ほんとうに面白いのか?
自分の作品は、果たして面白いのだろうか?
もちろん、自分で面白いと思うから、執筆する。
少なくとも自分という読者は、満足させられる。
そうではなくて、自分以外の読者が読んで面白いか否か、である。
これは何のために小説を執筆するかという話に行き着くだろう。
藤正治は、なんのために小説を書くのか。
今回の新作では、明確なコンセプトと目的を持っている。
最大多数の最大娯楽。
より大勢の人に、より多く楽しんでもらう。
それは作品の内容そのものに限らず、発表する場から機会にまで及ぶ。
でも大前提として、執筆する小説の種に、面白さの大輪が咲く可能性がなくてはならない。
現段階では一作に付き、文字数八万から一〇万文字を考えている。
気軽に言っているが、コストが掛かるのである。
基本的に執筆は喫茶店で行うので、コーヒー代だけでも馬鹿にならない。
もし執筆時間を時給で換算すれば、相当な額に昇るだろう。
最大多数の最大娯楽という目的が達成されるならば、コストのことは別に構わない。
しかし、それがどんなに困難なことであるか、さんざん学習してきた。
投資として考えるならば、あまりにもリスクが高い。
そこで問題は、根本に立ち戻る。
果たして自分が書こうとしている作品は、面白くなり得るのだろうか。
現在まで考えいる作品の種は、以下のようになる。
1.○○○の仔を拾ったので、育てることにした
2.上司と逝く、異世界転生
3.隣のデュラはん
4.○○○○○の卵で朝食を
5.異世界転生のニコロ
6.神創兵器は平和を夢みる
7.天才召喚ジーニアス
8.たった一つの、冴えたスキル
9.創作ノートの勇者がやってきた
10.ゴブリン大公
11.予言が三つとも違うんですけど?
12.ストレスソード
13.ゾンビ爺と孫サキュバス
14.姫騎士をナンパした○○○○
15.一〇〇万の命を救え。
16.聖女様はがめつい
17.ゴブリンお父さん
18.店子は俺が守る
19.この悪しき世界に魔神の恩寵を
20.浮遊病
21.異世界は糠床と共に
22.友達召喚
23.救国の聖騎士は、暇になりました。
24.クレイドルは、マスターを甘やかす
25.お父さん、正体を隠して
26.おはようロボ子さん、今日も可愛いね
27.燃え尽き魔法使いと、悪魔大元帥。
28.過去に戻って再教育
29.うちの邪神さん
30.姫にはふたつの身体がある。
31.○狼、○竜を育てる
32.老舗錬金術商 鳥栖屋
33.マリーは万年落第生
34.わらしべ王女の流転姫
35.幽霊は、嘘を吐けない
36.皇帝陛下がストライキしたら、千年間放置された
37.鋼の豚
38.○から転生
39.はったり魔王―勇者ハッタリ君―
この有象無象を一瞥すれば、藤正治の懸念も理解できるはず。
仮の題名だとはいえ、自分の頭が心配になる。
これ、ほんとに大丈夫だろうか。そんな気持ちになる。
しかし、あまり悩んでも仕方がない。
ともかく、この中から三つのタイトルを選んでみよう。