ブランのプラン!
「なるほど、それで僕を呼び出したと」
「うん、なんか俺と相性良さげなスキル知らない?」
クズ共復讐計画2日目、思ったより行き詰まったのでブランにうまい話がないか聞いてみることにしたよん!
イベントの時にプレイには活かせてないけど情報は各所から入れまくってるとか言ってたからな!その知識に頼るッ!俺は自分の為なら恥も外聞も無く年下に縋るぞッ!!
オキとモリも情報源として優秀だが目的だけに今使えんからな。他友達いないから実は最後の頼りだったりする。
「えー……ちょっと考えますね、バサラさんのプレイングって正直異端すぎて組み合わせが思いつかないというか……」
「おー大丈夫!俺はそもそも知識無くてなんも分からんからなっ!」
「これもしかして一応トッププレイヤーなのに初心者レベルの所で躓いてる段階の話か?」
はははブランめ、前にも言っただろう!
俺の実力の99.9999%は【狂化】が担ってるからどちらかと言うとトッププレイヤーなのは【狂化】の自動操縦AIだとなっ!!つまり俺は紛れもない初心者だッ!!実際まだプレイ開始から一月もしてません────ッ!!
まぁ現実問題体だけ育ち過ぎて俺の技術がまるで追いついてないのどうしようみたいな所あるよねぇ〜なんかアホみたいにヘイト買ってるしぃ〜
でもやっぱ俺【狂化】で遊ぶのやめらんねぇよ……!何もしてねぇのに敵が消し炭になるのが堪らなく気持ちえぇんじゃ……!!人の努力を無視してゴミみたいに叩き潰すの最高すぎる……ッ!!
それに【狂化】の調整を今のタイミングでキメたもんだから俺の後続が出づらくなったのもデカいよねぇ〜
このゲームの売りとなれば結局魔法になる訳だが、それでも「俺はただ強くなりてぇんだ……!」って輩はやっぱり一定数存在する。
そしてそういう奴は新たな道の開拓は選ばず、先に戦果を上げてるトッププレイヤーを真似しがち。
俺の【狂化】特化構築ってそういう輩が真似しやすい恰好の餌なんだよね〜〜くたばれ〜〜元々雑魚とか馬鹿にしてやがった癖に強いのわかったら手のひら返してんじゃねぇぞハゲ〜〜
そもそも『マジック&ブレイド・オンライン』を遊ぶのに必須かつデータリセットができない『Verus Mundus』の生産数が需要の割に終わってる事もあって今まで真似する輩はほとんどいなかったのだが……流石にイベント1位を取ったとなれば話も変わる。
真面目な話【狂化】が現状ギリギリ俺が馬鹿みたいにヘイトを買うだけで許されてるのは、俺以外が殆どいないからだ。
理由は単純に邪魔でウザいから。
敵味方関係なく攻撃してくるプレイヤーが何十人何百人と暴れまわったら、多分【狂化】はゲームから抹消されるだろう。
なので俺達のチームが1位を取ってしまった事で『明確に強い構築がわからない』からとプレイを待機していたプレイヤーが俺の構築を真似して来たら終わるな〜と思っていたのだが、調整入ってまだ強いのかが曖昧になってある意味安心っ!これでとりあえず次のイベントまで【狂化】は安泰だろうねッ!その次は知らん普通に死ぬかもッ!!
でもぉ〜〜1回調整した技能を短期間に2回とか調整入れたら、それは運営側の不手際を一般に向けて曝す事になるわけでぇ〜〜
しかもそんな事したら実質的に単一のプレイヤーへの対策である事や、そもそもそのような問題を引き起こしうる技能をゲーム内に初期から実装していた事などから運営の杜撰さが指摘されうるわけなのでぇ………多分そう簡単に色々されないんじゃね?
行けるっしょっ!死なへん死なへんっ!!死んだら校庭の樹の下に埋めてもらっても私は一向に構わんッッッ!!!
「あのーバサラさん、大体まとまったので説明しても大体ですか?」
「当然当然〜!軽い参考にされる程度だと思って気負わず話してくれっ!」
とか言ってる内にブランもなんか思いついたみたいだなヨシッ!!
俺が欲しいのってまず何をするべきかを決める情報だからなぁ〜、常に先が真っ暗で右も左もわからんままじゃ強くなるとか無理だし。松明程度でも明かりが欲しいんじゃあ……っ!ブラン、火を分けてくれぇ……っ!!
「まず欲しいのは【頭脳活性】、知能値を%で一時的に強化する事が出来る技能ですね。
効果中はSPを消費し続けますが、その分効果値は高く設定されてますし、派生技能もあります。
【狂化】は効果時間が知能値依存ですし、消費も自己回復力向上の効果で+−0だと思うので相性は悪くないかと」
「なるほどそういうのもあるのかぁ……」
話によれば一部ダンジョンのレアドロップで獲得アイテムが落ちるらしいし、流石に手に入れた方がいいな。
「他に欲しいのは小技系の技能、例えば僕が持ってる【斬撃】みたいな牽制とかに使える消費の軽い物ですね。
これまでは技能の発動自体に技能のリキャストを待つ必要があったので【突き刺す剣】だけでも問題なかったと思いますが、制限が無くなったのなら覚えた方が戦略的にもいいと思います。
あとで良さそうなダンジョンまとめてチャットしますね」
「なにからなにまでごめんなぁ……」
「そんなに言われるような事じゃないですよ、初心者向けのアドバイスみたいなものですし……」
うーむなんという低姿勢。折角の夏休みの朝から知らんおっさんに呼び出されてるというのにコレとかブラン君は優しさを司る神か何かなのだろうか……?
これは後で相応の御礼しなきゃならんな!
しかしおかげでひとまずの方針は『技能集め』に決まったッ!
こうなったら曲がらんぞ俺は、覚悟しろ運営……ッ!!【狂化】に弱体化と批判しづらい弱体化しやがった恨み、ゲームの歴史に刻みつけてやるからなァ……ッ!!!
「よっしゃ目的も決まったし早速どこぞのダンジョンでも粉微塵にしてくるかァ〜〜ッ!おみあげは期待してくれていいぞッ!!」
「バサラさんのおみあげとか多分9割厄ネタですよね」
「フッ、違わないな、間違ってないぞ……!」
これまでに俺が単独行動で獲得した物って【狩り場を舞う狂人】とかいう不名誉極まりないあだ名と『脱げない鎧の原型』位だからね。俺に与えられるのはその系譜に並ぶなんかだよ。いいプレイヤーってのは厄介事に好かれちまうのさ……!
「他のプレイヤーにやっかみ受けない程度でお願いします……」
「保証はしないが任せとけ!多分絶対大丈夫な気がするぞっ!!」
「ダメな時の返答だ終わった……」
ハッハッハ!今回もなんかよくわかんない剣の素材とか出たらブランにプレゼントしちゃお〜っと!
使えば強いからな、安心していいぞッ!!
「そんじゃ行くわ!本当ありがとなっ!」
「はい……あっそうだ、言い忘れてた事がありました」
何処かにあらんダンジョンへ当てずっぽうに駆け抜けて行こうと前傾姿勢を取った瞬間、丁度ブランが何かを思い出したらしく俺はすっ転びかける。
しかしッ!その程度でぶっ倒れる程ヤワではないッ!!
俺は発生した転倒のエネルギーを意図的に増加させ本来地面に叩きつけられて終わるはずだったそれを空中回転の動作へと移行させ────着地ィ!!地面を両脚によってしっかりと踏み締め大地に立つッ!!
見たか、これが身体能力だ……ッ!
「記憶が不確かなんですけど、知り合いのプレイヤーがステータスの減少を代償として技能効果を強化する技能を持ってたと思うんです。
たしかギルドを作ってたと思うので、本部の場所を聞けたらそれも送っておきますね」
「おぉ、サンキュー!後で寄ってみるわ!」
うんうん、こういう傍からみて意味わかんねぇ事を無視する辺り慣れてきたなぁブラン……!おじさん嬉しいよかちょっと心配だよ……!!
しっかし本当に色々としてくれちゃって……これはリオちゃんにもおみあげ用意しなきゃだな!
よっしゃあ〜〜っ!技能集めにおみあげ探し、全身全霊で頑張るぞぉ────ッ!!
ルンルンとガンプラ動画見てたのでルンルンとガンプラが悪いみたいな所あります。あやかきの猛獣を許すな。
今回のバサラがおっさん色強かったのでタイトルをダジャレに変更しました。
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