ありえんコイツらっ!
『プレイヤーのみなさま〜っ!ブレイド&マジック・オンライン管理AI3号!プレイヤー動向監視担当兼広報担当のミズノですぅ〜!
聞こえておりますか〜っ!』
「親方ッ!空に女の子がっ!」
「梅雨も過ぎたってのに珍しいなぁ〜」
「ホログラム?石投げたら当たんのかな」
「ヤダ〜鬼畜サイコ野郎がいるわねぇ〜!」
鎧の購入後、特になんやかんやも無くイベント当日がやって来たっ!
まぁ急に全身鎧装備して大剣も隠したりすれれば誰も気づかないわな!それに時間も経ってみんな飽きてきてるし。
そんなわけで俺は実質自由の身になった!
だからこそこうして始まりの街の広場で堂々としていられるのだッ!ワハハッ!
というかあの空飛ぶ少女イズ何?
管理AIって言ってるし、いつぞやのアストちゃんの同族なのだろうか?
「み、ミズノちゃ〜んっ!」
「ミズノちゃ、かわい…っ!」
「押すなよテメェッ!ミズノちゃんが撮れねェだろうがッ!」
「あっ、今チラッとスカートがっ!」
「人類の縮図があるわねぇ〜」
「なに、人気キャラクターなの小娘?」
「SNSの更新とか担当してる子で、AIたちのオフショットとか上げてるらしいぞ」
「AIのオフって何なのだろう、オフショット上げる事も命令に組み込まれているならそれはオンショットなのではないか?」
「オフショットはオフショットって特性付与だから仕事で撮った写真でもオフショットだぞ」
「なるほどなぁ〜!」
まぁたしかに可愛いな、うん!
ミズって名前ゆえか着ている青を基調とした衣装も実にキュートで似合っているっ!まさに美少女と言ったところだが…
「…あぁバサラ、言いたい事はわかるぜ?」
「俺たちだって思ってたところだからな…」
「オキ…モリ…やっぱりそうだよな…っ!」
俺が思考するも言い難いと思っていたその言葉は、二人もまた同じように懐いていた。
そして彼らの「さぁ言おう」という表情に誘われ、俺はソレを口にする!
「彼女よりも、アストの方が可愛い…!」
「わかるよ、ミズちゃんよりもアルの方が…はぁ?」
「やっぱりな…思ってた通りだ、ヨウトの方が…はァ?」
────心は、通じてなどいなかった…
瞬間衝突する鋭い眼光、俺たちは互いに立ち上がりジリジリと詰め寄る。
思えばトランプ、じゃんけんと幾度となく争って来たな…コイツらとはそろそろ決着をつけなければならない。
そして決着の時は、今この瞬間だ─────ッ!!
『聞こえているみたいですねっ!それでは早速イベントの説明を始めましょうかぁ〜!
姉さまと妹たち〜!出番ですよ〜っ!』
「「「っ!?」」」
直後、上空に姿を見せる九人の少女っ!
いつの間にか流れ始めたクラシック的な音楽に合わせ、彼女たちは踊る。
色とりどりの衣装をまとう彼女たちが可憐なステップを踏む姿は、風に舞う花弁の如く───!
「ワァっ!」
「きれ〜!」
「エモ〜!」
「可憐ねぇ〜」
俺たちはその光景に目を奪われる。
そこには既に、無意味な口論で争う醜いアラサーの姿はなかった─────。
ブクマ・ポイント・いいね・感想等いただけると幸いです!モチベが上がります!
※前回の続き
【狂化】の効果を記録し忘れており、2話で説明した効果と別の効果が異なっておりましたので、2話に準拠した効果に修正しました。




