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7.王女はいない

 それから数日、悪魔は苦しくてたまらなかった。


 なぜ、なぜと疑問ばかりが巡る。


 他の者の温く安易に手に入る軽い負の感情では少しも埋まらなかった。自分は何を誤ったのか! どうすれば、よかったのか!


 日が経つにつれて、凄まじい程の渇望の渦に飲まれていく。


 いくら負の感情を、得ても、得ても、これではない! という飢えに襲われた。


 このまま、何年も生きるのか……生きられるのだろうか……

 この喪失感は……。


 不意に、悪魔は悟る。これが、絶望だと。

 まさかまさか……

 この自分が絶望を与えられることになるとは!!!


 哄笑する。


 この胸の内に広がる苦さに浸る。今もし、この場に、自分と同じような存在がいたら、さぞかしその美味に酔うことだろうと。


 そして、彼は死神から彼女を取り戻すことに決める。

 今度こそ、彼女へ、同じように深い絶望を味わわせるのだと。


 即座に、冥界へと旅立つ。


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