雨露になりたいので赤ペンお願いします
赤いペンが刻まれ
言葉が削れてく
周りについた曇りと
言葉が削れてく
細く、堅い わたしの芯が
顕になっていく
迷いに迷った
言葉の羅列と
バスのなか独り たゆたう
無形の痛みを
頭の中に散らかった
伝えたい思いで
かたち作っていくから
赤ペンお願いします
あの日 憧れた
水晶のような雨露みたいに
なりたいんだ
空っぽのバスのなか
独りで泣いていた わたしの
なみだを一瞬で 奪った
あの澄んだ一粒
誰かの なみだを
わたしの なみだで
奪えるようになりたい
だから お願いします