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9 シーネ村7〜覚醒

 活動報告にて報告させていただいておりましたが、かなり内容を変更しました。

 ここまで読んで頂いていた方々には大変申し訳ございません。


 以後この様な大変更がない様最善を尽くしますのでよろしくお願いします。


 なんとか色々試した甲斐があり、とりあえずクロも今は落ち着いている。


 クロの体力を回復させる為にも先ずは食事だ。朝から何も食べていないし、何がどうなったのか分からない以上これからに備えておいて損はない。


 エリーが細かく切り刻んだ肉を消化しやすい様にトロトロになるまで煮込んだスープをクロの口元へ運ぶ。


 人間ならおかゆにする所だがクロは肉しか食べてる所を見たことないのでこれでいい。


 肉は黒が落ち着いてから近くの魔物を狩ってきたものだ。


「くぅ、くぅ、くぅ」


 苦しそうな声で何かを伝えようとしている様だ。


「大人しくしていろ。今は何も考えずに休んで置くんだ」


 俺にとってクロは親友の様な存在だ。俺は二度と大切なものを失いたくない。


「アル……皆んなは、どこ行っちゃったのかな」


 不安に耐えきれなくなったのか、ボソリとエリーが声を漏らす。


「どうかな、でもきっと生きてる。何処かで必ず」


 今はこう答えるしかなかった。


 特にすることもないし、色々あってエリーも疲れているだろう。ここは俺が見張りをする事にして眠ってもらう事にした。


 俺達より強いクロをここまで一方的に、俺達がクロに追いつくだった数十秒で瀕死に追いやる事のできる敵が近くにいる。一瞬たりとも油断はできない。


 さて、今の内に状況を整理しよう。敵>>>クロ>エリー>>>>>>>俺。の強さか……もしこの近くにいるなら出くわしたら終わりだな。クロもこんな状況だし、エリーも心身共に疲労しきっている。


 襲われたら先ず太刀打ちできない。まさしくシャレにならない状況だ。


 本来であれば早くこんな危険な場所からは離れたいものだが、クロがこんな状態では移動しようにもできないのだ。どう見ても動かさない方が良いだろうし。


 苦し紛れに一応は岩陰に隠れてはいるが……ほんの気休め程度だ。まっさらな地面にいるよりはマシだろう。


 絶体絶命のピンチとはまさにこの事だ。


 先程からずっと嗚咽混じりの息遣いがエリーから止まない。中々寝付けないのだろう。


 今はクロの生命力に賭けるしかない。


 早く治して移動する。今できることはそれしかない。それまで敵には見つからない事を祈ろう。


 不安と焦りの緊張感の中朝日は登った。


 何とか一晩は明ることができた様だ。


 エリーもいつのまにか寝たようなので寝れるうちにに寝かしておく。


 日も照り出し、暖かくなって来たので焚火を消す。できれば目立つので初めからしたく無かったがクロを冷やさない方が良いと思ったのでリスクを負ってでも焚火を続けていた。一応魔物除けにはなるしね。


 昼頃になってようやくエリーが目を覚ます。


「おはよう。エリー」


「ごめん、私寝すぎちゃったみたい」


 瞼をゴシゴシと擦りながら周囲を見回す。気持ちも昨日よりは大分マシになったみたいだ。


「大丈夫だよ」


「もしかして寝てないの?」


「いや、ちゃんと寝たさ」


「ごめん……」


 どうやらエリーには嘘は通用しないらしい。流石幼馴染だ。


「大丈夫、気にしないで良いよ」


 そうは言っても正直キツイ。暖かかなって来たこともあってかなり眠たい。寝ない様に踏ん張るので精一杯だ。


「今度は私がクロや周りを見ておくから、アルが寝て?」


 冷静に考えればそれが1番良いだろう。少し心配だけど無理をして取り返しが付かない事態になるよりマシだ。それに背に腹はかえられぬと言うしな。


「そうするよ。ありがとう」


 クロも動きはしないものの、呼吸も安定してるし心配無いだろう。


 俺はそのまま倒れ込む様に眠りについた。



ーーーーーー



「まさか、村の生き残りが居たとはな……ん? そいつは昨日の犬っころではないか。よく生きてたものだ。お前達が回復魔法は使える様には見えないが……」


 そんな台詞が聞こえた瞬間背筋にゾクゾクッと悪寒が走り、飛び起きた。いや、正確には土下座の様な格好だ。


 やばい。気持ち悪い。


「う、うぇえぇ」


 俺は嘔吐した。本物の死を。どうあがいても逃れられないと本能で感じ取ったのだ。心臓を鷲掴みされている様に息もまともにできない。


 無様にも嘔吐しながらもなんとか起き上がる。隣でエリーが仁王立ちを決めていたからだ。


「今、なんて?」


 相手を刺激してどうする。あいつが俺達を殺す事は息をするのと同じくらい簡単な筈だって事くらい分かるはずだ。


「あなたが村のみんなを、クロを……」


「ハハハハハッ貴様! 我の恐怖に動じぬかっ。あの村の者どもときたら我の姿を見た瞬間。兵士であろうが子を守ろうとする父親であろうが、皆同様にションベンをチビりながら腰を抜かしておったと言うのに……ハハハハハッ愉快だ! 僅か10歳程度の少女に劣るとは!!」


「どうしたと聞いている」


 エリー!! 刺激するな!! やめるんだ!


 そう思っても声が出ない。身体に思うように力が入らないのだ。


「貴様。調子に乗るのも大概にしておけよ……まぁ、いい。冥土の土産に教えてやろう。村は我が消してやったわ。その犬っころは身の程も弁えず我に向かって来たのでな、ちぃと撫でてやったわ……フハハハハ! 犬にしては頑張ったがなぁ!」


 エリーの髪が逆立つ程の怒りを露わにする。しかしその怒りは爆発するようなものでは無い。静かに、静かに闘志を限界まで高める戦士の様に研ぎ澄まされていく。


 やばい。エリーの奴、やる気だ。


 気が付いたら俺は足元も覚束ない、まるで初めて立ち上がった赤ん坊の様にふらふらの足取りで立ち上がる。


 そして恐怖で縮こまる声帯を無理矢理押し広げて叫んだ。


「エリー! 逃げろ!」


 このまま戦闘になれば俺達の全滅は免れない。それならば1秒でも時間を稼ぎ、エリーを逃すしか全滅を回避する事はできない。


 なんとか一歩目を踏み出せば、身体に刻み込んだ動きをこなすだけ。更に踏み込むとぞくりと背筋凍り、死の警鐘が鳴り響く。一瞬で思いっきり後ろに飛び退く。


 次の瞬間俺の行く筈だった進路が消し飛んだ。


ーー否、闇に呑まれていた。


「フハハハハッ貴様ら! いいぞ! いいぞ愉快だ! 1番この中では雑魚であろう貴様が我の攻撃を避けるとはな! 良いだろう、楽しみは最後にとって置くものと言う。女は後回し、先ずは貴様から葬ってやろう。我を楽しませた褒美だ。この村を消しとばした、我の最大の魔法ダークホールで空間ごと消してやる」


 次の瞬間空間が歪みだす。空間どうし、帳尻の合わなくなった空間がミシミシと音を立てているのが聞こえてくる。


 あぁ、終わった。死ぬんだここで……

 そう思った。


「やめろ! アルは! アルだけは私が!」


「グルルル……」


 エリー。クロ……昨日まで死にそうだったじゃねぇかよ。


 エリーは足を震わせ、クロも立つのが精一杯と言わんばかりにフラフラした足取りで威嚇していた。


 俺はーーーまた守られるのか? 同じ失敗だけはしないと。そう誓ってここに来たのに。今度は2人も同時に。




 嫌だ。


 守りたい。何も失いたくない。俺は力を得た筈なんだ。それが……


「パラメーターってなんなんだよ!!!」


 一瞬にして目の前にモニターの様な……VRで何かのデータを見る様な。そんなSFチックなものが視界に現れた。


 なんだこれ。


【名前】アルディ

【種族】ヒューマン

【年齢】12

【性別】男

【ステータス】レベル1▷

HP:56▷

MP:62▷

筋力:8▷

敏捷:8▷

魔力:10▷

耐性:6▷

運気:250

【スキル】

記憶・・・MAX

パラメータ・・・MAX

習得・・・MAX

ゴットラック・・・???

魔力操作・・・1▷

テイム・・・0▷

危機感知・・・0▷

剣術初級・・・0▷

体術初級・・・0▷

炎初級・・・0▷

水初級・・・0▷

風初級・・・0▷

土初級・・・0▷

雷初級・・・0▷

光初級・・・0▷

炎耐性・・・0▷

水耐性・・・0▷

風耐性・・・0▷

土耐性・・・0▷

雷耐性・・・0▷

闇耐性・・・0▷

恐怖耐性・・・0▷



 ステータス??


 今は時間がない。刻一刻とでかくなっていく空間の歪み。


 ずっと【パラメータ】とは何だろうと思っていたが、まさかステータスがどこでも確認できるだけのスキルだとはね。

 ゴミにも程がある……


「はっ……ふ、ふはははっ」


 ここへ来て頼みの転生スキルがゴミスキルなんてな。結局俺は転生しようが何をしようがこんなもんだ。


 そう思うともう笑うしかなかった。


 最後に俺の間抜けなステータスを目に焼き付けて死んでやる。そう思って視線を戻す。


 ▷……。何だ、これ。徐にレベルの隣にある▷をタップしてみた。


【ステータス】レベル1→2


HP:56→185

MP:62→221

筋力:8→25

敏捷:8→23

魔力:10→52

耐性:6→24

運気:250


 レベルが上がった? あれだけ何をしても上がらなかったレベルが……


 俺のステータスはどうやら手動で上がるタイプだった様だ。


 可能性は低いかもしれないが……希望が見えた。少しでも生き残る可能性が上がるなら!!


 俺はとりあえずレベルの隣の▷を長押ししてみた。


 レベル2→78


HP:185→9423

MP:221→13053

筋力:25→3250

敏捷:23→4007

魔力:52→4321

耐性:24→2870

運気:250


「え?」


 予想以上にレベルが上がる。


 最大までレベルを上げきったのか、レベルの横の▷は消えたがステータスの横にある▷はまだあるからまだ任意である程度上げられるんだろう。


 今は置いておこう。とりあえず……スキルも上げてアクティベートしよう。


記憶・・・MAX

パラメータ・・・MAX

習得・・・MAX

ゴットラック・・・???

魔力操作・・・1→MAX

テイム・・・0

危機感知・・・0→MAX

剣術初級・・・0→MAX

体術初級・・・0→MAX

炎初級・・・0→MAX

水初級・・・0→MAX

風初級・・・0→MAX

土初級・・・0→MAX

雷初級・・・0→MAX

光初級・・・0→MAX

炎耐性・・・0→MAX

水耐性・・・0→MAX

風耐性・・・0→MAX

土耐性・・・0→MAX

雷耐性・・・0→MAX

闇耐性・・・0→MAX

恐怖耐性・・・0→MAX


 とりあえず今使えそうなものをMAXまでまで上げる。


 時間がない。


 今にも奴の魔法が完成してしまうかもしれない。


 俺はステータスを上げ終わると直ぐに飛び出した。

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