異様な光景
公園に行くとこの間のように昼間なのに誰も居ない
平日なのだから人が少ないのだろうと思うのだが誰も居ないのは明らかにおかしい
しかしリエは聞かなかった
赤桐が何かしているのか何か別のモノが何かしているのだろうけどリエは何も聞かない
公園に入り赤桐はリエの方に振り返った
「さて、篠崎さん最近になって虫が多いと言いましたね
少し質問したいのですが虫は今年の夏から多くなりましたか?
それとも少し前から??」
「私が感じたのは今年に入ってから、、だと思います
虫除けスプレーしても気になるぐらいには多かった気が」
「なるほど」
赤桐は何か顎に手を添えて考える
「入口付近に虫はあまりいません
篠崎さんどの辺に虫が多いか分かりますか?」
「はい!こっちです」
リエは公園内にある小山になっている道に向かって歩き出す
確かにそこは入口付近と違って虫が多い
プンプン飛んでいる
「ここの先にある入口から公園を突っ切るように行けば家からも近くて
よく私は通ってる道なんですけど
今年の夏ぐらいから虫が多くて避けてたんです」
「なるほど、、確かに虫が多いですね」
よく見ると蚊じゃなくてハエだった
そりゃ〜虫除けスプレーが効きにくい訳だなぁっとリエは思う
赤桐はハエなど気にもせずその場でジッと立っている
辺りには耳障りな羽音が耳の周りを飛び回っているが赤桐は動じない
辺りを見回して何かを探している
「、、、見つけた」
赤桐はとある1点に足を進める
虫たちの密集してそこだけ黒い塊に見える場所
小山の少し下って普段から人通りが少なく雑草が生えている
しかし虫が多い所はその雑草が少なく見える
「篠崎さんあまり見ない方がいいと思います
少し離れて下さい」
「、、、分かりました」
なぜだか何となく察した
虫、、ハエがこんなにも盛んで雑草が少ない
きっと穴を掘って埋めたのだ
サスペンスなどでよくある展開と言えばよくあること
少し離れた場所で数分リコは待機していると顔に少し土の付いた赤桐が戻ってきた
「篠崎さん申し訳ありません
警察の方に電話してもらってもよろしいですか?」
そこにはやはり人が埋まっていた
リエは警察に電話をして事情を話して場所を伝えるとすぐに来るのでその場で待機してて欲しいとの事だった
赤桐は一旦電話があるのでその場を離れ
すぐ戻って来てくれた
「赤桐さん、あの人はどれぐらい埋められてたんですか?」
「詳しくは見てませんし専門家ではないですが
ハエが羽化して成虫になるまで2日~3日と言われています
虫の量からして4日や5日ぐらいには埋まっていたでしょうね」
「どんな人だったんですか?」
「篠崎さんは見なくて正解だったかもしれないです
女の子でしたね」
「そうですか、、、」
しばらくしてパトカーのサイレンの音が聞こえてきた
警察が来てそれからしばらくは忙しかった
なぜココにいたのか?
発見した経緯は?
どこで何をしていたのか?
この子供とは知り合いか?
などなど質問の嵐
ずっと続くかもしれないと感じた中で
1人の人物が現場にやってきた
警察の人なのか少しヨレヨレのスーツを着ている中年の男性だ
リエ達に質問してた警官を呼び少し話をして質問していた警官たちはどこかへと言ってしまった
「おう!赤桐!!
テメェーまた面倒な事に首を突っ込みやがって!」
「石塚さんご無沙汰です」
「なぁ〜にがご無沙汰だぁー!
ったく!ほら部外者はさっさと帰りやがれ!
事情は俺が話しといた
だが後で詳しく話を聞かせてもらうぞ」
なにか諦めたようなそんな感じの顔で赤桐に言っている
赤桐も少し困った顔をしながら
「私も好きで巻き込まれてる訳では無いのですがね
篠崎さん一旦ここはお店に帰りましょう
私たちがここに留まっても警察の方の邪魔になるだけですから」
赤桐はリエを連れて公園を出た
パトカーが何台も来ており規制線がはられてる
物珍しさから数十人の人だからができていたが赤桐とリエは声をかけられることなくスムーズに店の方へ戻って行った
お店についてリエはカウンターに座り赤桐はコーヒーを煎れてリエの前に出す
コーヒーの香りが高ぶっていた気持ちを落ち着ける
「赤桐さんはこの結果分かっていたんですか?」
「何となく、、ですが」
「なるほど」
何から質問していいか分からなくてやめた
「私はもう少し篠崎さんを強く止めるべきでしたね
すみませんでした」
「いえ!私も自分の意思で行きましたから!
赤桐さんは悪くないです」
「今日は色々ありましたし
ご自宅に帰られた方がいいのではないですか?」
「大丈夫です!私が依頼した悩みです
最後まで付き合わせてください」
笑って言ったけど多分無理して笑ってる
そう思っていても誤魔化すには笑うしかない
コーヒーを呑んでいると扉が開かれる
先程公園に来ていた警察関係者だ
「おう〜!詳しく話聞きに来たぜ」
「石塚さんお待ちしておりました」
「そこに居るのが一緒に来てた学生さんか
俺は石塚健二よろしくな
刑事をやってる」
「初めまして篠崎リエです」
気さくで話しやすい人当たりのいい笑顔がこの刑事のいい所だろう
リエは少し安心した
「さて!赤桐さんよぉー
今回の事件、何か分かってるんだろ?」
「そうですね
まずは石塚さんのお話を聞かせてください」
石塚はコーヒーを1口飲むと話し出す
「身元はまだ不明だな
どこの子供なのかどこから来たのか、、さっぱりだ
さっき見つかったばかりだから仕方ないけどよぉ〜」
「ホントに何もわかってないのですね」
赤桐はクスクス笑いながら石塚を見る
石塚はバツが悪そうに赤桐を睨む
「おい!
出し惜しみはいいからさっさと詳しい事情を話やがれ!」
「分かりました
まずこの子の名前は【元木勇気】くん
あの公園に埋められたのは、、、なるほど、、5日前ですね
、、、、母親と一緒に住んでいた男が勇気くんを埋めた」
「虐待か」
「行方不明者を探しても見つからないと思いますよ
親は届けを出てないでしょうから
公園から10キロ離れた周辺を中心に聞き込みすれば勇気くんの情報は手に入るでしょう
私が聞けるのはここまでですね」
聞ける??
リエは頭の中に?が大量生産している
この場にいるのは石塚とリエそして赤桐だけ
こんな詳しい情報を知っているのは、、まるで、、そこに、、、
「いますよ
ご本人がね」
赤桐はちょいちょいと自分の横を指さす
リエの頭の中は疑問で埋め尽くされる
「いやいやいやいや!そんなファンタジーの話じゃないんですから!」
「そうですね信じるも信じないも篠崎さん次第です」
「石塚さん嘘です」
「俺も最初は頭の狂ったイカれた野郎だと思ったよ」
「いやいや、、、流石にそこまでは思ってない」
「だがよぉこいつが言うことは気持ち悪いぐらいピッタリすぎるし
何より俺の評価も爆上がりしてるからな」
「絶対に評価重視でしょ」
「そ、そ、そ、そんな事ねぇよ!
さて!俺は仕事に戻るじゃあな」
石塚はバタバタと仕事に戻って行った
「あの子も自分のことが気になるんでしょね
石塚さんについて行きました」
「その、、、ホントに視てるんですか?」
「言ったでしょ?篠崎さんが信じる信じないお好きにしてくださいっと」
リエは赤桐を見る
赤桐は笑ってるだけで本当かどうか分からない
リエはめっちゃくちゃ悩んだ
進路を決めるぐらい悩み悶々したが
「信じます!
赤桐さんを信じます!!」
「、、、ぷっ、、アハハハハ!!」
リエは気合を入れて宣言したつもりだがまさかこんなに爆笑されるとは思わなかった
「すいません
まさかその日に信じますって力強く言われたのは初めてだったので」
赤桐の笑いが落ち着いたところで一つ深呼吸をして落ち着いて
「ありがとうございます
その純粋で素直な気持ち大事にしてください」
「はい!あの子いろいろと解決するといいですね」
石塚について行った勇気のことをリエは思う
あの歳で、、、しかも自分の親に殺され棄てられる
どれほど怖く寂しかったのか
自分を生んで一番信頼していた人に裏切られる
「大丈夫ですよ
石塚さんはああ見えて正義感に溢れてる人です」
「そうですね」
「、、、篠崎さん一つお伺いしたいことがあるのですが」
「なんですか?」
「いまバイトさんを探してまして
興味ありませんか?」
次の日ニュースに昨日の公園で9歳の男の子の死体が見つかったことと
その親が現在、容疑者として取り調べを受けており
事件は瞬くまに解決をして行った
長らくお待たせしました!
やっと更新しました!
言い訳しません!!!
気に入っていただけたら嬉しいです
これからのんびりと書いていきます