販売中
”販売中”ヴァルズエール(VAlzuel) 危険度:CAUTION
概要
一見普通の町中に置いてある自動販売機のようだが、人間が近づくとその重量を武器に勝手に倒れ獲物を圧死させるゼーヴァ。
圧死させるだけでは飽き足らず、商品取り出し口を捕食器官として押し潰した人間を内部に取り込み栄養分とする。
時折口から多数の飲み物が入った容器が放出されるが、その中身はラベルの内容に関わらず人間の血や膿、ドロドロになった肉が入っているとの報告もある。
対処法
近づくと潰される、と記したがあくまでも真正面に立った時のみ潰しにかかられるようなので、対処する時は側面からの接近を推奨する。
何らかの物理的な攻撃により損傷を与えることで出力が低下し、出力が限界まで下がると照明が消え死亡する。
金銭の投入も何らかの対策になるのではとされ試みられたが、大した結果は現状出ておらず釣り銭として返ってくるだけだった(この時、正面に立たずに側面から手だけを伸ばして実験を行っている)
実験
商品取り出し口が捕食器官なのであれば、中の商品は臓物のようなものではないかと推測される。しかし、なぜその臓物を吐き出すのか、という疑問が生まれたため観察をすることにした。
すると放出された商品を他のゼーヴァ達が丸呑みにしている様子が確認された。どうやらこのゼーヴァは他のゼーヴァに栄養を供給する役目を担っているらしい。
また、それを生きた人間が摂取するとどうなるかという実験を行うため急遽死刑囚を軍の組織から拝借し、極度の空腹状態にさせた後にこの商品を摂取させた。すると数時間後にもがき始め、飢餓状態の人間を素体とするゼーヴァへと変貌した。
人間の状態にもよるが、この商品には生きた人間をゼーヴァにする効果があることも確認されたところで本実験は終了となった。
結論
結局のところ、このゼーヴァが何を素体として生まれたかは定かではない。
それこそ何らかの事故で自動販売機に潰された人間が素体になったと推測する研究員も多かったが、そんな単純な原因ではないだろう。
もしかすると我々では全く予想もできないような動機で出現したゼーヴァなのかもしれない。謎が解け次第このレポートは改訂させていただく。