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森の恐怖感ある!

「森林地帯ってどうなんだ?当たり?」

「割と当たりじゃね、プレイヤーからの視線切れるし」

「いやぁ、最序盤って考えるとあまり当たりって言えないじゃなぁい?暗いし狭いしで【ロイヤルジュエル】探しにくいじゃないの」

「いやだからこそ良くね?探してても見つかりにくいし、他の奴らは『面倒だから』ってどっか行くだろ」


 転送されて早速質問すると、それぞれメリット・デメリット・デメリットを考慮したメリットを口にする。


 お、おお…そうだよな、ゲームって一つしか答え無い訳じゃないよな…!

 最近脳みそが筋肉になってたから忘れてたわっ!



「バサラ的にはどう思う?」

「初心者さんの感想聞きた〜い」

「【狂化】使ったら沢山殺して回れそうだなって思いますッ!」

「地獄みてぇな答え来たな?」

「極刑宣告!」

「マジで使われたくねェ地形だわな…」


 最初に使った狩り場も森だったしな!

 【狂化】くんは野性的なので森は相性が良いのだろうっ!まぁ森じゃなくても充分に強いけどねッ!!



「まぁ参考にはなるな…つまり初心者くんが襲われて【狂化】使ったら俺達もヤバいって事だ」

「何こいつ時限爆弾?抱えて歩くの恐怖すぎるんだけど」

「ひでぇなぁ友達だろ〜!?仲良くしようぜっ!!」

「となると早速移動したいわねぇ、どこ目指す?」

「なら開けた場所だろうな。近づく敵もわかりやすいし…崖下の平原まで移動しよう」

「「「了解〜!」」」


 そんなわけで早速移動開始…しようと思ったのだが────



「プレイヤーだぁっ!襲えッ!」

「ハッハァ〜ッ!PKが公認されてるから存分に殺しを堪能出来るぜェ〜ッ!!」


「うわでた」

「やっぱりこういうの居るのねぇ〜」

「こうなりゃ殺すしかねぇな…」

「みんながんばえ〜ッ!危険だから眺めてるわッ!!」


 変なのが来たので一旦中断ッ!

 全員殺してから移動じゃあ〜!頑張れオキ達ッ!ポップコーンとかありますかッ!?


▽▽▽▽



「ふぅ、どうにか切り抜けたな…」

「マジでこいつらただの邪魔PKじゃん」

「腹立つわぁ〜!」

「お疲れさま〜ッ!」

「クソ邪魔爆弾仁王立ちおじさんだ」

「は?避けたりしたが?」

「避けてもその場に存在していて動きづらい事実は変わらないんだよなぁ〜」


 仕方ないだろッ!一回自力で大剣振ってみたら重すぎて剣に重心持ってかれたからな!?

 剣持って振り回した直後ヨロヨロして殺されるよりは基本は仁王立ちで攻撃されても避ける無敵おじさんの方がいいだろうッ!!



「というかリスポーンってどうなるんだろうな」

「あ、確かに何も言われてねぇな」

「言われてないって事は普通にリスポーンするじゃなぁい?」

「リスポーン地点どこよ、場所によっては平面積5000超えるでしょ」

「ふむ…パーティはリスポーンの時待機時間があるのではないだろうか?」

「天才じゃなぁい?」

「頭脳明晰かな」

「さっき棒立ちだったヤツとは思えないわ」

「俺は神だからなぁ〜ッ!君たちにはわからない所まで見えてしまうのだよッ!!」

「うわ急にうるさく戻った」

「天才の行動は誰に止めることも出来ないッ!

行くぞ、したの平原へ─────ッ!」

「窮地脱したからふざけるターン入ったぞアイツ!」

「捕獲しろッ!」

「バサラちゃん飽きないわね〜っ!」


 ふふふ〜っ!あはは〜!

 脳裏をよぎる情景はまるで砂浜を駆ける恋人達!違うところといえば全員全力で捕獲しにかかってるという所かッ!!


 フッ!捕まえられるものなら捕まえて見せるがいい、俺は足が速いからなぁ〜っ!

 筋力値の差が圧倒的なのだよバカ共──



「ぐおッ!?」

「あっすっ転んだ」

「足元ぐらい見ろよなぁ〜」


 顔面から地面に転げる俺。

 くぅ〜!鎧に着てなかったらグチャグチャになってる所だぜッ!!



「痛えッ!ダメージ負ってないし痛覚設定も最大まで下げてるけど幻痛的に痛えッ!!」

「はい確保〜!ってか行く方向逆だから!」

「コイツ縛り付けようぜ」


 悶えている内に腕十字固で捕縛される俺。

 シーンをまとめた○○な俺シリーズをフィギュアにして500円くらいのガチャポンで売ったら売れるのではないだろうか?


 商品化までのルートを練りつつ、シクシクと涙を流しながら「出来心だったんです」と釈明の言葉を吐き、オキに「もうすんじゃねぇぞカス野郎がぁッ!!」とケツを蹴られて無事釈放。

 次は足元も確認して逃げます…



「…あら?あそこ洞窟になってなぁい?」


 そんな事を考えていると、それまで「あらあら」と見ていたオッサンが急に森の奥を差して呟いた。洞窟ぅ〜?



「えー?…お、マジじゃん」

「見た感じ、直近で誰か入った形跡はないな」

「もしかしたらバサラちゃんお手柄かもねぇ」

「マジ?ラッキ〜!」


 指差す先を見てみれば確かに洞窟があった。

 モリの言うとおり地面の凹みやら草の乱れ方は不自然でなく、最低でもプレイヤーはいないだろう。



「見つけといて放置するのもなんだし、とりあえず寄ってくか?」

「賛成!暇だしッ!」

「実際あと6日以上あるわけだしな、ここでちょっと時間取られても大丈夫だろ」

「わたしも折角だし見ときたいわねぇ」

「なら行くか、全員でひし形みたく進むぞ〜バサラは一番後ろな」

「前科あるので大人しく後ろ行きま〜す…」


 チッ!最高速度で洞窟奥まで突っ込もうと思ったのにっ!まぁワシは優しいので許すけどもね!

 果たして優しいのは俺なのか、突っ込んだバカを許している彼らなのか、それは誰にもわからない…


 というわけで最前にモリ左にオキ右にオッサン、そして後ろに俺の陣形を組み周囲を警戒しつつ進む俺達。

 草木をかき分けて進めばすぐに洞窟の前、少し開けた場所が目前となった。



「開けてるって事は、なんかのモンスターとかはいるっぽいな」

「このゲームそこらへんリアルだしねぇ、警戒しましょう」

「魔法的な罠はなさげだな、進んで大丈夫そう」

「警戒了解〜」


 見えぬモンスターに警戒しつつ、オキのもたらした魔法的罠は無いという情報を信じて俺達は洞窟前に歩を進める。


 ──────カチッという音が鳴り、静かに響いた。


 直後、回避の間も無く地面が割れるッ!!



「ぐおおおッ!?」

「ちょマジか!」

「予想外すぎんだろッ!!」

「物理的な罠ってコト!?」


 俺達の体は重力に従い奈落へ向かう。

 まだ割れた地面は閉まっていない、【狂化】を使えば俺だけなら壁蹴って逃げられそうだが…まぁ折角だし罠に捕まる経験ぐらいしとくかぁ〜ッ!


 割れた地面が閉じ、完全な闇が視界を覆う。

 暗闇の中、体は底の見えない奥の奥へと落ちるのだった────。

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