12ネット市1
お疲れ様です。
少しずつ読んで頂いている方々も多くなって参りました。
いつもありがとうございます。
大変筆者はモチベーションが上がって来ております。
いつか沢山の方々に面白い!と言って頂けるようになりたいものですなぁ・・・
今後ともよろしくおねがいします。
「この辺りで休憩しようか」
「きゅう、けい?」
「ああ、丁度川もあるし日も落ちそうだからここで一泊しよう。今日は肉じゃ無い。魚だ〜!」
それに長時間走って汗もかいたからね。
「もういやだよ!? 絶対、絶対にクロには乗らないからね?」
「くぅ〜ん」
「そんなこと言うから。クロが悲しんでるぞ?」
「ちが、違うよ? クロ? クロが怖いんじゃ無いからね?」
クロは自分の覚醒した姿にエリーが怖がってるのでは無いか、って心配しているのかな。ツーンとするクロに言い訳をするエリーはなかなかに可愛い。
クロのお陰で3日くらい掛かりそうな道のりを僅か2時間半程で来れたようだ。
森の中なので全力疾走では無いものの良くここまで早く出来たものだ。その為、クネクネと飛び回りながら木々を避けてたので、当然エリーにかかる負担と恐怖はとてつも無かっただろう。
ちゃんと平坦な道で走れば怖くないと言うことを教えてあげなきゃな。
「よし、て事で野営の準備だな」
「はーい」
野営にも慣れたものだ。初めこそ食料を調達して薪を集め、寝床を作り、身体を洗う。見張り番の交代や片付け、やる事がたくさんあり時間がかかったものだ。
大体魔法で何とかなる為、通常の野営よりは早くできたと思うが・・・
今では僅か数分で準備が終了するレベルだ。
「じゃあいつも通り、エリーは薪集めでクロが獲物を狩って来て。クロ?今日は魚だから、川に流されないように注意してね」
「はーい」
「うぉん!」
それぞれ直ぐに行動へ移る。俺は大体寝床用の枯葉を集めたり調理用の木の枝を拾ってくる係だ。
落ち葉を集めるのは大変そうに思うかもしれないが、簡単だ。風の魔法を使って、風量を調節すれば軽いものだけを抽出できて、炎の魔法を混ぜながら温風にすれば乾燥効果も付けられる。
これは性質変化のスキルのおかげかな。
強化された野営力で速攻で準備を完了して、薪に魔法で火を着けて魚を焼き始める。
魚は口から枝を差し込み、石を使って立て掛けてある。
クロには肉を用意しようと思ったが自分で捕った魚を食べてたので魚を食べられない事も無いようだ。
がっつき方が肉の時のが激しい為、肉のが好きである事は間違いない。
本当は塩焼きにしたかった所だけど仕方ない・・・
塩がないんだから。
ーーー
「私、川で水浴びしてくるね!」
「行ってらっしゃい」
「覗かないでよ」
「するか!」
「絶対よ?」
何だして欲しいのか?押すなよ絶対に、押すなよ?的なやつか?
大体、何度か裸になる様な機会もあったろうに。
「早く行きな」
「は〜い」
いつもは魔法で土釜を作り、魔法で水をを溜めて、ただ垢すりを軽くした後流して温風だ。
野営の中ではこれが一番時間が掛かる。土鍋に関しては本当に時間がかかった。故に初めに作ったものを持ち歩いている。
これしか水を溜められるものを思いつかなかった。
ちゃんと水に浸かれる為かエリーが嬉しそうだった。テンションが高かったのはこの為だろう。
諸君、期待してるとこ悪いけど、ラッキーすけべなんてしないよ? そんなドジ踏むものか。相手は12歳だ。いくら可愛くても流石にまだそういった範疇では無い。
前世が15だから3つしか変わらないって?思春期の3つは大きいものなのです。
一応精神年齢27歳だしね。実感0だけど。
この間に日課の特訓をしておこう。
色んな技を覚える特訓を毎日空いた時間にコツコツと試行錯誤しながら試している。
そのお陰で温風やら木の魔法なんかが使えるようになっている。
便利そうなのはもう披露してしまっているけど、まだまだエリーには内緒で色々特訓中だ。
「アル〜交代いいよ!お先に」
おっと、そうこうしている内に結構な時間が経ってしまったようだ。
エリーは温風が使えない為に自分で焚き火なんかして自然乾燥をしているようだ。
気を遣って急いでたのか乾きが甘い。
俺は温風の魔法、通称ヒーターを掛けてやる。
「ありがとう」
「気にしないで、1時間くらい吹くようにしておいたから」
こんな事もできるようになっている。
よし、久しぶりに水に浸かれる!
日本人はやっぱりお風呂だよね。お湯じゃない所が辛い。
茂みを抜けて川を目の前にする。
ーーー
ん?何か音がするな。魔物でもいるのかもしれない。そっと近付く。
「あっ・・・」
「きゃあ!!」
ラッキーすけべゲットーーーーゥ!
人が、しかも女の子がいるなんて想像もして無くて固まってしまった。
年はどうだろう14〜6位で胸はそんなに大きく無いがいい形をしていてキレイなラインだ。
思わず見惚れてしまう。
見た目もビックリするほど美少女だ。ブラウンの髪は長く腰まで伸びていて微妙に体のラインを隠していて、神秘的な雰囲気を助長させている。ここからでは顔までは見えないが美少女臭が半端い。前世も今世も美少女と共に過ごして来た俺の嗅覚が言うんだ。間違いない。
そして、何と言ってもチャームポイントはあの尻尾。
ん?尻尾?よく見ると頭の上に三角2つ、獣人?尻尾の先端が白いから・・・
狐・・・?
「あ、あの・・・い、いつまで見てるんですかぁ・・・そんなに見られたら、私、その」
「あ、ごめん。つ、ついキレイだったから、そのごめん!」
俺は直ぐに後ろを向いた。
「そんな!・・・き、キレイだなんて、言われたの、初めてです。ぎゃっ逆に私のような汚い体を見せてしまったので謝ろうかと思ってました」
「そ、そんな事ないよ。本当にキレイだよ。少なくとも俺は君ほどの美少女そう見たことないよ」
何だかんだ自分を過小評価し過ぎているようなのでフォローだけ入れる。
とにかく、こんな所に居ても気不味いだけだな・・・
魔物が来ると危ないし、光属性を含んだ焚き火でも置いて行ってしまおう。
「そ、それじゃあ俺行くよ!驚かせてごめんね!これ、魔物よけだから!」
「え、そのっ」
それだけ伝えて野営地までダッシュ。
何か言ってたみたいだけど、俺には刺激が強すぎる。
この時はまだ知らない。彼女に起こる悲劇も、それが自分のせいだと言う事も。
「私が美少女です?見た事も無い位って」
ーーー
なんとか・・・
命からがら、誘惑から逃げて来られた。
危なかったーっ!
エリーが帰って来た俺にどうしたの?と聞いて来たが、何もないと言って横になった。
今は余計なこと話さない方がいい。
目を瞑ると思い出してしまう。あぁこれから水浴びの度に暫くは思い出してしまうだろう。
心臓がドクンドクン鳴り響く中無理やり眠った。
ーーーーーー
サクッと野営の片付けを終わらせる。
「さぁ行こーう!」
朝からエリーは元気がいいなぁ。
よし。
「ちょっと待って、クロ、お願い」
エリーは俺が呼び、止まる。クロを呼び、ゆっくりと壊れた人形のようにこちらを首だけで確認。
ーー逃走。
「むり!やだ!むりむりむりむりむりむり!」
逃走逃走。
エリーは全力疾走。かなり高いステータスを手に入れたエリーは常人を遥かに超えるパワーとスピードを駆使し、陸上界最速のクラウチングスタートからのスタートダッシュを決め込む。
「ちょ、エリー!」
エリーを追い掛けて走った。
いくら常人離れしたエリーでも俺の早さにはついて来られない。
数百メートル走ってあと少しで追いつく!って所でエリーは急に止まってしまう。
「うお!」
エリーを避ける為に盛大に転ぶ。
「っててて、どうしたんだよ急に」
「見て」
エリーの視界の先を見る。
おお。あれがネット市か。
初めて見たネット市は大きかった。
ここから見ると大体の街の大きさなんかが分かる。
街の周りは木の塀に囲まれている。街を守る為の塀だろう。
入り口らしきところに門番と思しき兵士が2人立っている。
まずはあそこから入っていかしかないのかな。




