第2章 犬と鼠 第1話 「シンクロ」
一六〇〇年の東インド会社設立以来、インドは一貫して英国の支配下にある。そして二十一世紀の現代においても依然人民は虐げられている。しかもカーストのおかげで、貧富の差は激しい。十九世紀半ばのポセイの反乱―被支配者側からみれば独立を企図した闘争―を契機に、インドは帝国となった。英国王が皇帝である。東と西の利害と人種が混じりあい、ぶつかりあう文明の交差点といってもいい。
IT産業が集積する大都市、カルナータカ州の州都バンガロール市は、インド南部、標高千メートルの高原に位置し、北部のデリーなどに比べると通年過ごしやすい。
二〇〇七年の、夏も終わりかけたある夜のこと。ここはバンガロール市内の高級ホテルにあるペルシャ料理レストランである。今、東洋人二人が籐の椅子に座って向かい合い、ケバブをフォークで突き合いながら、お喋りに夢中になっている。一人は森泰蔵という男、もう一人は葛城龍一である。周りにはワインと肉料理を無邪気に楽しんでいる欧米人客が目立つ。
肉を十分な咀嚼なしに飲み込んだ森が、いつになく真面目な顔で囁いた。テーブル上の赤いランタンの灯りが彼らの顔の上で揺らめいている。
「順序だっていこう。まずだ。一九〇二年の日英同盟締結の折だ…」
「そうか、やっぱりそこまで話は遡るのか」
「だな。で、外交交渉の当事者だったベティ=フィッツモーリスっていう英国の外相が懇意にしていたってのがもう一方の当事者、林董駐英公使だ」
日英同盟とは、言うまでもなくロシアと戦争をしたい日本と、満洲からロシアを追い出したい英国の利害が一致したことで出来上がった軍事同盟である。龍一もそのくらいは知っている。実際その二年後に日露戦争は起きた。龍一は、一九〇〇年にサイボーグを送り込んだとかいった夢の中の話を思い出している。
「で、その外相が銅像一体を林に贈呈したってわけ。それが犬の像らしい」
「あぁ…、そうなのか」龍一は、パズルの欠片が繋がっていくことに冷めた興奮を覚える。
「でね、林は最初東洋的なものを貰ってたいそう喜んだそうだが、後になって、英国軍が中国の皇帝の離宮から略奪してきたものだと知って狼狽する…」
「そうそれだ、円明園だ。よくわかったな」
龍一は素直に泰蔵の努力を認めざるを得ない。
「当時の駐英公使館の書記官の日記からつかんだ情報だ」
泰蔵は自慢げに涼しい顔をして言う。かなりの情報通と言える。どこにそんなコネを持っているのだろう。こいつは本当に不思議な奴だ。そんなことを考えながら龍一は目の前の男の顔をまじまじと見詰めた。
「すごいね、御苦労さん。というか、ホントにすごい情報だ」
「餅は餅屋っていうだろ」…泰蔵が餅屋なのかはわからない。
「ま、そういうことにしておくか。それにしても、確かに盗品を記念にもらってもなあ。泥棒の共犯にされるのがオチだ。それでその後どうした」
龍一はどうしても現代的な倫理観で物事を判断してしまう。が、そういう視点には無頓着な泰蔵が続ける。
「ここからは推測だ。林はとんでもないものを預かってしまったものだと思いながら、外相の小村に相談したんじゃないだろうか」本当に推測だ。
「小村って、ネズミの小村だよね。それで?」
小村のネズミ顔の評は歴史的なものだ。龍一も聞いたことがある。
「多分、表に出すなという話だったのではないだろうか。もっとも昔の帝国主義国家なんざ、国家の名前を騙った窃盗強奪団の大ペテン野郎どもだから。正義、礼節なんて糞くらえ、屁とも思わなかっただろうよ。ただ、日英同盟の証でもあるわけだ。侯爵に突っ返すわけにもいかなかっただろう」
泰蔵は、十九世紀的帝国主義を気分的には憎んでいた。インドなど、その犠牲者の筆頭だ。ただし、多数の国民が英語を話すという点は、正の遺産としてのちのインド経済発展の基礎となっている。だから一面だけを見てその歴史をすべて否定するのは大人げない。やはり長いスパンで歴史は俯瞰するべきものだと思っている。
「で、そのベティさんは公爵なわけだ。なんでそんな人が、そんな略奪品を持っていたんだ?」
龍一の疑問は数珠のように繋がりはじめる。
「ベティちゃんは一八七〇年代に陸軍次官をやっている。外相やる直前は陸軍大臣だ。で、一八六六年にランズダウン侯爵の爵位をうけた」泰蔵は茶化しながら調べたままを言った。
「詳しいなぁ」と龍一はまたまた感心する。
「てか、その辺は餅屋でなくともネットで調べりゃすぐわかる」
泰蔵にとっては屁でもないということか。たしかにそうだ。
「でもそんな大切なものを、東洋人に安易にプレゼントするかな?」
本当に大切だったかは龍一にもわからない。泰蔵の推理は続く。
「もしかしたら支那大陸の利権を一緒に食いつくそうという暗示だったかもな。大英帝国の生命線はインドとアヘンだ。日本だって満洲でなにかしでかすためにはアヘンで儲けるしかなかったと思うよ」
「成程、アヘン繋がりなのか。だったら少しは説明がつくか。それにしても盗品をプレゼントするか?」
龍一にはどうしても略奪品が国家間でやり取りされるとみることに違和感がある。が、泰蔵は反論する。
「だから、もう一度言うよ、いいか帝国主義時代の西欧の倫理道徳観なんてそんなものだよ。実際、大英博物館は、盗品略奪品陳列館だろ。ありがたがって観るもんじゃないと思うぜ」
「そうなのか。だったら、確かに節操無い。そうか、ルーブルもか。じゃぁ、これは支那から強奪してきたものですとは林に言うはずもないか、いや、失敬してきたものぐらいはしゃぁしゃぁと言ったかね?」
龍一もあまり現代的な価値観で判断しては見誤ることに納得せざるをえない。
「せいぜい清国皇帝か西太后より寄贈されたものだとか、多分そのくらいのことはね」
泰蔵も適当なことを言った。
「で、その一体がイヌなわけだ」
「そう、犬」
「どうしてイヌだったんだろう?」龍一の素朴にして最大の疑問だ。
「日英同盟は英国にとってロシア、つまり熊だな、これをけん制することが目的だ。日本に番犬の役割を期待したんじゃないか。なにかあったら後ろから吠えろってね。エグいユーモアだ。それか皮肉だね。それで英国は鼠をキープしたってところだろうね」
「ん? あっ、そうか。うまいこと言うなあ、ネズミはウシの背中にちゃっかり乗っていいとこ取り。だったらウシはアメリカの役回りっていうわけか」
干支由来の話だ。龍一も泰蔵のこじつけが気にいる。
「おう、君だってうまいこと言うね。でも、その牛のほうは何年か前に中国に戻っているよ。それで、犬は、その書記官日記によれば、大使館はそれを直接日本に送らず、何処かに隠した、みたいなんだよ」
「なんで?」
「まぁ、ネズミの指示だろうな」
このネズミとは小村外相のことだ。泰蔵が問題はその先だというふうに付け足した。
「もっと調べられるかな?」
泰蔵は頭を掻きながら言う。
「闇の中だ」
泰蔵はお手上げといったふうに両手を広げて見せた。
一瞬の沈黙が訪れた、その時だった。それはランタンの光源からだっただろうか、それとも脳内の電気的刺激によるものだったのか、物凄く眩しい閃光が二人の瞳の中を走りぬけた。いったい何だ、いやそれとも錯覚なのか…。そうさ、普段と変わらず平穏に時は刻み、世界はいつも通り動いている。昨日までと違う今日、そしてこの先、この刹那。それが一億回繰り返されようとも、その異変に誰かが気づくことは決してない。
「おっと、そういえば…」
身震いをした泰蔵がなにか言葉を繋げようとした。と、それを遮るように、後ろのイギリス人観光客のグループがビールジョッキを高く掲げ大きな奇声を上げた。
チアーズ!
「チッ」龍一が小さく舌を打った。泰蔵も「ホント奴ら、うるさいね」と苦笑しながら呟いた。
* * * * * * * * * * * * * *
ギャンブル好きの誰かが言った。
もし過去に戻ることができるなら、いくらでも大金持ちになれるんだがなぁ。万馬券全部当ててさぁ、一年で億万長者だ。そのあとは、どこか南の島でも買ってだ、一生パラダイスで、いい女を何人も侍らせたら、面白おかしく生きてやるぜ…。
それを聞いた理屈っぽい別の誰かが言い返した。
馬鹿だなぁ、そんな妄想しても無駄だ。仮に君が過去に戻ることができたとしても、時空への影響力を行使したその瞬間から、歴史は全く新しい枝葉に分かれて行ってしまい、決して君が知っているとおりの未来になんかならない。それは結局、今から起こることを予測するのと同じくらいの困難に等しいってことさ。そもそも、南の島のパラダイスなんか、すぐに飽きる。
ランタンの灯りは依然二人の男の顔の上で揺らめいている。
「おっと、そういえば…」
一瞬の躊躇のあと、泰蔵はまたケバブを口に入れると、なにかを思い出したかのように言葉を継いだ。
「不確かな情報だが、犬はどうも満洲に戻ってきているらしい」
「なんだ、分かっているんじゃないか」
そう龍一が言うと、今度はチキンカレーをたっぷりつけたナンを口に放りこみながら泰蔵は頭を掻いた。
「ところでさ、清の時代の地方豪族の墓の発掘調査で、面白いものが発見されたの、知ってるか?」
泰蔵は急に話題を逸らした。知るわけない。が、なにか関連があるというニュアンスを含んでいる。
「知らない。で、それが何だ?」
「南の方で、江西省だったかな、清朝時代の墓からクォーツ腕時計がでてきた」
「ふっ」龍一は鼻で嗤う。が、もう一方の男は真顔で言う。
「しかもスイス製だ。二十世紀初めの中国の墓から、だぜ」
泰蔵はどうだい面白くないかといった得意の表情をつくった。龍一はもう一度鼻で嗤う。
「いや、中国人は商売が上手いからな。そんなの幾らでもあるだろ。それにしても、話が飛ぶなあ」
雪男だのUFOだの、そんなのと同じ類のネタだろう。龍一はなんでそんな話になるのといった視線を泰蔵に送る。普通に考えて、そうその通り、ネタだ。しかし、タイムトラベラーの仕業ならあり得なくもない。
「いや、ね、その腕時計に秘密が隠されているんじゃないかってわけだ」
泰蔵がまた無理やりこじつけたようなことを言った。
「何で? そもそも時系列的におかしくないか?」
龍一は指摘する。が、その意味は泰蔵には伝わらない。そもそも時系列という言葉に何の意味があるのだろうか。
「じゃぁ、訊くけど、君は何故犬を追いかけているんだ? 中国だって欲しがっているんだろ? まずはそこをはっきりさせるのが先決じゃないか。じゃない?」
泰蔵の言うことは尤もだ。ナオミの世界を救う為だとか、アジア連邦にとっても重要なことと言われ探してはいるが、それが具体的にどんな意味を持つのか、石原も智明も明らかにはしていない。龍一が黙っていると泰蔵が覗き込むようにして話を続けた。
「もし腕時計の持ち主が、シュトッカーだとしたら?」
タメを作って勝ち誇った顔の泰蔵が言った。龍一は、あっと驚いたような表情を見せると、その名前を聞いたからなのかムッとして黙りこんだ。シュトッカーはあの夢の中に出てきたタイムトラベラーだ。夢は確実に龍一の脳細胞に刻み込まれている。一々が鮮明で、説得力を持った。しかし、それとこれとがどう関係しているのかは分からない。が、どこかで繋がっている。そう思えて仕方ない。しかし、気づいた。
「ちょっと待て。キミ、なんでシュトッカーを知っているんだ?」
「は? 何言ってんの。わけわかんないことは言わないでよね」
泰蔵は「大丈夫ですかー?」と龍一の目の前で掌を振ってから、ペロッと舌を出すと親指を立てた。
「ふぅ、俺も変だな。すまんすまん…」
いや違う、シュトッカーのことはこれまで全く話題にはしていない…はずだ。二人ともおかしい…。それとも泰蔵も同じ夢を見たことがあるのだろうか。
「だからさ、その腕時計、なんとか手に入れてみるから。まぁ、この話の続きはまた後だ」
泰蔵は話をまたもや転じた。何が言いたいの? 龍一の表情である。でも、手に入れるって、そんな簡単なことなのか? まぁいい、自分で言い出したのだから。
「それで、本題のイヌだけど、まぁ仮に満洲まではいいとして、それ以上はどこにあるのか場所は特定できないってことか?」
「そう、でも手掛かりらしきものはある」
もったいぶって泰蔵は言う。が、龍一は黙っている。
「川島芳子って人知っている?」
ここでまた新しい名前が泰蔵の口からでた。
「かわしま、よしこ? 誰だい? 今度は」
龍一は知らない。いや、そんなはずはない。
「清王朝の皇族の血を引くおひい様だ。満洲帝国で日本の派遣軍の国軍化に奔走したり、外交官として活躍したりした人だ。ただ子供の時に日本人に養女にやられて、その養父の情婦になったり軍人の愛人になったりと、ちょっと不孝というか数奇な、とても忙しい人生を送っている」
泰蔵は前から知っている人物のように補足したが、実はあまり知らない。
「なんだ、それ、昔の人か。知らないな、で、その人がどうしたって?」
とは言ったものの、なに故かその名前の響きに龍一は懐かしさを感じた。
「いつのことかわからないけど、その女かその関係者が犬を何者かから受け取って、それをどこかに隠した痕跡がある」
「えっ? 何々、誰かがどこかでその人にイヌを渡したってこと? それが確かならイヌは満洲にあるってことで間違いないだろ」
「だから、満洲にあるって。で、そのおひい様は一九七〇年頃に亡くなっているんだけど、彼女の遺骨箱の中から長文の手紙がでてきた。遺骨箱の中ってところも不思議だけど、多分姪に宛てたものと思われる遺書のようなもので、自分が死んだ後のことが色々書いてあったらしい。で、面白いのはここ。詩を残している」
泰蔵はノートを取り出すとページを捲ってメモを見せた。
遠い凍土をはるばると
汽車に曳かれて入ぬ守の
氷都の春に今は休まん 鹿の方かな
「ほらどうよ、これ見て。臭うでしょ。どういう意味だと思う?」
龍一はその詩を見つめている。
「ふーん、つまり、凍土シベリアを経由して運ばれた犬神は今、新京、いや氷の都ハルビンかな、そのあたりに眠っているっていう意味にもとれる、かな」
「だろ、ピンポーン。まぁ普通じゃなんのことかわからないけど、見る人が見ればそのように読める。間違いない。結構君、賢いね」
「なんとなくだよ」
「で、最後の『鹿の方』っていうのが、取って付けたようで、なんか在りかを暗示している気がしない?」
「なるほどね、そこ調べる価値はありそうだけど、イヌにシカまで加わったら、訳わからないぞ」
「銅像とは限らないさ」…尤もな視点であろう。
「鹿、鹿、鹿…。分かる訳ないか。それにしても、よく見つけ出したね」
「何年か前に、新京松竹が川島芳子の半生を描いたドキュメンタリー番組を作ったとき、取材クルーが信州松本にある埋葬先の寺までやってきて、偶々これを発見したんだってよ。な、いけそうだろ」
「ほう、俄然、手がかりとしてはいい感じだね。結構興味あるかも、その辺のところ」
半信半疑とはいえ龍一も同意した。
「俺は、日本に戻ったらまず松本のその寺へ行ってみるよ」
「なんだ、まだなのか」
龍一の言葉に泰蔵はズッコケる。
「まだかよって言ったって、つい最近だしこれ掴んだの。ここまで調べるの、苦労してんだぜ、俺なりに」
「そうだな、悪かった。イヌの本当の秘密を知っているものはいない。ないかもしれないってものを探し出そうと言う程のことでもない。これを探し求める者には必ずわかるような、なにか仕掛けがあるはずだ。だからさ、あきらめるなよ」
龍一は泰蔵を励ましているつもりである。
「もちろんさ。とにかく松本でなにかもうすこし手掛かりがわかるだろう。その前に、どうよ、明日は近くのヒンドゥー寺院にでも大願成就のお参りにでも行ってくるか」
「だな」龍一も笑いながら同調した。
「で、君は、いつ帰国するの?」
「ああ、来週早々だね。早く帰りたいんだけど、その前に、ロシア人に会うんだ」
「やだね、インドに来てまで、ロシアだなんて」
「そもそもこっちに来たのもその為だ」
「そりゃそうか。あっ、あと金かかるからね」泰蔵がウィンクした。
「だろな、じゃぁ、ちょっと調査費も奮発するか。口座に二百万でいいか、とりあえず?」
「その倍は欲しいな。だろ。ちょっと時間も欲しい」
「しょうがない、わかった。ここはケチるところじゃないしな。時間は十分ある。あっ、でも飛行機はエコノミークラスで頼むよ」
泰蔵はそれでいいんじゃないと首を二度縦に振った。そこまで話し終わると、あっさりいつもの泰蔵に戻った。ウェイターにビールとケバブの追加を注文する。性格は草食系なのに、食うものは肉だ。それからいつものような雑談となった。そして追加オーダーがテーブルにくるなり、泰蔵は、またもやケバブを頬張りながらビールを喉に流し込んだ。そんな食い方するから君は腹が出るんだよといった目で龍一が見ている。
「それから、この件はとにかく極秘で頼む。誰にも気取られてはならない」
龍一が最後に付け加えた。
森泰蔵という男は横浜在住の自称映像翻訳家である。実力の方は傍目にはわからない。が、もっと若い頃にはロイターの記者として世界を飛び回っていたこともあったらしい。よって少しブンヤのようなところがあって情報通である。今の翻訳の仕事は下請けの下請けでお鉢が回ってくるようだ。インドにはその関係で時々来る。本人曰く、仕事を選んでいるのだとか。
口髭を少し蓄え、クリっとした目はいつも愛嬌がある。本人も気にしているが、最近少しおつむが薄くなりはじめている。ユタの大学を出ているので、英語はめっぽうできる。ただし、卒業証書は誰も見たことがない。大概は、同人ものを手がけているが、砕けた今風の日本語と流行のギャグを駆使して観るものを笑わせるツボをわかっている。なので、仕事の出来栄えは中々いいらしい。社会背景や生活文化の違いから、ジョークを限られた枠内で意訳するのが一番難しいのだという。泰蔵はそこが得意なのだ。
ただ、それだけで食っていけるとも思えないので、収入は遊興費の足しにぐらいしかなっていないはずだ。龍一から見た彼はただの極楽トンボとしか映らない。福島に農家をやる実家があるので、食いっぱぐれたらいつでも戻ればいいと考えている奴だ。三十半ばを越えた今頃、農業にいそしむ気はさらさらないと言っているが、最近のグローバルな食糧問題とかに興味がないわけではない。
龍一がJリーガーだった頃からの古い付き合いである。