表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜  作者: 赤金武蔵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

156/184

特訓──⑤

 サーシャさんと連れ添って歩き、とりあえず噴水広場を回ることに。


 サーシャさんはあっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロと忙しなく見渡している。



「どうかしました?」

「う、ううん。なんか、圧倒されちゃって……」



 圧倒?

 少し興奮してるのか、頬が上気して鼻息荒く俺の服を引っ張った。



「す、すごいね、ここ。こんなに賑わってたんだ……!」

「来たことなかったんですか?」

「うん。ウチ、あんまり目立つ場所には来ないようにしてるんだ。仕事も忙しいしね」



 そうか。ギルドマスターとしての事務仕事もあるし、アサシンとして本業もある。

 こうして外を歩くことが少なかったんだろう。


 それに、この前みたいに万が一がある。

 自分の秘密がバレないよう、極力目立たず生きてきたんだな……。



「今日はいいんですか?」

「うんっ。コハクくんと一緒だし!」



 そんな全面的に信頼されても。

 いや、信頼してくれるのは嬉しいです。アサシンギルドのギルドマスターと人脈が築けてるってことだし。


 でも、こんな嬉しそうな顔を見ると、スフィアの言葉が頭を過ぎる。


『あの嬉しそうな顔。絶対裏があるに決まってます』


 裏……裏ねぇ。



「コハクくん、あれっ。あれ食べたいっ」



 ……あるか、裏? なんか凄く純粋そうなんだけど。



「? コハクくん、ウチの顔に何か付いてる?」

「……いや、楽しそうだと思いまして」

「うん! 楽しい!」



 にぱーっ。眩しい笑顔ッ。



『コハク、この子実は単純なんじゃ?』



 言うな、クレア。俺も同じようなこと思ってるんだから。


 サーシャさんに引っ張られ、牛串を2本購入。

 かなりのボリュームだ。串に重さを感じる。



「あむっ。んーっ! うま!」

「確かに。凄く柔らかいですね」

『コハクっ、私も、私もっ』



 あー、はいはい。

 クレアに差し出すと嬉しそうに頬張った。

 クレアからしたら、超巨大な肉の塊だろう。それでもこの柔らかさで、なんなく食べることができている。



『んまーい! やるわねあの肉屋!』



 クレアもご満悦だ。当然俺も。

 その様子を見ていたサーシャさんが、首を傾げた。



「ん? 幻獣種(ファンタズマ)、いるの?」

「ええ。今日も俺の護衛で」

「女の子?」

「まあ」

「ふーーーーん……」



 じーーーーーーーーーーー。

 見えないだろうけど、的確にクレアを睨みつけるサーシャさん。



『む。何よ、やろうっての』



 と、ファイティングポーズを取るクレア。

 え、何。このちょっと険悪な雰囲気。



「……肉の大きさと歯型からして、体長は20から25センチくらい。次の歯型が付く間隔からして、性格は大雑把。でもコハクくんの護衛をしてるから、心配性かつ優しい子。ってところかな」



 まさかクレアの人物像を言い当てられるとは思わず、俺もクレアも黙ってしまった。


 驚いた。的確だ。

 俺が唖然としたのを見て、サーシャさんは「えいっ」と頬をつついてきた。



「ダーメだよ、コハクくん。言い当てられたくらいで反応しちゃ。ポーカーフェイス、ポーカーフェイス」

「は、はぁ……」

「別に何をしようって訳じゃないよ。分析は癖みたいなものなんだ」



 頬をつつく手をとめず、少し寂しそうな顔をした。

 生まれながらの暗殺者で、楽しむということがなかったサーシャさん。


 ──寂しい人だ。



「ッ……」

「? コハクくん、どうしたの? あ、強くつつきすぎた? ご、ごめんねっ?」

「あ、いや。大丈夫です、本当に」

「本当ー? 疲れたらちゃんと言うんだよ。あむっ、んまーいっ」



 俺は、馬鹿か。

 サーシャさんが寂しい人?

 ふざけんな、コハク。なんの権利があってこの人を哀れんでる。何様だお前は。



『コハク、よしよし』



 クレアには俺の考えていたことが伝わったのか、優しく頭を撫でてきた。

 ありがとう、クレア……。



「……俺、今日は頑張ります」

「え?」

「全力であなたを楽しませます」

「え、え?」

「任せてください、サーシャさん。全身全霊、あなたを女の子にします!」

「あわわわわわわっ……!?」



 サーシャさんは、顔どころか鎖骨やデコルテまで真っ赤になった。



『ま、しょうがないわね。今回はコハクを貸してあげるわっ』



 クレアもやれやれと首を振った。


 よし。やるぞ、やるぞ俺はっ!

まだ【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ