表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/11

10.神は謝らない

 天使は神様に事の次第を全て話す。


そして、

「あの者は悪だった! 天界にはふさわしくない! 悪魔の手先となってしまったのだ!」


 と何度も主張した。

 その様子を見て、神様は呆れる。


 悪魔にのせられて、感情的にさせられている、と。


 しょうがないので、神様自身が告げにいくことにした。



 更に数日後、彼女の前に、今度は神様が現れる。


 そして、本来は天界へ来るはずであったこと、手違いで悪魔の方へ送られてしまったこと、今からでも変更できることを説明した。


 改めて、彼女の意志を問う。

 傍で聞いていた悪魔が


「お前のところの天使が迷惑をかけたのだが」


 というのをまるで聞こえていないかのように、神様は無視をする。


 彼女は静かに首を横に振り、神様の提案に断る意志を表した。


「だが、気が変わったならばいつでもくると良い」


 とだけ告げて去っていった。


 神様が去ってから、


「ご迷惑をおかけしました」と謝る彼女に悪魔は


「こんな、大物まで釣れるとは」とむしろ喜ぶ。


「いつも、助けてくれてありがとうございます! 私はまた悪魔さんといられて嬉しいのです。今度こそ、恩を返したいです!」


 というと、悪魔は、


「言っただろう、全部自分のためだ。助けようと思ったことなど一度もない、と。」


 実際、次々と珍妙のご馳走をもたらす彼女は素晴らしい存在だった。


 全く自分勝手極まりない、その言葉を聞いて彼女は微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ