プロローグ
『……は正常か…、よし、…被験…に…うちこむ………』
……なんだろう……。ぼくは……なにをされているのだろう……
意識がぼやけてよくわからない…、ここは、研究所……?
『よし……抑えろ、打ち込むぞ』
僕の腕に、注射器を打ち込んだ感覚がした……。
「……っ!!!」
その時、とてつもない痛みが全身を走った。なにか熱いものが血液に入り込み、全身を巡っている。
……これは、いったいなんなんだ……
***
「……ぅ……、あれ……」
目が覚めると、一人が入るには広い個室に閉じ込められていた。いつの間にか気を失ってしまったらしい。
「ここはどこだろう……。お父さんと、お母さんは…?無事なのかな…」
ここに連れ去られるまでの記憶が穴があるようにポッカリとなくなっていた。
「とりあえず、ここを早くでないと…」
窓には鉄格子がかかっていて出られそうにないものの、僕のからだなら通れそうな通気孔があった。でも、とてもじゃないけど高くて届きそうにない。
「どうしよう……」
そう思いながら、ぴょんぴょんジャンプする仕草をしていると………
(フワッ……)
「えっ…?…えっ………??」
頭が真っ白になった。だって、急に空を飛べるようになっていたのだから……。
「よくわからないけど、これなら届く……!!」
宙に浮いて通気子を開け、先に進むと、建物の裏側に出ました。
そこには、人らしきものがいました。
「…外だ……、……早く、逃げ……」
声が出ませんでした。
なぜなら……………
……肉 が 腐 り 落 ち 、 も は や 原型を 留 め て い な い 変 わ り 果 て た 両 親 の 姿 が あ っ た か ら な の で す ……
「ぁ……ああぁ………」
必死に声を抑えながら、僕は村の方へと走ったのです。
***
そこからは、どれくらい走ったのかわかりませんでした。何度も何度も変わり果てた両親の姿がフラッシュバックを繰り返し、村の近くで足に力が入らなくなったのです。
「なんで…なんで……」
頭が真っ白になりました。なにが起きているのかさえ、理解できないでいました。
わかることは、両親が化け物になったことと、注射をされたことくらいでした。
……しばらく体を休ませると、やっと冷静さを取り戻した後、再び村に向かって進んでいくことにしました。
***
あの施設に誘拐されたということで、薄々感づいてしまいました。
……村が、焼け野原となっていてとても見ていられない状態になっていいることも、そこには誰もいないことも。
苦しくて声が出ませんでした。
しかし、家族で住んでいた家は微かに残っていました。それに近寄ると僕と両親の写真がありました。
それを見た瞬間、涙が溢れてしまいました。もう、知っている両親には会えないのだと。
これからは一人で生きなければならない。そう覚悟しました。
僕はここから北にある『ナチュラル森林』の奥に家を建てて、密かに生活しようと決意したのでした。
難しすぎる…。
初心者なので多目に見てやってください…。