プロローグ4:日向との別れ
短くてすいません
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黒ノ栖さんがやって来た日から数ヶ月が経ち季節は冬から春に移っていた。
そして俺は地元の小学校を卒業する日を迎えた。
皆で卒業の言葉を大声で叫び、校長先生に卒業証書を贈呈され、友達と写真を取り合い、思い出を語りあった。
俺も日向のお陰で少なからず友達もできた。
皆は近所の中学に進学するが、俺はこの町から離れる事を予め伝えていたので仲のよかった友達から俺に激励の言葉を掛けてくれた。数名の女の子から手紙までもらってしまった。それを見ていた日向が「良かったねしろちゃん」と言って笑顔でこちらを見ていたが目は全く笑っていなかった。そして日向の後ろには般若の幻まで見えた。
.....正直ちょっとチビった。
そして友達の皆と語りあった後、日向と2人で桜の花びらが春風に舞う校門までの桜並木道を2人で歩いていた。
そして学校の校門まで来たところで1人の獅子が腕を組み仁王立ちをして頬を吊り上げて笑っていた。
「覚悟は決まったか。真白」
「黒ノ栖さん.....」
「お前の答えを聞かせて貰おうか」
「俺は.....黒ノ栖さんの所に行こうと思います。
こいつを守れる様に強く、どんな困難な事が起きても乗り越えられるように強く.....そして俺に足りないものを見つける為に」
俺はそう言って日向の手を強く握りながら、黒ノ栖さんの獅子の様な瞳を強く見つめた。
「ククク.....そうかその子がお前の守りたいものか.....よし分かった!お前は今日この時より黒ノ栖家の人間だ。お前に武道に教養、人の上に立つ為の覚悟。俺の持ちうる全てを叩き込んでやる!そしてお前が何者になるか、守りたいものを守れる様に強くなれるか。足りないものを見つける事ができるか。それはお前次第だ真白!」
黒ノ栖さんはそう言うと大きく口を開けて豪快に笑い始めた。
「よろしくお願いします。.....父さん」
そして父さんは「では行くぞ」そう言い残して黒く大きな高級感のある車に乗り込んだ。
「日向.....行くよ」
俺が日向を握っていた手を離し、日向の頭に手を置いてそう言った。
「うん.....無理しちゃダメだよ?無理だと思ったらすぐに帰ってきていいんだよ?」
「うん。分かった。でも大丈夫。日向は心配しなくていいよ。俺が日向との約束破った事ないだろ?」
そう言いながら日向の頭を撫でてやる。
「うん。そうだね。じゃあ行ってらっしゃい。しろちゃん」
日向はそう言いながら満面の笑みを向けてくれた。
「じゃあちょっと行ってくるよ」
そして俺は10年以上住み続けたこの町を後にした。
次回金曜日更新予定です