入学式に咲いた花の名前は
私は夢咲桃和。この春から私立風波女子高等学校に通うことになった高校1年生!
今日は入学式!友達できるかな……
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「お母さん、私のピン留め知らない?」
「知らないわよ。あんたはすぐ物無くすんだから」
どこ行っちゃったのー?あのピン留めには大切な思い出があるのに……。
「大体、あんなピン留め入学式には合わないわよ。もっと他の物付けていきなさい。このシュシュとかどう?」
お母さんが差し出してきたのは紫色の水玉模様のシュシュ。う、可愛い……。
「仕方ないから貰っとく!これは明日つける!」
まだ探してないのは部屋の勉強机の引き出し!探してこよ!
私は階段を駆け上がった。
「あ、こら!今日付けないなら返しなさーい!」
お母さんの声なんて気にしない、気にしない。
バン!
勢いよくドアを開けて、引き出しへまっしぐら。
一段ごと見逃さないように探していく。
ない、ない、ない、ない!
最後の引き出しも無いよね……。そう思いながら引き出しを開けると、1枚の折りたたまれたハンカチを見つけた。
ん?こんな所にハンカチ置いたっけ?
開いてみると、2本の大切なピン留めが入っていた。
「あったー!」