花火なんて、ただの火花
1時間で仕上げたものですので期待は微妙っす!
今年の夏は暑い日が続いている。こんな暑い日に外にできかける奴の行動には理解できない。家でクーラーの冷房にあたり、ゲームしている方がなにぶんか幸せだ。そう思っていた。
「ん?今日、近くの河川敷で花火大会か」
独り身の人にとっては、全く無縁のイベントだ。だいたい、花火のどこがいいのやら。火花が光るだけのドウデモイイ見世物だ。あれを見て「綺麗!」なんて思わんな。そんなことよりかは、スーパーのチラシの方が魅力的だ。今日の特売を見て、買い物に出かけなければ。
買い物に出かけようと扉を開けた瞬間…
「こんにちわ!おじさん!」
「はっ!!!なんでいんの!?!?」
目の前にいたのは姪っ子、梓だった。
「え?ママから聞いてない?今日、「花火大会におじさんが連れて行ってくれるから遊びに行っといで」って、ママが…」
「えぇ…。わかった。ちょっと中に入って座ってて…」
「はーい!」
この状況の説明を妹に聞いてみることに…。
「おい!どういうことだよ!聞いてねぇーぞ!」
「あー、お願いね!」
「おい!まて!それだけか!説明は!」
「…………………」
こいつ!既読スルーかよ!せっかくのお盆休みなのに…なんでこんな…。
「おじさん!ジュース飲みたい!」
「あー冷蔵庫にヤクルトあるし、それ飲んでくれ…」
「はーい」
か、買い物に行けねぇー…。面倒みるしかないのか…。ガクッ
「み…いや、ママはなんか他に言ってなかったか?」
「ん?何も言ってなかったよ?」
「そ…そうか」
こうして、俺と姪っ子は河川敷の花火大会に見に行くことになった。夜になるまで姪っ子とゲームで遊びまくり、あっという間に夜になった。意外にも、梓はゲームが強かった。
「よし、行くか!(イヤイヤ)」
「うん!」
電気を消し、戸締りをして、虫除けスプレーを体にふりかけ、手をつなぎ、河川敷に向かった。家から河川敷までは10分程度の距離だった。
「花火楽しみー!!」
姪っ子は凄くテンションが上がっていた。僕の気苦労も知らないで、無邪気なもんだな。
しかし、何年ぶりだろうか。花火大会なんて、10数年ぶりになるだろうか。昔は兄弟でよく見に行っていたなー。おっと、イカンイカン!流されてはいけない!花火なんてチンケなもん、面白くもない。
「あー!たこ焼き!食べたい!」
「えー今日は、花火を見にきたんじゃないのか?」
「食べたい!花火も見たい!」
「強欲かよ!わかったわかった、買ってやる。ただし、半分個な。ご飯、食えなくなるしな」
「わーい!」
ふふ…俺も昔は親父たちにねだってたなー。今じゃ俺が買う側かー。歳は取りたくないねー。
たこ焼きを買い、食べ歩きながら、堤防まで登った。登りきったら、花火大会が始まり、一発目の花火が夜空を輝かせた。
「わー!綺麗!綺麗!わー!」
「そりゃーよかった」
花火なんて、ただの火花なんてもんじゃなかった。いや、誰かと見る花火が、綺麗に見せているだけなんだと思う。俺は花火を見、久々に心が晴れた気がした。次から、いや、次は誰かとまた来よう。この綺麗な火花を見るために。
読んでいただきありがとうございます!