちゃ威嚇してきてるよぅ……!



「ちょっ、これは流石に無理でしょ……!」

『ご安心をご主人様。私が剣士の力を技能付与(エンチャント)致します』



 これってそんなのでどうにかなる問題かな!?

 スフィアが《技能付与(エンチャント)剣士(フェンサー)》を使ったのか、体が軽くなり視界が急に開けた感覚に陥った。

 それでもやっぱり、こんな十数体の赤狼を前には心もとなさ過ぎる……!



『コハク、安心しなさい。もしもの時は私達がしっかりフォローするわ』

『そうです。ご主人様はまず、ご自身が戦闘に慣れていただく必要があります。ギリギリまで手は出しませんが、後ろには私達がいます。ご安心を』

『コゥのかっこいーとこ見てみたい!』



 くぅ! やるよ! 俺自身がやるって言ったし、そりゃやるさ!

 でもいきなり獣王種(キング)はハードルめちゃめちゃ高いと思うんだよね!


 背後の幻獣種(ファンタズマ)を警戒してか、獣王種(キング)は唸り声を上げたまま襲って来ない。

 それも時間の問題だ。


 襲ってこない間に、魔法剣フラガラッハの能力、【切断】を発動させる。

 赤狼の体に赤い線が浮かび上がる。

 体毛が赤くても、【切断】の線ははっきりと見えるみたいだ。


 その気配を感じ取ったのか一際大きな赤狼の体毛が逆立ち、遠吠えを上げた。

 恐らくこいつがリーダーなのだろう。

 それを合図に、十数体の赤狼が一斉に襲い掛かってきた──!



「ぐっ……!」



 速すぎ――!?


 巨大な爪、牙をギリギリで回避する。

 が、そこに更に別の赤狼が襲い掛かってくる。



「チィッ……!」



 剣士の技能を付与されて動体視力と身体能力は上がっているとは言え、今の俺は一般人に毛の生えたレベルの素人も同然。

 回避するだけで精一杯で、攻撃に移れない……!



『コゥ、そこ! そこ!』

『コハク、後ろから来るわよ!』

『ご主人様、ファイトです』



 君達余裕そうに紅茶飲んでますね!?



「こんにゃろ!」



 ダメもとでフラガラッハを振るう。

 だが赤狼達には余裕をもって回避された。

 やっぱり俺の身体能力より、こいつらの身体能力の方が格段に高いなっ。

 だが警戒心は高いのか、俺がフラガラッハを振るったことで僅かに距離ができ、俺を取り囲むように円になった。


 落ち着け。落ち着くんだ。ここで冷静さを欠いたら、強くなんてなれやしない。

 呼吸を整えて、相手をよく見ろ……!


 赤狼の体はでかい。

 つまり、複数で襲い掛かってきても1度の攻撃は1体。多くても前後、左右の2体。


 態勢を整えて。

 相手の動き、コンビネーションを見極めろ……!



『ウオオオオオーーーンッッッ!!!!』

『『『ガルアアアアアアアッッッ!!』』』



 来る!


 リーダー格の赤狼の遠吠えと、部下達の咆哮と共に再び襲いかかって来た。


 先頭にいる1匹が、単体で牙を剥く。



「フッ──!」



 息を短く吐き、ギリギリの所で攻撃を回避。

 すれ違うと同時に、フラガラッハを線に沿わせるように振るうと──抵抗も何もなく、真っ二つになり絶命した。



『『『ガッ──!?』』』



 まさか俺程度にやられるとは思わなかったのか、赤狼達は二の足を踏んだ。

 よし、いいぞっ。このまま──。



『ガルアッ!』

『『『ガルッ!』』』



 リーダー格が頭をクイッと動かすと、部下達は大きく口を開けた。

 直後、全員の口元に深紅の魔法陣が浮かび上がり……って!?



「魔法!?」

『『『『『ガアアアッッッ!!』』』』』



 目の前に現れる巨大な業火。

 しまった、油断した──!



『安心しなさい、コハク』

「クレア……!」



 いつの間にか俺の肩に乗っていたクレア。

 彼女が手を伸ばし、指を弾く。

 瞬間、業火の全てが掻き消え、視界が開けた。



『『『ガルァッ!?』』』

『コハク、今よ!』

「ああ!」



 動きの止まった近くの赤狼に肉薄し、一気に3体の赤狼を斬り裂いた。


 止まるなっ、攻め続けろ!


 更に2体の赤狼を斬り伏せると、リーダー格は我に返ったのか遠吠えを上げ、群れを連れて退散した。



「…………ぶはっ! し、死ぬかと思った……」

『全く。油断しすぎよ、コハク』

「面目ない……」



 まさか魔法を使ってくるなんて……クレアがいなかったら丸焦げだった。

 あんなのがゴロゴロいるのか、この大陸には……。

まだ【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ