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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

本当に平凡な容姿の主人公がラブコメディをするために。

作者: 久方優那

短いです。

でも、主張は書ききったつもりです。

 その日、世界は混沌に包まれた。

 

 夜の繁華街で寄り添う美男美女が化け物になった。行為中に気持ち悪いと本気で泣かれて戸惑う人間、鏡を見たらそこに映るのは紛れもなく自分自身の醜悪な容姿。ていうかお前もキモい。

 

 その天変地異の如き神の悪戯はネットでは五分とせずトップニュースとなり、容姿を売りにしていた芸能人のブログは忽ち「やば、俺もうファン辞めるわ」「キモいw」「さよなら俺の天使ちゃん」と大炎上。それからSNSに投稿される画像は対照的に、「おいおいどうなってんだよ」「キモい筈なのに……カッコいい……っ(ビクンビクン」と大絶賛の嵐。

 

 モデル業は一時的に全面休止状態に。世界的な混乱はやがて美的感覚がズレた以外に問題はないとして静まりを見せ始めるが、その歪さを受け入れるにあたって排除される人間もいる。

 

 とあるアイドルは信者だと思っていた豚たちの声に耳を閉ざした。とあるキモい系お笑い芸人は調子に乗ってすぐに警察のお世話になった。とあるカースト最下位のブタゴリラはやがて返り咲いた同類の異性でハーレムを築いて修羅場になる。

 

 三者三様、引きこもる者もいれば現実を受け止めた人間もいるし、この事がきっかけでのちの歴史が大きく狂ったなんて事起きなかった。

 ――ただ、この年より後に生まれた人間たちは普通の美的感覚を有していた為に、親のセンスのなさを嘆くのだが、それはまだ遠い未来の話である。

 

 そんな全世界を包んだ災害に見舞われ、もはや全ての人間が混乱している中――。

 洗顔を終え鏡台を覗く主人公は、いつも通りに笑顔を作った。

 

 

「うーん、……」

 

 

 いつもならば我ながらキモいと思っていたが、今日は心なしかカッコいいとさえ思うのだ。いや、よくよく見てみると今までと同じようにキモいのかも。カッコいい寄りかカッコわるい寄りどちらか分からないのは今に始まった事ではない。たまにはこんな時もある。

 

「ま、どうでもいいか」

 

 そう吐き捨てる彼は、洗面所を後にする。

 

 ――だって誤差だから。

 

 平凡な容姿の人間が何をやっても、大概は普通の範疇なのだ。だから、気づかない。ご都合主義もいい話だが、彼は全世界含めた容姿レベルにおいて丁度ど真ん中に位置していたが為に、唯一、被害を免れた。細かな事は分からないが、それでも説明を必要とするなら、言えるべき事はただ一つ。

 

 それは神の定めである。

 

 たった一人に主人公の役割を与え、その異質な存在が周囲に及ぼす影響、その他――のちの彼の交友関係を見れば一目瞭然である。

 

 すなわち、『平凡な主人公が美女美少女を相手にラブコメディをするために。』

 そんなご都合主義を叶えるたった一つの方法を神は見出したのだろう。



主人公。ちょうど神様がランキングした美醜度でど真ん中にいたある意味すごいやつ。逆転しても効果はない。むしろ、逆転しなかったために(作者にも分からないが)価値観も以前のままでいる。

これから病んでしまった元美女美少女を無自覚に救って、世間からはブス専ハーレム男だと思われる。なお、(元)美少女たちからの熱烈なラブコールに本人は若干の恐怖を覚えている。


色んなところで平凡な容姿の主人公がハーレムを築きまくっていると知って、どうせならイケメンでいいだろって思った作者です。

でも自己投影するにはそれが一番なんだろうなと思ったりして、ならばと平凡であるべき理由とやらを捏造しました。


続きません。

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