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Rank.4 『表と裏と特例と』

タイトルを『僕は順位に流されない』から『馬鹿な天才と護られる禁止領域』に変えました。

ま、そんな事はさておきRank.4をどうぞ。

 ここ、【迷人(めいと)学園】では地下校舎に一般生徒は入ることが出来ない。

 といってもテープが張られ、立ち入り禁止の看板が立っているので元々入るのをためらうような雰囲気なのだが。

 それでも入るものは入る者はいるようで、これまで幾度と無く禁止領域に踏み込もうとした前例があるらしい。

 彼等は結局何も見つけられずに帰ってきたらしいのだが、その体には艶かしい傷が出来ていたという。

 そんな状況にも係わらず、彼等は理由を聞いても口封じをされているのか首を横に振るばかりで何も答えない。

 その奇妙な事実が一層、地下校舎の噂を深めているらしい。


 そんな地下校舎に関する情報を最麻は考えていた。

 地下校舎は学園内とはいえ、結構遠いので多少の時間がかかるのだ。


(しかし何だ、仕事って……? 一般生徒が立ち入り禁止されているあの場所に僕が行って何か意味があるのか?)


 最麻は多少異常アブノーマルではあるがこの学園の普通の生徒だ。

 生徒会に所属しているわけでもなければ委員長でも高順位でもない(打たれ強さについては除く)

 本当にただの一般生徒だ。


「着いたよ」


 不意に市瀬が止まった。

 どうやら考え事をしている間に地下校舎に着いたようだ。

 目の前にはやはり黄色いテープが張られ、全面的に封鎖されている。


「で、僕を連れてきて一体何をさせるつもりですか?」

「……一般生徒には知ることの無いことだが、お前は特例らしいな。いいよ教えてやろう。俺みたいな武力順位の最上位層にいる奴等には地下校舎に関する仕事があるんだ。ただ校舎を警備するだけの仕事がね。俺はこの校舎の中に何があるかは知らないが、何か重要なモノがあるらしい。十年前に何か事件が起きてからこんな制度ができたっていうが……ま、そんな事はどうでもいいか。簡単にお前がここに連れてこられたのは第2位がいつも会いたいとか言っていt……」


 そこまで言った所で突然市瀬が体を大きく曲げた。

 その瞬間、先ほどまで市瀬の体があった場所に烈風が生じた。

 原因は超高速で決められた蹴り。

 確実に相手を仕留める為に放たれた一撃は、避けられても止まることを知らずそのまま突き進む。

 すなわち、最麻に目掛けて。


「え? うわ、ちょ、お前ッ!!?」


 ドゴッ!! と轟音が鳴り響いた。

 音速と言っても過言ではない蹴りが最麻に炸裂したのだ。

 何の状況を理解しないままに彼の体が数十m先まで吹き飛ばされる。

 だが、それでも最麻は平然と意識を保っていた。

 いくら打たれ強いといえ、多少の傷はできていたが彼は何事も無かったかのように立ち上がる。

 そして加害者を見た。

 そこには最麻の予想したとおりの人物がいた。

 

「……呼び出しといていきなり蹴り飛ばすとは、何てドSなんだ」

「うっさい、こいつが余計な事をいうから悪いのよ」

「俺は事実を言ったまでだよ」

「黙れ、人には知られたくないものだってあるんだから!」


 ガシガシ、と市瀬の顔面に目掛けてハイキックを繰り出す御崎。

 その全てを華麗に避ける市瀬はふと地下校舎に目を向けた。


「相変わらず、戯れていますね」


 さきほどまで誰もいなかった地下校舎の入り口に少年がいた。

 メガネに小型ノートパソコンを手に持つその少年はまさしくオタクと呼べるものだった。


笠木かさぎ博人ひろと……あなたって今日、担当じゃなかったはずよね?」

「今日は87%の確率で何かが起きそうな気がしたんで来ただけです」

「そう言っても、いつも何も起きていないけどな」


 笠木博人、確か武力順位912人中3位だったはずだ。

 最麻は意外と学園の事を知っている自分に驚きつつもその様子を伺う。


「つーか僕はここからどうすればいいんだよ……」


 彼等から数十m離れた地に立つ最麻はあまりの虚しさに呟いた。

 もしかして呼ばれた意味無かったんじゃないのか。

 彼は果てしない脱力感を感じながら地下校舎と反対の方向へ向いた。

 理由はシンプルに、家に帰るためだ。

 だが、彼の足はすぐに止まった。

 時刻は丁度6時、それをキッカケにするかのように彼の前にさらに4人組みが現れたのだ。

 迷人学園の制服を真っ黒に塗りつぶしたかのような服装に見たこともないだろう顔連れ。

 彼の知る限りではこの学園生活で一度も顔を見たことが無かった生徒達だった。


計良けいら、こいつ僕の通行ルートの邪魔なんだけど……潰していいかな」

「やめておきましょう会長。初対面の相手を潰すのはよほどムカついた時だけです」

「相変わらずのバイオレンスな会長だにゃー」

有沢ありさわもいい加減動物的な語尾を付けるのをやめたほうがいいですよ」

「つーか何? 久しぶりに表の三柱(メインパーティ)が全員そろってんじゃん。珍しいなー今夜嵐でも起きるんじゃね?」


 賑やかな声に離れていた3人も気付く。

 市瀬は彼等を見て僅かに歯軋りした。


裏の十一人(リヴァースパーティ)まで登場か。と言っても4人(生徒会の連中)しか来ていないようだけどね」


 最麻はすでにこの状況に飲み込まれていた。

 一般生徒は立ち入り禁止、辺りに誰もいないはずの地下校舎で8人の登場人物が集う。

 舞台はすでに整っていた。




登場人物が増えすぎて最麻が影薄化していますね。

1話で5人も新キャラ出すとか何なんでしょうね全く。

……表とか裏とか出てきましたねー。

次回では何が出てくるんでしょうか?


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