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奈落の底で

 一歩踏み出して次々と点灯はするがなかなか全灯しようとしない電灯を見上げて、青天目なばためは溜息交じりに呟いた。


「器具と電球があってないんじゃないか?」


 彼は大きく息を吐くとポケットに入っているマグライトを取り出して点灯させ、まだまだ暗い階段を駆け下りていった。

 青天目が向かう先は彼が昔に警護していた男であり、彼の妻子の仇である。

 そして彼は地下の目的地に辿り着いて、一瞬で復讐の気力が削がれてしまった事を知った。


「なんだ、ここは。だだっぴろい空間に一体幾つの独房があるんだ。」


 空の独房のほうが多いが、ドーム球場ほどの広さの空間に独房が何百もあり、彼は独房を一つ一つ覗きながら敵を探す行為を考えて、復讐を行う前にウンザリとしたのだ。


「畜生。あの嘘つきの化け物め。教えるなら方角と何列目の何番牢にいるってまで教えておけよ。」


 彼は首を振りながら霊廟に一歩を踏み出した。

 手には二十二口径の銃を携えて。

 勿論、充填された弾は、体内で弾けるホローポイント弾である。

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