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その9 「なんか魔王城が痛々しいんだけど?」

 物々しい雰囲気の魔王城の跳ね橋を渡り、王城の正門は・・・勇者一行にぶっ壊されたらしく、扉には所々に応急処置の痕跡があった。

「なんか・・・痛々しいな・・・魔王城なのに・・・」

 オレはレムに買い与えられたフード付きの外套を着こみ、人間だと判らないように注意しながらレムとランドルに前後を固められながら進んでいた。

 城内は今だ修復中で、まるで工事現場の様に大勢の魔物で賑やかさがあった。

 途中、小鬼のようなモンスター達がオレ達を見ながら、ひそひそ話をしていたが、ランドルとレムがひと睨みすると、何かを察したかのように直ぐに修復作業に戻った。

 それは圧倒的な身分差を肌で感じる。

 まるで、声すらかけてはならないピリッとした雰囲気があった。

 ごめんよ・・・オレには角の生えた大型犬と、露出度の高いコスプレ娘にしか思えない!

「はあ~・・・勇者達がいきなり殴り込みに来たのが一年ぐらい前かな」

「勇者に殴り込みされるような事をしたのか?」

「してないよ! そりゃあ・・・人間界と魔界の境界線近くに住み着いている魔物達は、多少はやらかしてるかもしれないけどさ、それは人間だってやってるんだよ!」

 んん? バッサ、バッサと・・・さっきからなんか・・・羽根音が聞こえるような?

 まさか・・・このパターンは・・・。

 オレは高い天井を見上げた・・・そこには神々しい金髪に空色の双眸の・・・白い羽根の・・・彫刻のような天使っぽいのが・・・飛んでるっ!

 オレが気が付いた方向に、レムとランドルが視線を移した。

「あ、アレクシ! あのね、さっきそこで気になるヤツ拾ってきて――――」

「あ・・・魔王さ・・まあああああああっ!!」

  天使がオレを目がけて急降下して来たぁ!?

  ぶつかるっ――――。

  と、思わず頭を庇おうとした瞬間に・・・。

「ぐぶぉっっっ!!!!」

  オレの動体視力ギリギリの素早さで、ランドルの爪が風を起こし、レムの回し蹴りが天使にヒットしたようだ。

  せっかく修復したばかりの壁に・・・眩い天使のような何かが壁にめり込んでいた。

「・・・はっ!?・・死ぬかと思った・・・」

「ごめんごめん、上を見上げた時にあなたの顔が見えちゃったんだね?」

「・・・オレ、ここに居て大丈夫かなあ?」

 そんな心配を他所に、横でランドルが後ろ足で耳をかきながら、大きなあくびをしていた。

「アレは後で部下が回収するから大丈夫だよ?」

「そーゆー心配じゃなくって・・・」

 何事もなかったかのように言うけど・・・オレはお化け屋敷に着た気分だよ?

 再び案内されるがままに歩き始めた。


 城の所々に、すきま風が吹いていた。

「・・・まあ、現実的に考えて数人でいきなり城に殴り込みって、ありえないかも知れない」

「でっしょ~?」

「普通は国の代表同士が会議とかで話し合わないのか?」

「は? なに言ってんの! 人族とまもの魔族が話し合いなんかできるわけないでしょう!」

「そうなんだ・・・え? 魔族は人間のことを食料とかとでも思ってるのか?」

「んなワケないでしょう!! 魔界の種族は基本人間界に干渉しないのがお約束だもん」

「そうだな、お互いの常識を知らない同士で話し合ってもなあ・・・宇宙人と地球人じゃどうしようもない感じかなあ?」

 悪魔っ子と大型犬についてきただけなのだが、ここは魔王城の深部のようだ・・・。

「なるほど、興味深い意見だな・・・」

 どこからか低く響く声が聞こえた。

「ウオン!」

 ランドルが一声吠えた。

 声の主はさっきの天使とは違い、地味目の灰色オールバックに、黒縁メガネをかけた同い年ほどに見える姿だった。

 彼は、ゆっくりとこちらへと歩んで来た。

「え・・・今までで一番人間っぽいヒトが現れたヲ!」

 服がズルズルと・・・なんか長い着物っぽい・・・重そうだ。

「ランドル、よくぞ戻って・・・て・・・?」

「あ・・・サミュエルぅ~! ちょっと気になるヤツ拾って来たんだけどぉ――――」

「ま・・・魔王様ぁあぁあああああっっっ!!」

 すんごい勢いでこっちに突撃してキターーーーーー!!

「おまえもかぁあぁあぁあぁ~っっっ!!!!!?」


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