表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/25

その6 「なんか露出度が高いんだけど?」

 後方から来た衝撃波によって吹っ飛ばされたが、何とか受け身を取ることができ、素直にごろごろと地面を転がったお陰で、ケガはなかった。

 運よく障害物がなかった方向に転がったのだ。

 直ぐに起き上がり、土煙が上がっている方に目を凝らした。

 さすがはでかポチ・・・雄々しく四本足で立っている・・・オレは草やら土やら枯れ葉やらをかぶりまくっているが・・・。

 でかポチが立つ場所に小さなクレーターができていた。

「なんだ? 隕石でも落下したのか・・・?」 というぐらいの辺りの惨状であった。

 細い木はへし折れ、草木は力が加わった方向へとドミノの様に倒れている。

 その先には・・・何だか人間の足が見えたので、オレは恐る恐るその姿を・・・歩き出したでかポチの後ろをついて行って、隠れながら眺めた。

「上半身が土に埋まってる!?」

 しかも、どうやら顔面で大地を(えぐ)ってしまったらしい・・・痛々しい姿だった。

 特に内臓とかが飛び散った訳ではないので15R的にはホッとした。

 とりあえず五体満足くっついているようだ。

 しかも・・・。

「え・・・おんなのこ・・・?」

 なんか、レザーボンデージのような黒い衣装を着けた下半身が?

 むちむちのキレイな足とお尻が見えていた。

 ざ、ざ、ざ、と・・・でかポチが近づき、大きな尻尾で周りの土を勢いよく払い始めた。

 ビシッ! バシッ! ズアァ! ・・・容赦ないな。

 とどめを刺しているワケではないよな?

 親切で土を払ってやってるのだろうか・・・。

「ぷはっ・・・いだ! だ! ちょ!?」

 お、意識があったか!

 土の中からゾンビのように起き上がった姿は、大型犬の尻尾できれいに土を払ってもらい、段々と全貌が見えて来た。

「ちょ・・・ランドル! ごめっ! ごめんってば! 痛い! 止めて!」

 肩ぐらいまでの金髪、少し尖った耳、黒い蝙蝠(こうもり)のような翼に・・・コスチュームは、やはりボンデージ系だった。

 今度も人類ではなかったか・・・がっくり・・・。

「ランドル? でかポチ・・・おまえの名前ってランドルって言うのか?」

「ぎぃいぃい~~~っ!!」

 ボンデージ系を着用した女子が奇声を上げ、でかポチ・・・いや、ランドル? の尻尾を思いっきり掴んだ。

 ランドルが“ヤバイ!”っと、サッと掴まれた尻尾を力強く払って逃れた。

「白狼族がなんぼのもんじゃ~!! あんたなんか魔王様がいなけりゃ、ただのでかい狼のクセにっ!」

 あ・・・シベリアンハスキーじゃなくて、狼でしたか! こりゃ失礼!

 て? なんで強いはずのランドルがオレの後ろに隠れるの?

 大型犬が・・・いや、大きな狼らしき動物がオレの後ろに隠れても、さすがに無理だよ? 隠せないよ? おまえ強いんだろう?

 ゆらりと、露出度の高い衣装のコウモリ娘が立ち上がった。

 ほら、悪魔系のゲームに出てくるアレに似ている・・・なんだっけなあ?

「え~と・・・サキュバス?」

 ボサボサの髪を手ぐしで撫でながら、顔を上げたコウモリ娘はオレの顔を見て、いきなりポカンとした後に、今度はウルウルと紫色の瞳に涙を溜めだした。

 何だかさっきから感情の起伏の激しいヤツだなあ?

「ま・・・魔王さまぁ~~~っ!!」

 え? どこにそんなラスボスがいるの!!! オレ、ヤバイじゃん!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ