おやすみ〜っ!
「わ〜い!プレイヤー大殺戮祭りで【ロイヤルジュエル】が6つ手に入ったぞッ!」
「またプレイヤーのヘイト向いたな」
「もう永遠にヘイト向いてるんじゃなぁい?」
「そんな…っ!?」
ティラノ討伐から5時間が経ったよッ!
現在ワシらは鬼ごっこを終えてから合流し、ティラノ部屋から繋がる地上への出口の付近で休憩中だ、丸一日動きっぱなしだからね…
ちなみにオキが居ないのは俺が殺したからではない。俺は優しさの化身なのでそんな野蛮な事はしない。
奴は現在下に残した山の如き【ロイヤルジュエル】の回収という責任重大な特殊任務に就いている。
あいつはなり通り暗殺者だからな〜!
【毒針投擲】とかの暗殺系技に秀でるのは当然のこと、本能的に動き身体能力をフルに活用する【狂化】くんとは別種の技術的な素早さは感嘆に値する。
でもさっき一回殺そうとして来たのは許さん。
故に、モンスター襲われても逃げ足速くて丁度いいしと奈落(登り一時間半強)に叩き落としてやった…
クフフ…降りるのは螺旋階段的なうねうね坂だし一時間程度であろうし、そろそろ奈落で涙を流しながら【ロイヤルジュエル】を集めている所だろうよ…!
「ただいま〜」
「速くないか…!?」
奈落に送られたヤツを思いニヤニヤとしていたとき、嘲笑の対象であるオキ本人の声が突如として響いた、めっちゃすぐ帰ってきた…!?
クソ…!言いながらフラグ感あるなって思ったけど心の奥底に仕舞い込んだらこれだよ…ッ!
「設置してた秘蔵アイテム使ったんだわ、互いに対応する宝石の片方を地面に置いて、もう片方割ると置いた方に飛べるってヤツ」
「それ依頼とかで使えたんじゃないか?」
「使えるっちゃ使えるけど発色強すぎて五分で見つかる。でもお手頃転移だから速攻で入りたい時は使う」
「地下労働任命したら想定より真面目に仕事して普通に帰ってったのなんか腹立つ、なぐっていい?」
「真面目に従事したら殴られるの理不尽すぎる」
せっかくヤツにふくしゅ〜できたと思ったのにぃ…
まぁ仕方無い!俺は優しさの化身なのでこの怒りはオキの仕事ぶりによって矛を収めてやらんでもないぞッ!だからちゃんと働いた報告を結果を報告してくれよなッ!!
という訳で早速聞いてやろ〜っと!
「そんで奈落の【ロイヤルジュエル】は回収できたか?」
「一応は回収できたが瓦礫の海と化してたから発掘させられて殺意湧いた、あの状況の現場送んなッ!」
「ティラノが暴れまわんだから仕方ねぇだろォ!?」
「マジで1時間のずっとナイフと手で地面ガリガリやって3個だったよぉ〜ッ!!途中で無理って察したから帰ってきたわァ!!」
こ、コイツ〜ッ!嬲り殺してやろうかァ!?
こうなったら命を賭けて殺し合うしかない空気感、本当はそこまで怒ってないんですよねぇ〜!ドッキリ大成功〜ッ!!
「まぁ3個持ってきたならいいや、お疲れさま〜」
「そんじゃ明日も奈落探索するか?」
「わたしの土属性魔法が本領発揮ねぇ〜!」
というかむしろあの地獄みてぇな部屋からよく3つ探し出さたもんだわぁ〜素直にすごいっ!
俺あれ探せって言われたらキレるわッ!わっはっは〜ッ!!
「え…ハァ…?」
「よし、そんじゃそろそろ夜営の準備すっか!」
「夜の番誰やる?交代にする〜?」
「じゃあ最初はわたしでいいわよ!2時間交代でどうかしら?」
「そんじゃそれで!今日はオキ疲れてるだろうし、順はオッサン→俺→モリ→オキでいいか?」
「「異議なしっ!」」
「よっしゃ!そしたらオッサン任せたッ!俺は寝るッ!!」
「おやすみねぇ〜」
「オキ、時間ねぇしさっさと寝るぞ。6時間後にはお前の番だ」
「……えぇ?」
ネタバラシすらない純粋にたちの悪いドッキリに引っ掛けられたオキ。
彼はこのあとしばらく脳裏から疑問符の群が離れなくなり、3時間眠れなかったのだとか…ちゃんちゃん!
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