捜査会議
「黄道君。おい、黄道くん!」
「はい?つーか誰?俺の安眠を邪魔するヤツは・・・?」
「黄道君!!寝ぼけるんじゃないっ!」
「あぁ、警部ですか。」
「あぁ、ではないっ!だから若手を使うのは嫌だったんだ。」
「はぁ、そうですか。」
「はぁ、そうですか、ではないっ!いま何時だと思っていりゅ!」
「(ぶふっ)」
「笑うなっ!」
あーあ、まだ眠いんだけどな。
しかたないか。
「夕方の7時ですね。帰宅してもいいですか?」
「これから何があるか、分かっているのか?」
「分かっています。犯人とのコンタクトですよね?」
「分かっているならいい。19:30から捜査会議だ、遅刻するんじゃないぞ?」
「俺を誰だと思っているんですか?」
「遅刻魔だ。では、先に行く。」
あー、疲れた。
あと30分・・・もないか。
だりー。
めんどくさいけど行くか。
犯人についてなんにもわかって無いじゃないか。
聞いてるだけ無駄だな。
だって内容がさ、
・北海道札幌市の消印だった。
だから、北海道札幌市の住民ではないか。
・あのシュミレーション映像を作るのに莫大な費用がかかる。
だから、お金持ちだ。いやいや、大学関係だ。
・あの映像は知識が無いとつくれない。
だから、専門卒か大卒だろう。 etc...
バカだと思わないか?
俺はバカだと思うね。
何でだって?
そりゃ、小学生でも分かることを延々と聞かされてもなぁ。
つーか、言ってるほうもバカだろ。
お前らは小学生かってな。
そんな内容をあくびを噛みしめながら聞いている俺。
最高にいい人だと思うな。
なのに、何でモテないんだろう?
不思議だ。
この世は不思議で満ち溢れている!!
俺がモテないのも、ここで時間を無駄に浪費しているのも、あと30分そこらで犯人とのコンタクトが始まるのも、この世が不思議で満ち溢れているからだ!
えー、こほん。
そんなことはどうでもいいが、(俺的にはどうでもよくないんだが)話が進行した。
で、今・・・。
「黄道君、聞いていたかね?」
「もちろんです、警部。」
いやいや、そんなうろんげな目で見られても。
そんなに俺が信じられないのか?
「ちゃんとしてくれたまえよ。」
あーあ、キャラが思いっきり変わってるじゃないか。
つまんねーの。
そんな考えを相手に見せるほど俺は優しくないが。
「もちろんです、警部。」
「・・・君に日本の将来がかかっているんだ。」
へいへい。
日本の、ではなく、出世の、だろ。
というか、その年で警部とか。
これ以上の出世は望めないだろう。
バカじゃねーの。
「わかってますよ、警部。」
「・・・(本当に分かっているのか、こいつ。しかも出世がこんなヤツにかかってるなんて。)」
「どうしました?警部。自分の顔に何かついていますか?」
「いや、なんでもない。さっさと準備に行きたまえ。」
「はい、警部。」
フフフ、俺に勝とうなど100年早いわっ。
内心でそう思いながら準備の為にノーパを持って捜査会議室を出た。