おじさん頑張っちゃうぞ!
「だから誰だよ狩り場を舞う狂人ってェッ!!ワッツディス!?」
「ハァ?テメェだろ見てねぇけどッ!」
あっ!難癖つけて来るタイプだなこのヤンキーッ!
そしてここで喧嘩して結果的に勝った俺に罪をなすり付ける気だっ!俺はそう確信していますッ!!
全くぅ〜!このロイとかいう青年は血気盛んがすぎる!俺の癪に障るのでぶっ殺してやりたいところですわっ!
またも何故か負けかけていた七並べの盤面を弾き飛ばしてくれたことには感謝の一言だがそれはそれ!
というか急にオッサンの店壊した時点で俺からの好感度はマイナスもマイナスのドン底-9999だバカ野郎ッ!!
「まぁそこら辺はどうでもいいが、俺が装備の依頼してるオッサンの店ぶっ壊してんじゃねぇよ!
他人の家壊して刑法に引っかからないと思ってんのか?」
「ゲームでんな事適応されるかよ」
「バサラ、それは事実かもしれん」
「ゲームに現実持ってくる意味ないかもしれん」
「関係ないらしいから別の論破法探すのでちと待ちな」
「待つわけねぇだろ散々コケにしやがって───ッ!!」
ロンが地面を蹴った瞬間、目前に彼の姿が現れた!
はぁ!?ちょっと待てって早すぎないかぁ!?
「すおっ危ねェ!会話中に襲ってくるようなタイプだから振られちゃうんだゾッ!」
「黙れボケが、死ねェ!」
「語彙がっ!貧相ゥっ!」
く、くそぅっ!ステータスを扱う技量が無いので衰えた反射神経を駆使して回避するのが精々だ…!
とはいえ────。
「アイツ結構余裕そうじゃね?」
「ギャンブルしようぜ、アイテム賭けるわ」
「いや極限状態なんですけどォッ!?」
【狂化】は使えない…!
それは種族が狂人になって以来性能がある種向上し、付近にいる全生物を自動で攻撃するパーフェクト・バーサーカーにに進化してしまったので、この状態だとアイツら全員巻き込んじゃうからなぁ!!
だけど無理だなぁ〜っ!僕この状態で対象し続けるのは無理だと確信してるよ…っ!!
風が強い日に外でションベンしたらズボンに引っ掛けるってぐらいの確信…!この確信度合いをオションション・ヒッカケール級と名付けよう…!
最上級はコーラ・ゲップデール級…!
「とかふざけてる場合じゃねぇわっ!
マイフレンズ〜っ!せめてブランとリオ、出来たらオッサンともう一人抱えて逃げてくれ〜っ!」
「マジ〜?工房入ったら殺されるとされているよ?」
「今度の特番都市伝説SPで紹介されると言われてるよ?」
「じゃあオッサンの命は諦める方向でッ!!」
「ちょっと〜!私の知らないところで私の命取り引きしないでくれるかしらぁ〜!?」
「あ、玄関弾け飛んでる…」
「なんで襲撃されてるのに平然としてるんだコイツ等ァッ!?」
「気色悪ィッ!」というロイの絶叫が轟く中、店内奥の工房から相変わらずキショい格好のオッサンと、やけに背の高い赤髪の女性…女性?どちらかというと少年的な感じがする。
高身長ショタとか性癖粉砕される人いそう。
「あらヤダロイちゃんったら久しぶり!顔見せたと思ったらお店の正面ぶち壊しやがってぇ〜!もう容赦しねぇからなァ〜!?」
「そういえばベフさんってロイに武器作ったら金払わずに逃げられたんだっけ」
「アイツよく顔出せたな?」
「お前実は相当なクズ?」
「だ!まっ!れッ!!」
ひゃ〜!なんか一直線というか同じ行動の繰り返しですねぇ〜!おじさんちょっと目が慣れてきたよ^^;
とはいえ一瞬油断したら上半身飛ぶんですけどね、初見さん!
「出てきたってことは装備完成した感じ〜!?」
「大剣の方は出来たけど鎧はまだッ!」
「剣渡したら即座に逃げてくれッ!!」
「…あっ察したわ!」
流石に面識ある人を殺す光景は見たくないよ…!
というわけで早速武器を回収させてクレメンス〜!そうしないと店内の適当な武器を中古品にしちゃうぞっ!
「了解っ!それじゃ受け取ってちょうだ─────いッ!!」
「投げるなやオッサ────ンッ!」
「取らせるかああああああッ!!」
瞬間宙を舞うワシの大剣〜〜ッ!
あっコラ!料金未払いのロイは来るんじゃねぇあれは俺のだッ!!
「【ファイアー・ボール】っ!」
「なっ、ぐぼッ!?」
あぶねぇ〜!危うくアバター慣れの格差で取られそうになったがリオちゃんの見事な援護で難を逃れたっ!ありがとうッ!
俺は倒れたロイを踏み台にして高く飛び、【神聖大剣・堕胎】より新生した新たなる大剣の柄を握った───ッ!
「チィ、取られたか…ッ!」
着地する頃には既に素で知覚できる範囲から全員消え失せており、大破した店内に残るのは俺とロイのみ。
「鎧がなかったりと完全じゃないがまぁいい、舞台は整ったァッ!!
早速種族を変えて上位職にも目覚めた俺と、新生した大剣【フルンティング】の実質的初陣と行こうじゃねぇかッ!!」
「…ちょっと待て素だとめっちゃ弱いから侮ったがレベルとしては俺より──」
「技能、【狂化】ァ───ッ!!」
瞬間、俺の視界は真紅に落ちる─────っ!!
さぁっ!気持ちのいい勝利一つ取りに行くかぁッ!!
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