ナナを使ってみよう
小説を執筆するのに、これまでMicrosoft Wordを愛用してきた。
ワープロソフト以外に、執筆のためのツールがあるなどと、考えもしなかった。
アウトラインプロセッサーというものを知ったのは、ごく最近のことだ。
他の作者方が、どのように小説を執筆しているのかは知らない。
藤正治の場合はまず、ハイライトシーンを思い浮かべる。
「教えて!」の最新章を書き始めた時はまず、シルビアが霊薬を窓の外に捨てる光景が脳裏にあった。
どうして彼女は、霊薬を捨てねばならなかったのか。
そこを起点として、執筆を開始する。
一話分のストーリを書き終えると、そこから展開するストーリーを考える。
明日のことは分からない。至言である。
藤正治は、二話先の展開さえ分からない。
常に頭にあるのは、シルビアが霊薬を捨てるシーンだ。
誰かが口にする台詞や昔話、途中の挿話などは、そのシーンのために執筆した。
だが、あらかじめ全体の構成は考えていない。
だから、本当に最後までたどり着けるのか不安になる。
行き詰まると迷走が始まり、数ページ書き上げては破棄することも、しょっちゅうだ。
非常に効率が悪い。
本来ならば、全体の構成と各話の大まかなストーリは、あらかじめ考えておくべきだろう。
その隙間に文章を埋め込むのは、作業レベルになるまで練り込んでおくべきだ。
ただ、その方法で執筆するには、Wordは使い勝手が悪いと思う。
おそらく、工夫すればやり方があるのだろう。だが藤正治は、それを知らない。
しかしアウトラインプロセッサを使うと、全体の構成を考えやすいらしい。
ので、試しに使ってみた。
なるほどー
階層構造になっているから、一章ごとに各話を紐づけできるのか。
あれこれ試行錯誤して使っている内に、気が付いた。
これは各種設定の管理にも使えるのだと。
Wordで執筆する時は、キャラクターなどの設定は別文書にして管理していた。
しかしアウトラインプロセッサだと、執筆中でも楽々簡単に閲覧できる。
設定内容の更新も、非常に楽そうである。
スキルのレベル管理も、これを使えば随分と簡単だったのではなかろうか。
そして何よりも、タダである。フリーソフトなのだ。
製作者の方、ありがとうございます。
http://forest.watch.impress.co.jp/library/software/nanaterry/
文章の校正には、Wordの方が便利であろう。
だけど小説全体の構成、各種設定を管理するには、このNanaTerryを使ってみよう。
世の中には便利なものがあるなあと、いたく感心した。
実に効率的である。