【狂化】つらいね!
さてさてさてさてサテライト、此度訪れたるは何処や何処〜〜ッ!?
「イット・イズ・シマーネ────ッ!!」
説明しようっ!島根県とは日本の本州中国地方に存在する都道府県人口ランキング驚異の46位ッ!出雲大社や石見銀山、シロイルカのいる水族館などを有する都道府県面積ランキング20位の県であるッ!つまり案外広いのになんにも無いよ。
しか────しッ!!この県には他の県にはない特別な要素が存在する!ここでクエスチョンそれってなーんだっ!チッチッチッチッうっせぇな反省してまーす、ハイ残念時間切れッ!
答えはそう、神在月ィッ!
旧暦における十月日本に住まう八百万の神々はこの島根へと大集結し、島根を除く都道府県から神は消滅する!そして島根は唯一神の存在する県となるのだッ!
これこそが神無月と神在月の由来である……ちなみに島根は人口65万人くらいなので一人につき123柱くらい神がつける計算になるよ。キャバクラでもこんなつかねぇわ。
あ、ちなみに来たのはいつぞやの名前長過ぎ予測変換不出ゾンビがいたダンジョンで〜す!いぇい!
いや〜、帰ってきた時の道筋覚えてたから辿ったら行けたよね。ラッキーって感じ。
まぁ入ったら当然のような顔して雑魚ゾンビが襲ってきたんですけどね。こちとら客やぞ舐めてんのかアァン!?殺すぞ〜〜〜〜!【狂化】して腐肉を啜る〜〜〜〜!
実際稀にゾンビの腐肉がドロップするので俺のポケットは腐肉が沢山です。いらにゃい……
「っていうかマジで【狂化】くん性能落ちたなぁ〜〜辛いわぁ〜〜」
これまでの【狂化】は発動すると自動ラーニング機能を持った戦闘AIが起動して戦ってくれるのに加えて、その学習レベルに応じた第二知能値が追加されるというシステムが組まれていた。あとおまけの自己回復力向上ね。
しかし現在は俺の活躍しすぎによって運営が「遊びすぎだ……!プレイヤーから奪い取るな……!なァみんな“楽しみ”をよ……」とシステムを変更。
自動ラーニング機能には手を加えられなかったものの、第二知能値は撤廃され技術系技能が完全に死にステータス化。これで【武芸百般】も【大剣技術】も存在価値がゼロになったよ!
まぁ一応お詫びで別スキルと交換できるようになったけどね〜。そんなもんでどうにか出来る程甘くねぇのがこのゲームなんでね〜。
実際死にステータスになった影響で【狂化】の動きは格段に鈍くなっている。技術系技能はプレイヤーの動作を補助する隠し効果があるからモロ動きに影響が出た訳だ。
あとは知覚能力とかも落ちてる気がするな~、前にここ来たときはまだ隠れてる状態だった名前長男に対して攻撃行動を取る程の圧倒的な知覚能力を持っていたが、今の動きではそれがだいぶ薄れている。あくまでも目に見える範囲・手が届く範囲までが今の限界といった所か。
「────GU、GU、GOOOOOUUUUッ!!」
ほら〜!この前みたくボスが出てきたのに見えるまで反応ができてない〜!でも見えたら圧倒してる〜!ステータス的強さはあくまでも据え置き〜!
もしかして前のが強すぎただけで今のも平均的に言えば強いのでは?ボブは訝しんだ。
でももうダメなんだよ……!あの圧倒的なパワーをみてしまった後で、今さらこんな物で満足はできない……!!あの凄まじいハイをもう一度……ッ!!
「ってかこっちもレベルだいぶ上がっただけあってほぼ蹂躙だな〜?」
などと言っている間にボスくん爆散。復活ボスらしい儚い命……あっ【呪詛核】落ちてるラッキー!ボスくんよ、もっと死んでやくれねぇか?
『ダンジョン【怨嗟の鳴く埋没闘技場】の既攻略者による再攻略を確認。
攻略者:バサラに上位ダンジョン【地底眠る狂信の墓窟教会】が開放されます。
上位ダンジョンに今すぐ挑戦しますか?
【地底眠る狂信の墓窟教会】
ダンジョン難易度:7 YES/NO
※上位ダンジョンは内部に設置された魔法陣から脱出が可能です。』
「お、マジか!一発で当たり引いたっ!」
しかも上位実装されてるとかウルトララッキーじゃ〜ん!今朝友達3人にガン無視キメられたのが嘘みたいだ!いや現実だよ。こんな程度じゃ愛しさと切なさと心強さ埋まらないよ。
クッソアイツらめ……思い出したらだんだん腹立ってきたなァ……!
「そうだっ!どうせまだ【狂化】の残り時間で数時間動けねぇし、上位ダンジョンクリアして報酬とやらを見せてやったらアイツら血涙流してくたばるんじゃねぇか!?」
っしゃあ決まり〜!どうせ俺何もしないし〜っ!頼んだぜ【狂化】くん、了承ボタンをポチッとなッ!!
直後切り替わる眼前の光景。青白い光が周囲を覆ったかと思えば、気付いたら既に洞窟の中!いやそもそも闘技場も洞窟の中なんですけれども。
まぁ一応さっきまでの所とだいぶ雰囲気が違うのは確かだな、うん!そこら辺にピカピカ光る苔が生えてるのが特徴的だぞ〜っ!
ほらちゃんと褒めてやったぞ、金とかレアな技能とかそういうのくれ。
「おっと敵が来たな」
爆速で地面を蹴り上げて進んでくるのはゴツいゾンビだ〜〜っ!喰らえ死ね死ね腹両断ッ!ふっ安心しろ、刃打ちだ。腐肉なだけあって脆いんだよなぁ〜ゾンビ、この程度の攻撃リンフウでも眉一つ動かさんぞ。
さてそんじゃ次に行きます……行きますってあの……あの【狂化】くん?動かないんですけどなに?アプデの仕様変更でバグっちゃった?え〜嘘だ〜そんなんじゃまともにゲーム
「RUGYAAAAAAAAA────ッ!!」
「ぎゃあああ生きてるうううううううッ!?」
ぬぼっと目前に飛び出たのは地面から入ってきた上半身のみのゴツゾンビィッ!!えぇ!?何ぃ!?なんで生きてんのコイツ!?
いや違うそもそも生きてないんだゾンビは!死体が動いてるだけ!だから体がどうなってもHPが無くなるまでくたばらないんだそうだそういう事か〜〜っ!
くぅ〜〜これまでは普通に攻撃何回か入れれば死んでたから知らなかったその仕様〜〜!上位種も上位種になりゃそういう高耐久持ちも出てくるよなぁ〜〜!
「まあでもわかったのならば大丈夫っ!理解は幸せッ!喰らえ痛めの兜割りッ!!」
ちな必殺技じゃないのは今【狂化】くんがまるで本調子じゃないからやから、そこんとこ頼むで。な?わかりゃえぇねん。
流石に頭潰したら死んだわ、驚かせやがって。次調子乗ったことしやがったらただじゃうっわ急な画面揺れやめてねッ!
「もぉさっきからなんだどうなって……って待て、今のまさか攻撃を防御したのか……?」
突如降って湧いた疑問に答えるのは突如揺れた煙る視界が裂けた先、盾のように腹を構えられた大剣の姿。その奥をよく見れば杖を持ったゾンビの姿も微かに見えるが、それは先程の体勢の時には視界にすら入ってない死角だった場所で……。
「え……何?今急に性能が戻ったとか……?」
俺は普通に困惑させられた。えぇ……なんなの本当ぉ……?
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