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7林のダンジョン2


〝ズン〟


 コアさんの剣が確かに喉元へ深々と刺さっている事を確認した私は一気に緊張感が解け、足元へしゃがみ込んだ。


「やった……」


「やりましたです!」


「やったやった! やったよ!」


「やったーーーですーー!」


 力の抜けた足も、喜びの前ではどうでもいい事!


 気が付くと2人は抱き合っていた。


「あ、ごめんなさいです」


「いや、いい、よ?」


「意地、張ってました。ごめんなさい」


「そんな! 私こそ強く言ったりしたし、コアさんのこと言えない」


「コアさんなんてやめて下さい! コアって呼んでください」


「こ、コア?」


「はい!」


「じゃあ、私の事もエリーって呼んでくれる?」


「勿論です!」


 2人はすっかり打ち解けあっていた。


〝ドサ〟


 2人は疲れのあまり倒れ込んだ。


「ふふふ……」


「あははは……」



「スー……スー……」


 そしてそのまま眠ってしまった。

 この時手を繋いで眠っていた事は後で合流したアルディとクロしか知らない話だ。




ーーーーーーーーー




「グルォウ!」


 あれからどれだけ経った? 1時間か? 2時間か?


 2人は無事か……もし何かあったら……

 奈々の事やシーネ村の事がフラッシュバックする。


 俺はチカラを手に入れても結局は何も守れないのか?


「くそっ!」


「グワァウ?」


「すまない、心配掛けたな。大丈夫、あの2人は強いよ」


 まるで自分に言い聞かせるように呟いた。


「グルァウ!」


 情けない。クロにまで心配いを掛けて。


 眼前に現れる雑魚だけに魔法で撃退していく。

 こんな雑魚たちには初級のファイアショットだけで十分だ。


「グァウ!!」


「見つけたか!?」


 目の前に大部屋が広がっていく。


「居た!!」


 すぐ隣には巨大な緑の塊。

 オーク・キングが死体となって横たわっていた。


「2人で、やったのか?」


 こんなに傷だらけになって……

 2人は強い。か。

 本当に強いや。俺は守る事ばかり考えて居たけど、俺の心を助けてくれているのはここに居る皆んなだ。


「たく、いつの間に仲良くなってんだよ」


「はぁはぁはぁはぁはぁっ」


 クロの息も絶え絶えだ。かなり無理をさせてしまったな。


 俺は皆んなに助けられている。きっとこれからも助けて、助けられて、そうやって生きていくのかもしれない。

 仲間って言うのかな。なかなか、悪くないのかもしれない。


 俺はそっと自分の外套を2人に掛けてやった。


 魔物が来る気配もないし、ここで一休みするか。


「クロ、ここで一休みする事にしたから、今の内に寝て置いて」


「グァウ」


 クロは即座に床に突っ伏して眠ってしまった。

 こういう所は時野生の力なのかな?

 寝れる時に寝る。俺もこんな能力が欲しいよ。


 念のために俺は見張りをすることにした。

 勿論魔核を取り除いて置くことも忘れない。



ーーー



 3.4時間した頃にエリーとコアが目を覚ます。


「ん、うぅーん」


「あれ、おはよう? です?」


「おはよう。心配掛けたかな? 2人でこんな大きな魔物を倒すなんて凄いな」


「ほんと! 一瞬諦め掛けたよ!」


「流石に今回ばかりは諦め掛けましたぁ」


「ごめん! 無事で居てくれてありがとう!」


「どうして謝るの?」


「です?」


「全部自分が守らなきゃとか思ってた?」


「心外です」


「勿論アル程強いとは思ってないしそこまで自惚れてない。でも、私はアルと対等で居たい」


「……」


 クロもいつの間にか起き上がってこちらを見つめて居た。


 コアも同じ気持ちなのだろう。真っ直ぐな目で俺を見つめる。

 今の言葉に全てが込められているのだ。信頼して欲しい、お荷物や守るべき対象とされるくらいならならここに居ない。それくらいのつもりなのだろう。


 本当に俺は皆んなの事を見くびって居たようだ。


 初めから俺1人で出来ることなんてたかが知れて居たのだ。俺が本当にすべきは『仲間』を作ること。

 きっとそうだったに違いない。

 まだ遅くはない俺は失って居ない。ここにある。大切なものは全部。

 今度こそ守るんだ全(・)員(・)で。


「そうだな。俺が悪かったよ。エリーもクロもコアも、それぞれがそれぞれを想い合ってる。俺だけじゃないんだってやっと、分かったよ。皆んなもみんなが守りたいんだって」


「分かったらいいんだよ」


「そうですね」


 照れ臭そうに、ふいっとするエリーはいつもより子供っぽく見えた。


「グォウ!」


 頼もしくなったもんだ。これからはもっと頼って行こうと思う。


「今日は疲れた! 皆んなは眠ったばかりかもしれないけど、俺の休憩にも付き合ってもらうよ?」


「分かったよ!」


「了解です!」


「うぉん!」


 クロも封印で休憩モードだ。


 アイテムボックスから干し肉や毛布を出してもらって軽い野営の準備をする。


 皆んなで食事を取った後少しだけ眠ることにした。



ーーー



「ん……」


 目を覚ますと両サイドにエリーとコアが眠っている。


「グォウ」


 覚醒モードのクロだ。クロが見張りをしてくれてたのか。


 俺は2人に視線を落としながら思った。

 本当に仲良くなったな。2人とも。


 ステータスの確認とスキルを取得していたらマスターさせる為にパラメータを使う。



【名前】エリー

【種族】ヒューマン

【年齢】12

【性別】女

【ステータス】レベル85

HP:1853→2229

MP:2086→2459

筋力:1030→1296

敏捷:1160→1418

魔力:1230→1482

耐性:1200→1462

運気:80

【スキル】462

逆境……MAX

剣術初級……MAX

剣術中級……MAX

剣術上級……MAX

体術初級……MAX

体術中級……MAX

体術上級……MAX

炎初級……MAX

炎中級……MAX

水初級……MAX

水中級……MAX

風初級……MAX

風中級……MAX

風上級……MAX

土初級……MAX

土中級……MAX

土上級……MAX

雷初級……MAX

雷中級……MAX

光初級……MAX

光中級……MAX

【称号】

勇者……レベルUP毎×5パラメータプラス

仲間を持つ者……仲間の為に動く時ステータス2倍




【名前】コア

【種族】狐人

【年齢】14

【性別】女

【ステータス】レベル104

HP:2689→2843

MP:1097→1132

筋力:1280→1395

敏捷:1692→1700

魔力:646→691

耐性:896→950

運気:92

【スキル】793

逆境……MAX

アイテムボックス……MAX

剣術初級……MAX

剣術中級……MAX

剣術上級……MAX

体術初級……MAX

体術中級……MAX

体術上級……MAX

剛力……MAX

俊足……MAX

炎初級……MAX

土初級……MAX

光初級……MAX

【称号】

封印されし狐……???

仲間を持つ者……仲間の為に動く時ステータス2倍


 ……2人とも称号を手に入れてるんですけど。

 しかもめっちゃ効果良いやつ。

 コアまで【逆境】手に入れたみたいだし。


「ん、おはようございます。起きてたですか?」


「ああ、起きてたよ。寝ている間にスキルを触らせてもらってたけど大丈夫かい?」


「大丈夫ですよ〜ありがとうございます」


 それにしてもせめてアイテムボックスのスキルは欲(・)し(・)い(・)な。


「アイテムボックススキルってやっぱ便利だよな」


「そうですね。魔力の心配さえしなくても良いならかなり便利です」


「俺も手に入らないかな?」


「私のスキルを差(・)し(・)上(・)げ(・)ら(・)れ(・)た(・)ら(・)良いですけどね」


 まぁないものは仕方ない。


 コアのスキルを弄ったことで分かったことがある。

 上位スキルの解放の事だ。

 下位のスキルをマスターしていなくても上位スキルを手に入れる事が可能な事は初めのコアのステータスから分かったが、あの時既にレベル97だった。


 現在レベル104で上級まで覚えている。

 つまりマスターしなくても良いがマスターした方が上位スキルを得やすいという事だ。


 それだけ分かっただけで十分だ。


 次の戦闘ではスキルが習得できるように気を付けて戦おう。


「おはよう」


 どうやらエリーも目を覚ましたようだ。


「おはよう」


「こんなところで暮らすつもりはないし、先へ行きたいところだけど、腹ごしらえでもして行こうか」


「やった!」


「朝ごはん食べたかったんですよぉ」


 寝れる時に寝る。食べられる時に食べる。これは戦場で必須だ。なんて聞いたことがある。


 朝食なので軽めに黒パンだ。


「よし、そろそろ」


「うん」


「そうですね」


「うぉん!」


 どこまで続くか分からないダンジョンの奥へ進む。

 落とされた後に通ってきたので知っている事だがここからは迷路のようになっている。


 これがゲームのようにマップなんて機能があったら楽なんだが現実はそうもいかない。


 時間は掛かるが地道に一つずつ潰していくしかない。


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