表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

花火なんて、ただの火花

作者: スットントンオムライス

1時間で仕上げたものですので期待は微妙っす!

 今年の夏は暑い日が続いている。こんな暑い日に外にできかける奴の行動には理解できない。家でクーラーの冷房にあたり、ゲームしている方がなにぶんか幸せだ。そう思っていた。


「ん?今日、近くの河川敷で花火大会か」


 独り身の人にとっては、全く無縁のイベントだ。だいたい、花火のどこがいいのやら。火花が光るだけのドウデモイイ見世物だ。あれを見て「綺麗!」なんて思わんな。そんなことよりかは、スーパーのチラシの方が魅力的だ。今日の特売を見て、買い物に出かけなければ。


 買い物に出かけようと扉を開けた瞬間…


「こんにちわ!おじさん!」

「はっ!!!なんでいんの!?!?」


 目の前にいたのは姪っ子、(あずさ)だった。


「え?ママから聞いてない?今日、「花火大会におじさんが連れて行ってくれるから遊びに行っといで」って、ママが…」

「えぇ…。わかった。ちょっと中に入って座ってて…」

「はーい!」


 この状況の説明を妹に聞いてみることに…。


「おい!どういうことだよ!聞いてねぇーぞ!」

「あー、お願いね!」

「おい!まて!それだけか!説明は!」

「…………………」


 こいつ!既読スルーかよ!せっかくのお盆休みなのに…なんでこんな…。


「おじさん!ジュース飲みたい!」

「あー冷蔵庫にヤクルトあるし、それ飲んでくれ…」

「はーい」


 か、買い物に行けねぇー…。面倒みるしかないのか…。ガクッ


「み…いや、ママはなんか他に言ってなかったか?」

「ん?何も言ってなかったよ?」

「そ…そうか」


 こうして、俺と姪っ子は河川敷の花火大会に見に行くことになった。夜になるまで姪っ子とゲームで遊びまくり、あっという間に夜になった。意外にも、梓はゲームが強かった。


「よし、行くか!(イヤイヤ)」

「うん!」


 電気を消し、戸締りをして、虫除けスプレーを体にふりかけ、手をつなぎ、河川敷に向かった。家から河川敷までは10分程度の距離だった。


「花火楽しみー!!」


 姪っ子は凄くテンションが上がっていた。僕の気苦労も知らないで、無邪気なもんだな。

 しかし、何年ぶりだろうか。花火大会なんて、10数年ぶりになるだろうか。昔は兄弟でよく見に行っていたなー。おっと、イカンイカン!流されてはいけない!花火なんてチンケなもん、面白くもない。


「あー!たこ焼き!食べたい!」

「えー今日は、花火を見にきたんじゃないのか?」

「食べたい!花火も見たい!」

「強欲かよ!わかったわかった、買ってやる。ただし、半分個な。ご飯、食えなくなるしな」


「わーい!」


 ふふ…俺も昔は親父たちにねだってたなー。今じゃ俺が買う側かー。歳は取りたくないねー。

 たこ焼きを買い、食べ歩きながら、堤防まで登った。登りきったら、花火大会が始まり、一発目の花火が夜空を輝かせた。


「わー!綺麗!綺麗!わー!」

「そりゃーよかった」


 花火なんて、ただの火花なんてもんじゃなかった。いや、誰かと見る花火が、綺麗に見せているだけなんだと思う。俺は花火を見、久々に心が晴れた気がした。次から、いや、次は誰かとまた来よう。この綺麗な火花を見るために。

読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ