表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜  作者: 赤金武蔵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/184

終戦──④

「簡単です。ターコライズ王国とは、今後ブルムンド王国の友好国として手を結ぶことになりました」

「……友好国?」



 ターコライズ王国側を見る。

 ビクッと肩を震わせ、黙って俯いたままだ。


 この反応……友好国なんてものじゃないな。

 多分だけど、今回の件と刺客(ハンター)達の命を盾にして無理な条約を結ばせたんだろう。


 その代わり、幻獣種(ファンタズマ)の力を使ってターコライズ王国の国力を回復させる、とでも持ちかけたのかも。



「……友好国だからというのが、理由ですか?」

「いけませんか? 仲間になる国が困っている。これを助けたいと思うのは、人情でしょう?」



 ふむ、理由はごもっともだ。



(スフィア、女王陛下は嘘をついてる?)

『心拍計測──体温計測──。嘘をついているようには見えません』

(……真実と嘘を混ぜれば、信憑性が増す、か)



 といっても、スフィアの計測を逃れるほどの度胸、そして冷静さ。


 この人がブルムンド王国の女王になる理由も、なんとなくわかるな。


 さて、理由は聞いた。

 問題は俺の心だ。


 正直な話をすると、どんな理由があろうとターコライズ王国の国力を回復するのは賛成できない。


 生まれた国、育った国というのは関係ない。

 俺の心がそれを拒否してしまっている。

 だけど、このままターコライズ王国を衰退させておくのもなんとなく後味が悪い。


 ならどうするか。

 ……うーん。この件を引き起こした張本人を引っ張ってくるか。



(スフィア、幻獣種(ファンタズマ)を呼び出すにはどうすればいい?)

『今のご主人様でしたら、少量の魔力を使えば召喚できるかと。ただ、長時間の召喚はできないのでご注意ください』

(わかった、ありがとう)



 俺は右手に魔力を集中させると、それを足元に向かって落とした。



「いでよ、ガイア」



 直後、落ちた魔力が幾何学模様を作り、膨大な魔力が噴き出すと共に半透明の人影が浮かび上がった。


 エメラルドグリーンに輝くロングヘアーに、黄金に輝く瞳。

 大樹を思わせる存在感ある服。

 周囲にはツタが触手のように蠢いている。


 これが幻獣種(ファンタズマ)、大地の神ガイア、か。


 ガイアは俺の前に跪き、頭を垂れた。



『お初にお目にかかります、コハク様。私は大地の神ガイア。以後お見知り置きを』

「ああ、はじめましてだね」



 って、ガイアを召喚してもみんなに見えなきゃ意味ないんじゃ……。



『ご主人様、ご安心を』

(スフィア?)

『ガイアはこの世界において、神として崇められています。永きに渡り崇拝されてきた念が力となり、唯一人間が視認できる幻獣種(ファンタズマ)なのです。まあ、本物を見たことがあるのは、世界中を探しても極一部の者のみですが』



 何それ聞いてない。

 でもスフィアの言う通り、ガイアを見た全員が一斉に跪いた。



「が、ガイア様っ。こここ、この度はお日柄もよく……!」

『カエデ、かしこまる必要はありません。私は今、コハク様とお話しているのです』

「は、はいっ……!」



 お、おぉ……一国の女王を黙らせるなんて、さすが……。



『コハク様、本日はどのような御用向きでございましょう』

「……ガイア、質問がある。俺がターコライズ王国からブルムンド王国に移住した時、なんでターコライズ王国の国力を下げた?」

『下げてはいません、元に戻っただけです。元々ターコライズ王国の土壌の力は、私がいる頃の4分の1ほどなので』



 つまり、ガイアの力で国力は4倍に上がっていたってことか。

 なるほど、そりゃあ生活水準も下がって、生活しづらいだろうね。



『それに、我ら幻獣種(ファンタズマ)のマスターであるコハク様に危害を加えたターコライズ王国に力を貸すほど、私達は寛容ではありません』



 その言葉に、ターコライズ王国側が更に縮こまった。


 この言葉、つまり俺がお願いしても、ガイアはターコライズ王国に力を貸すことはしないってこと、か。



『私は明確に優先順位を付けています。一番はコハク様の生命。2番はコハク様の幸せ。3番にコハク様の周囲の幸せ。4番目にその他です』

「だから、俺がブルムンド王国に移住した時に、ブルムンド王国の国力を上げた、と?」

『コハク様に何不自由ない生活を送っていただくためです』



 幻獣種(ファンタズマ)のみんな、俺のこと好きすぎ問題。


 でも、ここまで慕ってくれているのは素直に嬉しい。

 俺の為に怒ってくれて、俺が不自由ない生活を送れるようにしてくれている。


 それだけでも、俺は十分恵まれている。






 けど、本当にそれでいいのだろうか?






 この事実が世界中にバレたら、俺1人の存在を巡って世界中が戦争を起こす可能性がある。


 俺に取り入り、機嫌を取れば、その国の国力は増すから。

 そうなれば、俺の身の安全は保証できない。


 それなら、俺は。



「ガイア、頼みがある──」

まだ【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] せめて取引としてこっちにメリット提示するとかさぁ ただお願いしますって…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ