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未知なる怪異【XEVA】  作者: 篠宮琉璃
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棄てられた子

”棄てられた子”ルアルヴァール(lualVArl) 危険度:SAFETY


概要


全長1メートルほどのパンパンに詰まった開け口が縛られたゴミ袋。口はきつく縛られ開けることはできず中身は袋の性質上か視認はできない。唯一ぽっかりと空いた穴から中を覗くことはできるが、そこには白濁した目のようなものが映るだけである。真夜中に活性化し、近づいてきた人間を捕食しようとする。この時このゼーヴァは縛られた開け口を全開にし、口腔部を露出する。また、このゼーヴァは時折声を発するが、それを聞いたものは全員”赤ん坊の泣き声”のようだったと供述している。


対処法


夜に接近すると高い確率で襲われると推測されるため、昼間に数回の攻撃を加えた後焼却処分をする。このゼーヴァは昼夜関係なく自らの意志で移動できないため、夜に処分しないといけなくなった場合または遭遇してしまった場合は銃器などで遠距離から攻撃を与えることで抑制できる。


補足


絶命させたこのゼーヴァを解剖にかけてみたところ、袋は鋸のような強力な刃物でないと切り開くことはできなかった。だがいざ解剖に成功してみると、その中身は白濁した肉体の人間の赤ん坊と酷似した物体で数々の器官のようなものが袋部分と繋がっていた。見た目という点に関しては発していたとされる泣き声と一致する。袋と赤ん坊部分両方からゼーヴァ特有の保有成分が確認されたため、このゼーヴァの素体となった赤ん坊は生前に袋と同一化していたものと思われる。赤ん坊とゴミ袋が一緒になっているということは捨て子であった可能性が高い。


結論


親に棄てられ、孤独を味わっていたところに余儀なくゼーヴァ化させられたという可哀想な運命を辿ることになった赤ん坊達。このタイプのゼーヴァの発生を抑えるには世の中から児童放棄といった行為を無くすしかあるまい。それができなければ、この子達は自分を苦しめた大人達を殺そうとする殺戮マシンとなるだけだ。

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