双子は大きくなりました。
深夜にこっそり更新です。
むひょひょひょ。
私たちのこと、神様だって!
喜ばれるのはとてもうれしいわ。お母様だって、誰かをよろこばせることはとてもとうといものっておっしゃってたわ。
でもね、エロロが言ってた。
すぐに自分の利益になる相手をあがめるような者には注意しろって。そう言うのは、ふりえきを感じとるとすぐに手のひらを返してののしってくるし、こうげきも平気でしてくるって。
私とメルは目を合わせる。
このおじさんは、次はないわね。
おとなのむずかしいことは分からないけど、このおじさんもここのいやなにおいと同じにおいが少しするしね。
メルもうなずいた。
そうだよね。
「「バイバイ」」
私たちよりずっと小さな女の子は、私たちに手を振ってくれた。
とってもかわいらしかったから、思わずほっぺにキスしてあげたの。
メルも、ちゅってその子のおでこにキスしてた。
この子はいやなにおいがとてもとても少なくて、瞳がとても綺麗だったの。
「おねえちゃんと、おねえ、ちゃんと、あ、ありがとう!」
とってもとってもかわいい!
だっこしたり、なでたり、おままごといっしょにしたいけど!
「したいけど、早く行かないと追いつかれちゃうかもだから」
メルがこっそり呟いた。
そうだった。
黙って出てきたから、早く遊ばないと見つかったらつれもどされちゃう!
私たちは手を繋いでそこを出て行く。
もっともっとひどいことをしてる奴らをつぶすのだ。
「でも、すこしおなか空いたね」
メルが切なそうに言うのに、私もおなか空いてることに気づく。
「おやつの前に出てきたもんね」
どうしよう?と二人で手を繋いでとぼとぼ歩く。切ない!
ネルは、ぼくのかおをとってもかなしそうに見つめて「おやつ……」と言ったの。
分かるよ、とってもよく分かるよ。
「おやつの後に出てきたらよかったね」
そう思って言ったんだけど、でも、おやつの後なら出てくるチャンスがなかったんだよね。
どうしようかな。
ぼくがおねえちゃんだから、何とかしてあげないと!
「わるもの退治はこんどにして、森にかりにいく?」
「えー、やだよー。おかしが食べたいんだもん」
「わかるー」
そうなんだよね。
お肉とか木ノ実じゃなくて、おかしが食べたいんだよね。
困ったなあ、この都市ではおかしを見つける方が大変なんだよね。
むー、どうしようかな。
とぼとぼ歩くぼくたちを見る犯罪者たちの目があるのをわかりつつ、でも、おかし食べたくて切なくて、今はそんなことかまってられない気持ちになる。
「おうちかえる?」
「やだー!」
ネルがいや、て言うのよく分かる。
ぼくもまだかえりたくない。
あ!そうだ!
「ハイロの所行こう!」
「ハイロ!?」
ネルのかおが、パッと明るくなる。光の魔法がかかったみたいに、お目々もキラキラする。
ぼくはネルのこのかおが好き。
ハイロは、ぼくとネルのお人形さん。
ぼくたちがまだ小さかった時にお外で拾った子なの。
おててとお目々がなくなってて、捨てられてたの。
本当はね、ハイロはお人形さんじゃないんだけど、ぼくたちのオモチャならおうちにおいていいよ、てゆーたんもルーたんもエロロも言うから、ハイロはぼくたちのお人形さんなの。
ぼくとネルが5歳の時だったよ。今ぼくたちは12歳だから、7年前かー。
だから、ハイロはぼくたちのお人形さんなの。
とっても強くて優しくてかわいいお人形さん。
たしか、ここでお仕事してるはず。お手紙きてたからね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
 




