夢見心地な夕陽
二作目です。
こんな地球もありだろうと思っていたものと兼ねてみました 笑
よろしくお願いします 笑
「この地球にさ、能力者って何人いると思う?」
広い公園の端、遊具の天辺に座る二人の子供。小さな背丈に大きな影。夕暮れの公園。
「え?うーん…100万人くらい?」
「適当に言ってるでしょ」
「ご、ごめん」
少女に敷かれる少年は肩を落とし落ち込んでいる雰囲気を醸し出す。少女はそんな事お構いなしで足を揺らし鼻歌を凛とした顔で歌っている。
「き、君は…何人くらいいると思ってるの?」
「そうだな…結構多いと思うな」
「結構って、一億人くらい?」
「貴方の数値的感覚ってなんなの?」
あからさまに嫌な顔をして大きく溜息をつく。しかし、すぐに無表情へと変わる。
「地球ってさ、どうして自転できるのかな」
「じてん?何それ」
「地球は回ってるでしょ?それは、誰かの手を借りてるわけでもないの…なのにどうして自分で回れるのかな」
「そっか、今も自分で僕たちの目を回さない様に回ってるのか…」
少し暗い空を見詰めて足を揺らす。影はそれに必死に着いて動く。小さな足、長い足。
「能力者はさ、案外簡単に見つけられるものだよ」
「そ、そうなの…?僕にも見つけられるかな、会えるかな」
「探せばきっと見つかるよ」
片方のサンダルを軽々しく飛ばすように少女は脱ぎ捨てた。少年は短く「あっ」と驚いた声をあげ少女を見詰める。
「こんなに軽く、重力に従って落ちるサンダルくらい簡単に」
少女は少年を横目で少しチラ見してから「少し難しかったかな」と声を小さく漏らして笑った。