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Révolution  作者: 氷室柚香
1章 ひとつめの要求
8/12

コンタクト No.4

『オレの、いや、オレたちの一つめの要求は・・・』


『消費税の引き下げだ。』

「は?」

随分と庶民的な要求だな。

『2015年10月に10%に増税して以来、この国はよくなったか?』

「そっ、それは・・・」

『オレたちはそうは思わない。

 必要の無いものは元に戻すべきだ。

 成果の無いものはなくすべきだ。』

「・・・それはっ。

 きちんと手続きをとり、国会に上げるべきだっ!」

『憲法で参政権が認めているはずだ、と?』

「そうだ。何故。」

そうだ、これは間違っている。

「なんで君みたいな頭がいい人間が武力を使おうとするっ?」

『何故だろうな。』

少し残念そうな、悲しげな声色だった。

機械で変声したとは思えないほど、感情のにじみ出た声だった。

『オレたちは消費税の引き下げを要求する。

 期限は1週間。』

「この犯罪者がっ!」

「警部っ、それはっ」

『犯罪者?それが何だ。』

こいつは・・・。

この犯人は・・・。

『犯罪を起こさない限り国は動かない。』

「そんなことはないっ!

 何故この国を信じないっ!」

『犯罪者を放っている国の警察がそれを言うか?』

「・・・どういうこどだっ?」

『言葉通りの意味だ。』

「警部っ、これ、ヘッドホンマイクなんです。

 一体型なんです。

 そんな風に引っ張らないでくださいっっ。」

『1週間後のこの時間までにマスコミが何も言わなかったら・・・。

 わかっているな?』

「・・・まて、犯罪者っ!」

「いたっ、痛いですから、警部っ!

 ちょっ、聞いてる?」

『また、1週間後だ。』

ブツッ

サイトから追い出された。

「あの犯罪者め・・・。」

「・・・、それはいいですから警部。

 マイクを離してくれません?」

「あぁ。悪かった、黄道くん。」

まったくだ。

「しかし・・・、首相に伝えるべきか?」

「伝えましょう、警部。」

「そうですよ、警部。」

「警部・・・。」

「わかった。

 対策をきちんと立てておけ。」

「はいっ」



残ったのは俺一人になった。

しかし、あの犯人はなんだ?

俺よりも頭がいい。

なのに、何故?

何故あいつは武力を行使した?

もっといい方法はあったはずだ。

あんなサイトをつくる必要はなぜあった?

サイト?

サイト、とは何のサイトだ?

Revolutionというサイトだ。

このサイトの特徴は何だ?

思い出せ。

そう、たしか・・・。

中高生限定のサイト(・・・・・・・・・)だ。

まさか、犯人は・・・。

参政権の持っていない中学生、もしくは高校生だって言うのか・・・?

ない、と信じたいが・・・。

今考えても・・・、一週間後にすべてがかかっている。

いまは何も考えるな。

なにも、考えるな・・・。



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