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第35話 ああああ、協力者に遭遇する


「ふむ……君達だな。デブーン様が言っていたこの城へ潜入して来た二人の侵入者というのは」


 今回のボスであるデブーンとの対面直後。

 奴らと入れ替わる様にして俺達がぶちこまれたこの地下牢に続けて降りてきたのは、またもや()()()()()()()()だった。


 だけど……どうも雰囲気が違ってた。


「ああ、申し遅れた。私はこの城の警備をしているデスアーマー達の統括(リーダー)を任されている【兵士長(アーマーリーダー)】だ。固有名はまだ無いが、リーダーとでも呼んでくれ」


 そう自ら兵士長と名乗る礼儀正しいこの鎧モンスターの風貌は、量産型みたいな他の兵士達(デスアーマー)のそれとは明らかに違っていた。


「……………………」

「……………………」


「あっはっは。そこまで警戒しないでくれ。君達に危害を加えようとここへ来たのではないんだ。だから安心してくれ……ってのはまだ無理か」


 まずは声。女性の声だ。

 あくまで鎧越しでは籠って入るがまるで()()()()()()()()()()()()()綺麗な声が聞こえてきた。


 ハッキリ言ってここまで聞いてきた兵士(デスアーマー)の声はどれも男性の低い声みたいな、ある意味モンスターらしい話し声ばかりだったっていうのに、彼女?だけは別だった。


「さあ、それでは今度は君達の名前を聞かせてくれるか? 大丈夫だ、人の名前を嗤うような無粋な事は絶対にしないから。さあ教えてくれ」


「うにゅにゅ……私はスラリーナって言うの。この私のマスターに付けて貰った大切な名前なの」


「なるほど。君はスラリーナというのか。うむ、良い名前だ。自己紹介ありがとうスラリーナ」


 そして次が肝心となったこの見た目だ。

 声の影響もあってか、どこか気品を感じさせる白銀鎧にマントという如何にも【兵士長】という称号に相応しい立派な姿をしたモンスターだった。


(俺達が見た他のデスアーマー達は何処か禍々しさを彷彿とさせる紫色のトゲトゲした鎧だったのに……このモンスターだけはまさに()()だ)


 まあ、だからと言って何って話だが。


「それで……そちらの御人は? どうやらマスターと呼ばれて慕われているようだが。もし差し支えなければ教えていただいても大丈夫か?」


「あ、ああ。俺の名前は《赤羽(あかばね) 暁斗(あきと)》って言うんだ。よろしくな、兵士長さん」


「…………。すまない……私の聞き違いだろうか。今、君の名前は《()()()()》と聞こえた気がしたのだが……それで相違なかっただろうか?」


「はい……《ああああ》で大丈夫ですよ」


 はあ……。もう次からマジで《ああああ》って名乗ろうかな。

 どうせ正直に自己紹介してもあの命名神様の呪いで自動変換されるしな。


「それで? アンタはこの地下牢に何しに来たんだ。言動的に囚人(俺達)の顔を笑いに来たようでも無さそうだし。世間話でもしに来たのか?」


「世間話か、はっはっは。まあそれも良いんだが……実は君達二人に頼みたい事があって来たのだ。君達を【伝説の魔物使い一行】と見込んでな……」


「にゅにゅ!?」

「んなっ!?」


 どっ……どうしてそれを!?

 その肩書きを名乗るどころか未だにデスアーマーやデブーンすらバレてないのに、なんで!?


「ふふん、別にとぼける事は無い。私は()()()()程の間抜けではない。ロトシアの地で敗北したというダークマジシャンの一件。マスターと呼ばれる青年とスライムみたいな女性が君達二人である事くらいは重々承知しているんだ」


 うぐぐ……しまった。

 さすが隊を指揮するリーダー格だけはあるぜ。

 この流暢な言葉遣いといいその辺のモンスターや馬鹿そうなデブーンと違って、賢さも相当高い気がする感じがする……って、うん?


(あれ……気のせいか? 今こいつ親玉(ボス)であるデブーンの事を呼び捨てで――)


「そこでだ! 君達が件の魔物使い一行という事を見込んで頼みがあるんだ! どうか()()()()()()()()()()()協力してくれないだろうか!?」


「……へっ!?」


「うにゅ? あのデブーンを?」


 なっ…………なにぃぃっ!?

 あのデブーンを倒してくれだとっ!?

 それもまさかの兵士長(アンタ)自らの頼み!?


「な、なんで?」


「あはは……思わず面を食らうのは分かる。確かにおかしな話だ。モンスターとは言え主人に仕えている兵士が反乱を企てるなどとは……」


 彼女はそう苦そうな笑いを含みつつ俺へ向けた。

 鉄仮面のせいで表情こそ掴めなかったが眼前で跪き頼み込んで来るその姿から、俺は彼女は得も言われぬ複雑な事情を抱えている事を察し、


「どうやら……そっちにも何か事情があるんだな。分かった、俺達の目的もあのデブーンを倒す事だしな。俺達もアンタに協力しようじゃないか」


「本当か!?」


「ああ、だけど事の説明はしてくれ。俺達も依頼主からは簡単な概要しか聞かされてないんだ。だから魔物側(そっち)からの詳しい情報を聞かせてくれ。それが俺達の協力する条件だ」


 俺はそう承諾した。

 そして彼女(アーマーリーダー)に事の発端を話してもらうよう向けた。


 今回のリッツァーニャ含めたこの【腹ペコ事件の概要】と、なぜ彼女が親玉(ボス)であるデブーンへ刃を向ける事になったのか。その経緯を尋ねたんだった……。


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