初ダンジョン
翌日、俺たちは王様に呼び出された。
「昨夜は良く眠れたかのお主ら。さて朝早くここに呼び立てた理由は、昨日、言っておった訓練の事についての事じゃ。うむ、詳しくは騎士団長に聞くがよい。」
王様がそう言い、横から鎧を着た男が出てきた。
白銀の鎧を着ており、胸板がゴツくいかにも強そうだ。こういうのには少し憧れるな。
「初めまして。この国の騎士団長のガルスだ。さっそくだが、そーだな、まず、お前らには魔王を倒すほど強くなって貰わなくては困る。では、手っ取り早く強くなるにどうすればいいかわかるか?」
「れ、レベルを上げるとかですか。」
一ノ瀬紫乃が少し怯えて言う。
「あぁ、正解だ。レベルを上げる方法は主に2つある。1つは鍛練をする事だ。己を鍛える事によって経験値を得る。もう1つは魔物を倒す事だ。こっちの方がレベルがとても上がりやすい。強い魔物ほど沢山、経験値が得られる。なので我々は一週間後、ダンジョンに行こうと思っている。ダンジョンとは魔物が沢山湧くところだ。まぁ勇者といえど、素人同然のお前らが行けばすぐに死ぬだろうな。」
「なっ!?ど、どうすればいいんですか!!」
と、紫乃が言う。
死ぬと聞きクラスの皆は不安の声を洩らす。中には取り乱すもの者もいた。まぁ、当たり前のだろうな。特にステータスが一般人のような俺とかな。あぁー、ほんとどうしよう。
「まぁまぁ落ち着け、そう興奮するなお嬢ちゃん。誰もすぐに行けとは言っていない。一週間後だ一週間後。それまでにだ、お前らにはこの城の訓練所にて、訓練を受けてもらう。ダンジョンに行っても、最低でも死なない程度にはな...」
ザウスはそう言って不気味に笑った。
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「ここがわが国が誇る訓練所だ。」
案内されたのは遮蔽物のない、殺伐とした荒野のような風景のとても広い場所だった。ここって東○ドーム何個分だろうな。
「丁度、この時間は騎士団が訓練をしている所だな。勉強のためだ、見ていくがいい。」
「「「「...っ!?」」」」
そう言ったザウスの指さした方向を見ると、物凄い威圧感のある騎士団の人達の鍛練だった。あまりの迫力に気圧され、全員後ずさった。
そこは、二人一組のペアで模擬戦闘をしていた。どのペアも声を荒らげ、魔法のようなもが飛び交い、血を流しながら戦う光景が広がっていた。
これを見せられた皆の顔は青白くなっていた。
「そうだ...お前らにはこのレベルの鍛練をしてもらう。いや、もっと厳しい。だが、これも一週間後のダンジョンで生き残るためだ。まぁ大丈夫だ。今の騎士団みたいな過激な模擬戦闘はしないからな。」
ザウスがそう言うと皆は少し落ち着いた。
さすがに今のような血を流す訓練は俺でも堪えるな。だが、さっきの魔法のようなものが気になって仕方がない。あぁー、魔法使ってみたいなぁ。はぁ...
「取り敢えずお前らには武器を選んで貰わなければならない。お前らは、勇者ということで特別にこの国の宝物庫から選んでもらう。どれも一級品だ。じっくりと選ぶといい。」
団長ザウスが言うには、
武器にはランクが存在するらしい。
一般級...店で一般的に売ってあるもの。普通の鍛治士等が作れる。
希少級...店でたまに売ってあるもの。熟練の鍛
治士等が作れる。
秘宝級...魔物やダンジョンの宝箱でまたに入手できる。
特殊級...ある程度強い魔物やダンジョンの宝箱で等で入手できる。
伝説級...強い魔物や超高難易度ダンジョンの宝箱等で希に入手できる。逸話になるレベル。
幻想級...強い魔物や高難易度ダンジョンの宝箱等で超低確率で入手できる。
神話級...入手方法不明。神々が創ったとされる神具レベル。
バカの三人組たちはというと、
勇者の翔輝、賢者の英斗、拳聖の龍二は、伝説級の歴代の勇者、賢者、拳聖が使ったとされる剣、杖、グローブをそれぞれ選んでいた。うちの三大女神達も伝説級の似たような性能の装備だった。
おいおい、伝説級とか強すぎだろ。それ比べて俺の武器は希少級だぞ。さすがに酷くないか。まぁ、国の宝物庫だけあって強い武器が多いけど、他の皆でも秘宝級の武器を貰ってるんだぞ。
ステータスが一般人だからといって差別しすぎだ。
「さて、全員に武器が行き渡ったな。では、これから本格的的な訓練を始める。各自、心の準備をするなりしろ。」
そう言って俺たちの生き残る為の訓練が始まった。武器の使い方だったり、魔法の使い方だったり、戦闘の仕方など様々な事を学んだ。
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そうして訓練漬けの一週間が過ぎた。
「さぁ、あれから一週間がたった。今日はダンジョンに向かう日だ。安心しろ、この一週間でお前らは十分強くなった。それなりには通用する。だからそう心配するな。」
「「「「はい!」」」」」
一般人ステータスの俺も少しは成長した。
久遠優
種族 人族
職業 ( )
Lv 4
HP :700
MP :400
攻撃力 :300
防御力 :300
魔攻 :350
魔防 :300
素早さ :450
運 :400
スキル
言語翻訳 剣術Lv3 武術Lv4 風魔法Lv2 身体強化Lv1
ユニークスキル
???
称号 異世界人 落ちこぼれ ???
そう、やっと一般人ステータスから卒業できた。
だが、これでも一般人に毛がはえたレベルだ。
しかし、まだ職業が()なのか。
だか、ユニークスキルの???についての説明が出ていた。
【ユニークスキル ??? 】
詳細『死んでみれば判る』
これを見て俺は少しキレそうだった。だってさ、死ねば終わりじゃんか。唯一強くなれそうな可能性のあるユニークスキルでさえこれだぞ。
俺は思わず溜め息を吐いた。
ちなみに参考の為にチート組のステータスを紹介しよう。
神代翔輝
種族 人族
職業 勇者
Lv 5
HP :2500
MP :1000
攻撃力 :1200
防御力 :600
魔防 :1200
魔防 :600
素早さ :600
運 :120
スキル
言語翻訳 武術Lv3 火魔法Lv2 水魔法Lv1 光魔法Lv4 雷魔法Lv2 縮地 天歩 底力 魔力回復 身体強化Lv2
ユニークスキル
聖剣召喚 聖剣術Lv3 勇者Lv2
西園寺英斗
種族 人族
職業 賢者
Lv 5
HP :1700
MP :1600
攻撃力 :600
防御力 :600
魔攻 :1800
魔防 :1300
素早さ :500
運 :80
スキル
言語翻訳 杖術Lv3 水魔法Lv4 風魔法Lv3 土魔法Lv3
闇魔法Lv4 魔力増強 魔法強化
ユニークスキル
超高速詠唱 詠唱超短縮 賢者Lv2
東郷龍二
種族 人族
職業 拳聖
Lv 5
HP :2000
MP :900
攻撃力 :1500
防御力 :1000
魔攻 :400
魔防 :500
素早さ :550
運 :100
スキル
言語翻訳 格闘技Lv4 火魔法Lv1 防御Lv3
身体強化Lv3
ユニークスキル
体力超回復 拳聖術Lv2 拳聖Lv2
月城天舞音
種族 人族
職業 聖女
Lv 5
HP :1800
MP :1400
攻撃力 :800
防御力 :600
魔攻 :1100
魔防 :700
素早さ :400
運 :200
スキル
回復魔法Lv4 神聖魔法Lv2 魔力増大 魔力回復
回復効果上昇
ユニークスキル
聖女Lv3 女神の息吹きLv1
皇綾香
種族 人族
職業 剣聖
HP :1900
MP :1100
攻撃力 :1400
防御力 :600
魔攻 :1000
魔防 :600
素早さ :700
運 :170
スキル
言語翻訳 刀術Lv3 剣術Lv2 武術Lv2
風魔法Lv2 氷魔法Lv3 歩行Lv6
ユニークスキル
剣聖術Lv2 剣聖Lv2 絶対切断
さ、さすがだなとしか言い様がない。羨ましいが、まぁ、仕方ないか。取り敢えずの目標は死なないだからな。だが、チート組のステータスを見ると自分が心配になってくるな。
「準備はできたか。では、これよりダンジョンに向かう。くれぐれも、油断するなよ。」
ザウス団長がこう言って、俺たちの不安だらけの初めてのダンジョン攻略が始まった...
久しぶりの投稿です。
まったりとやっていくので宜しくお願いしますm(_ _)m