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旧約 ヨブ 1:21  作者: 享庵
第一編
4/29

4、異形

 9年前。

 8歳のローナンは物置のようなちっぽけな馬小屋に手首を後ろで縛られて転がされていた。

 古い乾草が積まれているが、馬はいない。

 戸は閉めきってある。


 外に一人でいるときに首の後ろに無遠慮な一撃を加えられて、頭を壁に打ち付け、気を失った。そこまでは記憶があった。


 彼は誘拐されたのだ。


 彼の実家ベザイ家は、グウィネッズ有数の貴族の家系だ。

 不運にも身代金目的の誘拐にあってしまったのだ。

 しかし、まだ幼いローナンはそのことを飲み込めずにいた。

 天井近くにある木窓から外はもう夕闇が落ちてきているのがわかる。


 吐き気がしてなんとか上体を起こした。

 顔が真っ青だ。

 彼は自分で確認できないが、首の後ろ、頚椎(けいつい)のあたりは危険なほどに黒ずんだ内出血が広がっていた。


 キモチワルイ


 カタンと閂を開ける音で、戸口に目を向けると浮浪者のような身なりの男が入ってきた。

 男は無言でローナンのことを一瞥すると部屋の隅にどさっと腰を下ろした。

 酷く神経質そうに貧乏ゆすりをしている。


 「ナニ見てんだよ」


 低い声で唸った。


 「見てんじゃねぇよクソガキがァ!」


 いきなり怒鳴りつけられて、ローナンは顔をそらした。

 チッ、と舌打ちすると男はまた貧乏ゆすりを始める。

 男が落ち着かない様子なのでローナンも落ち着かない。

 意味のわからない状況に対する不安。どうしていいかわからない気持ちでいっぱいになった。


 「ここはどこなんですか?」


 尋ねられた男は言葉を返そうか迷った後、


 「うるせえよ」


 とだけ言った。


 「あなたは誰なんです? ボクを家に帰して!」

 「うるせえっつってんだろ!!」


 大声で怒鳴りながら立ち上がった男はズンズンと歩み寄ると、ローナンに不恰好な側面蹴りをぶち当てた。

 ああ! と変声前の高い悲鳴が響いた。

 男は癇癪(かんしゃく)を起こしたようにもう一度、うるせえ! と叫ぶとローナンの頭を踏みつけ始めた。

 ゴッ、ゴッ、ゴッと男の汚いブーツが鈍い音を立ててローナンの頭を何度も何度も何度も踏みつける。

 男は身代金目的の誘拐であることなど頭にないかの様に、容赦のない踏みつけを続ける。


 ローナンは目を見開いて、頭蓋の軋みに耐えていた。

 頭の中で死んじゃう、死んじゃう、と本能が叫んでいる。

 やっと男が踏みつけを止めた。

 ローナンは目を見開いたまま体を痙攣させて動かない。

 男は間抜けに口を開けたまま、おそるおそるといった様で


 「お、おい、死んだか?」


 とローナンの頬を叩いた。

 ローナンは尚も震えながら目線だけを動かして男を見た。

 生きているのを確認して、はッ、と安堵の溜め息のような嘲笑いを漏らした。


 「やっと静かになりやがった」


 自らの目的を思い出したのか半ば恐々と、安心した様に言い放った。

 男は元の位置に戻ると、口を開けて呆然とした様にじっとしていた。しばらくしてローナンを一度見ると戸を開けて馬小屋から出て行った。



 ローナンはしばらく踏まれた時のまま動けなかった。

 外では雨が降り出しボロい馬小屋は雨漏りを始めた。

 心の中から驚愕にも似た恐怖が抜け落ちるのを感じると、目から涙が出た。馬小屋の土の地面に雨と涙が滲む。

 小さな嗚咽が響き、時間が経つと止んだ。


 逃げ出さなくちゃ。


 彼が身体を起こすと、ズキズキと踏みつけられた場所が痛んだ。首の後ろに違和感を感じるし、まだ吐き気もある。

 しかし、小さな身体に活力に似た気持ちが生まれていた。


 ベザイ家は魔術師の家系だ。

 魔術に精神の安定は不可欠。痛みや苦しみは時として魔術を失敗させる。ローナンは少しだが苦痛に対する訓練も受けていた。

 一つ呼吸をすると目をつむって精神を統一し、魔法を行使した。

 縛られた後ろ手の先の地面から微弱な赤い光が漏れ、小さなメスのような石のナイフが、ズ……とせり出す。

 地面から引き抜くとフゥ、と息をついて今度は手を縛る縄を切り始めた。


 順調に一本を切って縄を解くと天井近くの木の高窓を見た。

 もちろんこの時代ガラスなど張られていない。

 大人は無理だろうが、子供のローナンならギリギリ通り抜けられそうだ。小屋の扉は、さきほど外から閂が掛けられる音を聞いた。

 木窓までの目測を図ろうと彼は立ち上がった。

 うぐっ。

 立ちくらみのような感覚。頭部を押さえてよろめく。


 アタマガイタイ


 頭痛にじっと耐え、意識的に深く呼吸する。

 ようやく痛みが治まってくると、集中し直して身体に魔力を通す。

 2メートル近い高さの木窓に取り付いた。


 ガタッ、ギシ……。


 どうか気付かれませんようにと願いながら窓枠に身体をねじ入れる。

 外はもう真っ暗だ。雨はシトシトと降り続けている。背の低いススキが一帯に広がっていた。近くに家屋は見当たらない。遠く暗い山々の影がうっすらと見えるばかり。

 窓に腰まで入れると、自然、頭が下がって脳を血流が圧迫するのを感じる。


 「ウゥゥゥ……」


 声を漏らさずにはいられないほどの痛みが頭に響く。


 一瞬の浮遊感。


 ドッシャ!


 高窓から大きな音を立てて落ちてしまった。

 ガタガタと馬小屋に男が入る音がする。

 パニックになりそうな心を必死で落ち着ける。

 ローナンには魔力が操れて、男にはおそらく操れない。

 魔力を身体に通して走れば逃げ切れる。

 焦りを感じながらススキの曠野に走り出した。


 しかし、走り出したところで、まるで寝違えた時のように首が動かせなくなった。

 首を抑えながら走る。

 首の後ろがおかしい、普通じゃない。ジクジクと血が血管から漏れているような感じがする。

 実際彼の首後ろの内出血は悪化し、広がっていた。


 キモチワルイ


 一歩一歩踏み出すたびに吐き気が強くなっていくようだ。

 雨が髪に、服にべったりと張り付く。

 なのに口の中はカラカラだ。

 硬いススキが足の肌を切る。

 ぬかるみ始めた地面に足跡が残ってしまっている。

 魔力の操作に集中できなくなってくる。

 焦りが増す。

 背後から男の迫る音がする。

 夜闇の向こうに鬱蒼と草木の生い茂った小山が見える。

 あそこまで行けば身を隠せる。

 そう思い、または願いながら必死で足を動かす。

 雨とススキがサラサラと音を奏でているが、ローナンには聞こえていない。ザクザクと追っ手が草を踏む音だけが聞こえる。


 しかし幸い、小山に辿り着いた。

 ちらりと振り向くと男はまだ30メートル以上離れていた。

 やや安堵を覚えながらノイチゴやハシバミの低木に身を隠しながら、けもの道を登る。


 撒けたかもしれない。


 そう思い太い木の幹に身体を預けた。

 だが、じっとしていられないほどの気分の悪さが続く。

 走り終えても心臓が鳴り止まず血が脳を圧迫する。


 アタマガイタイ


 気がつくと地面に手をついて吐いていた。


 キモチワルイ


 酸っぱいものをすべて出すとその吐瀉物の真横にもかかわらず身体を横たえた。

 震えている。

 死ぬかもしれない。

 また吐き気が襲い、身を起こすのも半ばに吐いた。

 もう唾液のようなものしか出ない。


 アタマガイタイ


 キモチワルイ


 アタマガイタイ


 キモチワルイ






 バシャ。


 男がローナンの後ろで水たまりを踏み抜いた。

 少年が四つん這いで吐いているのを見ると暗い笑みを浮かべる。

 男はいつだって他人の不幸を楽しむ。

 何ケツ向けてんだぁ、と声をかけようとしたところでゾクッと悪寒を感じた。

 少年の足の方からゾゾゾと黒い何かが這い出してきた。

 蛇の鱗のような炎だ。それは少年を覆っていく。

 頭の先まで覆い尽くしたところで少年が男に顔を向けた。


 左目が緑色に燃えている。


 人が魂の底に誰でも持っているような、人ならざるものに対する畏れが男の体を支配した。

 少年が釣り人形のように不自然な立ち上がり方をすると言った。


 「アタマガイタイ」


 

 少年が男の眼前に迫っていた。



 両手を突き出して飛びかかってきていたのだ。


 「ゥあああああああああ!?」


 男はとっさに手を弾こうとしたが、頭部に組みつかれてしまった。


 「アタマガイタイ」


 ドゴッッ!


 少年がかなづちのように振り下ろした拳が男の頭を打った。

 その勢いで男は頭からぬかるんだ地面に突っ伏した。

 情けない声を出しながら逃げ出そうとした男を何かが捕えた。


 少年の羽だ。


 体を覆っていた黒い炎が影のような羽となり、枝分かれて伸びると男の手足を縛ったのだ。

 黒い影は男の両膝と両足首を強く締め上げ、ねじり始めた。


 「ぎいいいいいいいいいいいい」


 バキビキと膝から下の骨が砕かれる音が響く。

 膝を固定したまま両足首が三回転してもまだ続く。


 「ぅぅうぐあああああああああ!!」


 ブチブチと肉の繊維のねじ切られる音がする。

 男は自分の足がどうなったか直視できなかった。

 見なくてもどうなっているか分かる。

 あまりの痛みで何も考えられなくなった男は、虫のように匍匐前進し始めた。

 影の羽が両腕を釣り上げて男を宙に浮かせ、ブランと回転して少年の正面に向き直らせた。

 男の目に、暗がりに浮かぶ緑の火の玉が映った。

 影が男の頭部に巻きついて固定する。


 「アタマガイタイ」


 男の後頭部が圧迫され始めた。


 ミシミシッ。


 後頭部の圧力は増していく。

 男は恐怖で足の痛みなど忘れた。


 「あ、ああああああああああああああああああああああ



 バキャッ



 タマゴが割れるように後頭部が潰れた。

 後ろから押し出されたのか両目が半分飛び出した。

 触手が引いて羽に戻る。

 男の(しかばね)は血の泥に沈んだ。


 クスクスッ。


 一瞬少年の顔に笑みが浮かび、すぐに蒼白な真顔に戻った。

 幽鬼のように立ち尽くす少年から黒い炎が、影の羽が消えていく。

 雨は止んでいた。

 少年は近くの木に寄りかかって山下を見る。

 雲の切れ間から月光が差し、ススキの曠野(こうや)を照らす。遠くには暗くも青々とした山々の峰が連なっている。

 ついに左目に灯る緑も消える。

 ふらっと倒れて気を失った。

 首の後ろの内出血はきれいに消えていた。





       **********





 ウーナが消えた!


 ローナンは必死に気配を探るが全く手応えがない。

 マーシア兵は相変わらず挑発の口笛や言葉を発している。こちらを捕捉してないし、ウーナも捕えていない様子だ。

 先程まで背中についていたのに、忽然と消えるなどあり得ない話だ。

 もう一度気配を探って、ここにウーナがいないことを確認すると、ローナンは来た道を戻ることにした。

 気配をだだ漏れにする、間抜けな敵兵の方へ。

 彼は苦々しげに左目の眼帯に手をかけた。


 

 少年少女を追ったこのマーシア兵は上機嫌だった。


 覇王(ブレトワルダ)の君臨するマーシア。

 その戦力、権力はブリテン島全土を覆い尽くさんばかりの勢いだ。

 彼はその先兵。一番槍を務める部隊に長くいる。

 殺して武功を立てる。

 そのことが彼の最大の快楽だった。

 舌なめずりして二人を探す。

 サクッと殺して村をぶっ壊す。そんなことで頭がいっぱいだ。


 逃げ惑う二人を挑発するように口笛を吹く。

 邪魔な草蔓を剣で斬り払い、馬を進める。

 切られた草木の濃密な匂いがする。


 突然、地面がぐらりと揺れた。


 馬が倒れこんで男も地に投げ出される。

 起き上がろうとして、うまく体に力が入らないことに気づいた。

 地面が揺れているのではない。平衡感覚がおかしくなっているのだ。


 見上げると少年が立っていた。

 無表情で男を見下ろしている。

 左目から人のものとは思えない魔力の波動が揺れている。

 少年はおもむろにしゃがむと男の兜の緒を解き始めた。

 馬は泡を吹いている。

 男には何がなんだか分からない。

 相変わらず視界は揺れて、力は入らない。

 兜が取られ、傍に置かれた。

 少年が腰に差した短剣を抜く。

 男は痺れたような危機感でようやく汗が噴き出し始めた。

 しかし、体は動かない。


 トスッ。


 少年が無造作に短剣を男の頭に立てた。

 驚くほど滑らかに頭蓋を突き抜け、正確に脳幹を破壊した。


 男は幸せだ。


 死の苦しみを知る前に絶命していたのだから。

 少年は男が切り裂いた草木を見た。

 昔の人なら草木を神聖視するドルイトの森の罠、とでも思っただろうか。

 なんてことはない。少年は空気中に森の匂いの麻痺毒を撒いたのだ。草木を切った匂いだと思わせて。

 左目の異形の力を借りるまでもなかったみたいだ。けど、使わないに越したことはない。

 少年がポケットから小瓶を出して頭上にかざすと匂いは消えた。

 小瓶の中には再び麻痺毒が満たされていた。

 少年は少女の気配を探る。

 やはりここにはいない。

 少女を案じているのだろうか。

 彼は眼帯を着け直すと、村へ駆け出した。




 ローナンが村に着くと、ウーナが村のみんなに囲まれているのが見えた。

 まだ小さな煙が燻ってはいるが、火もほとんど消されたようだ。村は和気藹々としていて、かすかな興奮に包まれていた。

 マーシア兵の死体が道の傍に退けられている。

 村人が倒したのだろうか。完全武装した奇襲兵たちを?

 ウーナがローナンに気づいた。


 「やっぱり無事だったのね!」


 駆け寄ってきたウーナを抱きとめてくるりと一回りした。


 「私が倒したの!」

 「え?」

 「私が四人を倒したの!」


 四人? まさか、できるはずがない。さっきまでローナンの背中に守られていたウーナが、できるはずがない。


 「さすがジュディカエルさんの娘だで」

 「あたしはものすごい魔力を感じたわ! アレがウーナちゃんのものだったなんて!」

 「村の英雄だ!」


 村人たちが口々にウーナを誉めそやす。

 ローナンは信じられなかった。少なくとも丘で騎乗した兵を見た時は、奴らは戦争で第一陣に選ばれる正規兵クラスの魔力を放っていた。村の壊滅が容易に予想される戦力だ。

 どんな幸運が重なっても4人は倒せないはずなのだ。


 「信じられない?」


 下から覗き込むように、上目遣いで楽しげに聞いてきた。

 かわいい。

 現実逃避気味に半笑いしながらローナンは頷いた。


 「フフフ、ローナンの背中に勇気づけられたのよ」


 そう言うと、みんなの輪に戻っていった。

 彼女の金の髪が陽光のように輝いている。

 眩しく感じて、眼帯かかってない目を細めた。



 「ローナン様」


 後ろから声を掛けられたが、振り向かなかった。グェンエイラ。ローナンの身の回りの世話をするメイドだ。


 「ご当主様がデガンウィからお呼びです」

 「父上が?」


 彼女を見やる。

 ローナンと同じく黒髪に、白い肌。緑色の瞳は使用人らしく伏せられている。白と紺の使用人服は質素で色気のないものだが、その起伏から少女の女性らしい成長の一端がわずかながら見え始めている。


 「ローナン様も17才になられます。そろそろいい頃だろう、と」

 「……分かった」


 そう答えると、別れを告げにウーナに歩み寄った。



 グェンエイラはローナンに付き従いながら金髪の少女を盗み見た。あどけない笑顔や、別れの寂しさを見せている彼女を、フッと嘲笑った。





       **********





 数日して。


 「……は地上での生涯を終えられて、神のみ国へと帰って行かれました……」


 村の教会で犠牲者の告別式が執り行われている。

 犠牲者は6人ほど。

 ウーナは静かな気持ちで残された家族を見ていた。


 「……それが順境な時であれ、また逆境の時であれ、神さまは何時も傍に……」


 ある夫婦が寄り添いあって、棺を見つめている。

 ウーナからは彼らの背中が見えるだけだ。

 泣いているのだろうか。

 それとも主の懐に帰られた魂に、安らかなることを祈っているのだろうか。


 「……『私の父の家には住まいがたくさんある』父の家、それは天のみ国……」


 あの時もっと力があれば。

 そこで、いや、とウーナは思い直した。

 諸事万端、因果のすべては父なる神の御心にある。

 敵兵に囲まれた時にお力を与えてくださっただけでも感謝しなくては。それ以上は傲慢かもしれない。そう思って目を瞑った。


 「……彼、彼女らのために、祈りを捧げましょう」


 神父の説教が終わったようだ。

 いつも教会では神父の言葉に真剣に耳を傾けているのだが、今日のウーナにはあまり頭に入ってこなかった。

 白い菊の花を献花すると、ようやくウーナは死者へ祈りを捧げる気持ちになれた気がした。



  「いつくしみ深き 友なるイエスは つみとがうれいを とり去りたもう


   心の嘆きを 包まず述べて などかは下さぬ 負える重荷を 


   いつくしみ深き 友なるイエスは 我らの弱きを知りて 憐れむ


   悩み悲しみに 沈めるときも 祈りにこたえて 慰めたまわん


   いつくしみ深き 友なるイエスは 変わらぬ愛もて 導き給う


   世の友我らを捨て去る時も 祈りに応えて いたわりたまわん」


*出典『賛美歌』(1931年、讃美歌委員会)539番




 帰り際。

 神父たちが何やらもめているのをウーナは見かけた。

 新しく村に来たキリスト教の分派を名乗る者たちが騒ぎ出したようだ。

 自らを清浄派とか名乗る聞いたことない怪しいヤツらだ。

 彼らは元からこの地にいる神父たちにいつもつっかかるのだ。

 こんな時にも静かにできないなんて。

 ウーナは少し胸にむかつきを覚えながら家路に着くのだった。


 

次回は二日後。今後も隔日投稿となります。


作中の聖歌「いつくしみふかき」は日本のキリストの葬式などでもよく歌われるそうです。本当は八世紀ぐらいの歌が良かったのですけど、やはり、千二百年前のものとなると、資料は少ないみたいです。

でも6世紀からあるとされる歌は見つかりました。

陽気な賛美歌で、哀歌には似合わなくてここでは扱いませんでしたが、8話に登場予定です。お楽しみに。

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