表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

Rank.5 『魔剣と収集者』

ここから本編が傾き始めるはずです。

「てめーらも3人だろー? 人の事言える立場じゃねーよ」


 裏の十一人(リヴァースパーティ)の内の1人、六峰むつみねが笑う。

 最初に言っておくが、この六峰という男は裏の十一人の中でも最上位トップレベルの馬鹿だ。


「あのね……私達は3人中3人と全員来てるっていうのにあなた達は11人中4人しか来てないということ分かってる? 数じゃなくて割合の問題よ」

「六峰は馬鹿だからしょうがないわんー」


 有沢が犬のような語尾を付けて毒舌を吐く。


「……井原いはら犠牲ぎせい。監視担当の日にも来ない貴方が何故ここにいる」


 市瀬は所々怒気を含ませて井原に呟く。

 彼は不快感全開の様子だったが井原は特に気にする様子も無い。


「興味が湧いたから来た、それだけだよ。今日は久しぶりの獲物に出会えそうだしね」

「獲物?」


 ふと最麻は疑問に思う。

 というかそもそもこの状況こそが一番の疑問なのだが。


「君は……? まぁいいや。獲物って言うのはそうだな、馬鹿にも分かるように簡単に言うと地下校舎に眠るものを狙う奴等さ」

「地下校舎に……? 確かにあそこは妙に厳重な鍵を掛けられていたり僕等を監視に回したりしていますけど、センサーで確かめても何も反応しませんでしたよ」

「そりゃそうだよ。何しろ〔結界〕が張られてるんだから」

「結界!? そんなモノが……」

「僕と会長は実際に地下校舎に入って確認してきましたから。この目でね」


 計良は不適に笑う。


「で? その地下校舎に眠るものを狙いに来るっていう怪盗さんは何時何分何秒に来るのかしら? あなたが直々にここに現れるぐらいだからどうせ今日中に来るんでしょ?」


 芹菜の質問。

 だが井原は答えることも無く、ただ目を閉じた。

 何かを楽しんでいるような顔で彼は言う。


「もう来たよ」


 突如、ゴバッ!!という音が聞こえた。

 音源は校門からだ。


「これは……どういうことだ?」

「古今東西の魔剣を狙う収集者コレクターの登場わん」

「……魔剣!?」


 更に何かが薙ぎ倒されるような音が聞こえた。

 地下校舎の周りは手入れされていない草木で覆われているので詳しい状況は分からないが、恐らく切り倒されたのは地下校舎へ行くための一本道の入り口の辺りにあった木だろう。


 まるで武器の手慣らしをするかのように次々と無造作に木々を切り倒していく。

 地下校舎に着くまでに大して時間はかからなかった。


「魔剣を狙う収集者……」

「情報が合っているかは知らないよ。その情報を流してきたのは理事長だからね」


 理事長まで絡んでんのかよ、と最麻はひどく理解不能な状況に更に混乱する。

 それは表の三柱(メインパーティ)も同じだろう。

 ただ彼等は最麻よりかは地下校舎について知っているのでそこまで混乱はしない。

 少なくともすぐそこに迫っていた収集者を見るまでは。



「地下校舎で警備しているのは2,3人と聞いていたが、どうやら俺は聞き間違えたようだな」



 灰色に鈍く輝く長剣を持った男が彼等の前に現れた。

 【迷人学園】の制服とは違う、他校の制服のようなものを着ている。

 見た目はどこにでもいそうな普通の人間だったがやはり長剣を携えるだけでその印象は変わっていた。

 幽かに見える殺気。


「やっとお出ましらしーじゃん」

「あなたは……?」


 質問に呼応するかのように男は剣先を御崎に向ける。

 井原は未だに状況を楽しんでいるようだ。


「俺の名はレクィス、ちなみにこいつは魔剣【グラム】の模倣品コピーだ。……ま、そんな事はどうでもいい。────そこの地下校舎に眠る魔剣【ティルヴィング】の原品オリジナルを奪いに来た」

 




瀬田君の次の出番はいつなんだろうか……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ